「Shopifyでサブドメインを追加したいけれど、どこから設定すれば良いのか分からない」と悩んでいませんか?海外販売や新規事業用のサイト、ブログやサポートページなどを運営する中で、サブドメインをどう使うべきか迷う方も多いはずです。
本記事では、サブドメインの基本知識から追加・接続・管理の方法、さらにSEOやセキュリティ面での注意点までを分かりやすく解説します。
Shopifyで効果的にサブドメインを活用したい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
サブドメインの概要
サブドメインの使用目的・メリット
Shopifyにサブドメインを追加する方法
Shopifyでサブドメインを管理する方法
Shopifyでサブドメインを設定する際の注意点
サブドメインの概要
サブドメインは、メインとなるドメインを用途ごとに分けて活用できる仕組みで、ブランドやサイト構造を整理することに役立ちます。ここでは、サブドメインの基本的な考え方や、Shopifyでの利用に関する概要を解説します。
サブドメインとは
サブドメインとは、メインドメイン(ルートドメイン)の前に任意の文字列を追加して作成する、一つの独立した住所のようなものです。
例えば、「shopify.com」がルートドメインの場合、「help.shopify.com」の「help」の部分がサブドメインにあたります。
既にドメインを所有している場合、そのドメインにひもづける形でサブドメインを設定でき、目的や用途ごとにサイトを分けて運用する際に便利です。
メインのサイトと関連性を持たせながらも、別のウェブサイトとして扱える点が特徴です。
Shopifyで追加可能なサブドメイン数
Shopifyでは、一つのストアに対して追加できるドメインとサブドメインの合計数に上限があります。
通常のプランでは20個まで、Shopify Plusプランでは最大1,000個まで追加可能です。
サブディレクトリとの違い
サブドメインとよく比較されるものが「サブディレクトリ」です。
サブドメインは「blog.example.com」のようにルートドメインの前に文字列を追加するのに対し、サブディレクトリは「example.com/blog」のようにルートドメインの後ろにディレクトリを付け加える形で運用されます。
大きな違いは、検索エンジンでの扱い方です。サブドメインは独立したサイトとして認識されるため、SEO対策も別々に行う必要があります。一方、サブディレクトリはメインサイトの一部と見なされるため、メインドメインのSEO評価を引き継ぎやすいという特徴があります。
運用目的や管理体制に応じて、どちらを選ぶかを決めると良いでしょう。
サブドメインの使用目的・メリット
サブドメインは、一つのドメインを多用途に展開するための便利な仕組みです。具体的な活用シーンや得られるメリットは次のとおりです。
- 海外販売や地域ごとの展開
- ブログやサポートなど機能ごとの切り分け
- 新しい事業やキャンペーンの専用サイト
- テストサイトやモバイル向けサイト
- ブランドの一貫性や安心感を高める効果
それぞれを詳しく解説します。
海外販売や地域ごとの展開
越境ECを行う場合、国や地域ごとにサブドメインを分けると、現地のユーザーに合わせたページを作成できます。
例えば、「ca.example.com」や「fr.example.com」といった形式で設定すれば、利用者は直感的に「どの国向けのサイトか」を把握でき、信頼性や購買意欲の向上にもつながります。
さらに、国別の言語や通貨に対応したページを作ることで、ユーザー体験をより最適化できます。
ブログやサポートなど機能ごとの切り分け
メインサイトが製品販売を目的とする場合でも、ブログやFAQ、問い合わせ窓口など別の役割を担うページを運営することがあります。
サブドメインを利用して「blog.example.com」や「support.example.com」と分ければ、サイト構造が整理され、訪問者にとっても利便性が高まり、必要な情報へ短時間でたどり着けます。
また、役割ごとにデザインや機能を独立させることで、運営上の管理もしやすくなります。
新しい事業やキャンペーンの専用サイト
新規事業や期間限定のキャンペーンを展開する際には、サブドメインで専用サイトを立ち上げると効果的です。
メインサイトと関連性を保ちつつ、独立したページを作成できるため、情報の訴求力が高まり、プロモーションや販促活動を柔軟に展開できます。
さらに、他のコンテンツと混在しないため、訪問者が目的の情報に集中しやすい点もメリットです。
テストサイトやモバイル向けサイト
サブドメインは、公開前のテスト環境やモバイル専用ページの構築にも適しています。
「test.example.com」や「m.example.com」といった形で分ければ、開発段階の検証やスマートフォン最適化を安全に進められ、ユーザー体験の向上にも寄与します。
加えて、テスト専用の領域を設けることで、本番環境への影響を最小限に抑えられる利点もあります。
ブランドの一貫性や安心感を高める効果
もしメインサイトとストアが異なるドメインで運営されていると、訪問者に不信感を与える可能性があります。
サブドメインを利用すれば「同じブランドの一部」と認識されやすく、デザインや情報の統一感が増し、サイト全体の信頼性を強化できます。
また、既存顧客に対しては安心感を与え、新規顧客にはブランドの信頼をスムーズに伝えられる点も大きな魅力です。
Shopifyにサブドメインを追加する方法
Shopifyでは、自社が管理しているドメインから直接サブドメインを追加する方法と、外部サービスで取得したドメインを接続する方法があります。ここでは基本的な流れをケース別に整理しました。
Shopify管理ドメインから追加する場合
Shopifyで購入した管理ドメインを利用している場合は、管理画面から簡単にサブドメインを無料で追加できます。
手順は次のとおりです。
1. 管理画面で [設定] > [ドメイン] を開き、設定したいルートドメインを選択する
2. [サブドメインを追加] をクリックし、任意のプレフィックスを入力する(例:「us」「fr」などの国コード、blog、helpなど)
3. [保存] をクリックすると、サブドメインが追加される
必要に応じて、プライマリ・リダイレクト・エイリアスのいずれかにドメインタイプを変更できます。
外部サービスのサブドメインを接続する場合
お名前.comやムームードメインなど、外部プロバイダーで取得したドメインを利用する場合は、サブドメインを外部で設定してからShopifyに接続します。
基本的な手順は次のとおりです。
1. 外部ドメインプロバイダーのアカウントにログインし、DNS設定画面を開く
2. ホスト/エイリアス欄にサブドメイン名を入力し、レコードタイプにCNAMEを選択、「shops.myshopify.com」を関連付ける
3. Shopify管理画面で [設定] > [ドメイン] > [既存のドメインを接続する]を選び、対象のサブドメインを入力して確認する。
TXTレコードで追加確認を求められる場合もあるので、指示に従いましょう。
Shopifyでサブドメインを管理する方法
プライマリドメインを切り替える方法
ストアで表示されるアドレスを変更したい場合は、プライマリドメインを切り替えます。
1. Shopify管理画面の [設定] > [ドメイン] の順にクリックする
2. プライマリに指定したいドメインをクリックし、 [ドメインタイプを変更] を選択する
3. プライマリドメインを選び、保存する
この設定で、他のドメインは自動的に新しいプライマリドメインへリダイレクトされます。
サブドメインを別サイトに向ける方法
サブドメインをShopifyストアではなく、外部のサイトに割り当てることも可能です。
手順は次のとおりです。
1. Shopify管理画面で対象のサブドメインをクリックし、詳細設定に進む
2. DNS設定で、既存のCNAMEレコードを編集する
3. 別サイトのアドレスにCNAMEを向ければ、そのサブドメインで外部サイトを表示できる
Shopifyでサブドメインを設定する際の注意点
サブドメインは便利な一方で、設定や運用を誤るとサイトが正しく表示されなかったり、信頼性を損なったりするリスクがあります。安全かつ効果的に活用するために押さえておきたい注意点は次のとおりです。
- DNS設定や反映時間に気をつける
- SSL証明書を忘れずに確認する
- 放置サブドメインは削除する
- アクセス解析やSEOの対策を行う
- 名前の付け方を工夫して分かりやすくする
- メインドメイン変更の影響に注意する
それぞれの注意点を詳しく解説します。
DNS設定や反映時間に気をつける
CNAMEやAレコードを誤って設定すると、サブドメインが正しく機能しなくなる可能性があります。特にホスト名の入力方法や、レコード種別の指定ミスは見落としやすい部分です。
また、変更内容がインターネット全体に反映されるまでには最大で24〜48時間かかる場合があるため、即時に反映されなくても慌てる必要はありません。
反映中は一時的にアクセスできないこともあるため、公開スケジュールに余裕を持たせ、反映状況を定期的に確認することが大切です。
SSL証明書を忘れずに確認する
サブドメインごとにSSL証明書が適切に導入されているかを確認しましょう。
証明書が不十分だと、顧客の個人情報を保護できず、警告画面が表示されて離脱につながる恐れがあります。特にECサイトでは、カード情報や配送先住所などのやり取りが発生するため、SSLの導入は必須です。
Shopify管理ドメインを利用している場合は自動的に証明書が適用されますが、外部ドメインを接続する場合は証明書発行や更新を自分で行う必要があるため、定期的な確認とメンテナンスが欠かせません。
放置サブドメインは削除する
使わなくなったサブドメインを放置すると、不正アクセスや乗っ取りのリスクが高まります。
特にDNSレコードが残ったままのサブドメインは、悪意ある第三者に悪用されやすく、ブランド全体の信頼を損なう可能性があります。定期的にサブドメインの利用状況をチェックし、不要になったものはDNSレコードを削除することが重要です。
加えて、利用中のサブドメインが増えると管理の抜け漏れも起こりやすいため、一覧表で管理状況を可視化し、社内で共有できる体制を整えると安心です。
アクセス解析やSEOの対策を行う
サブドメインは検索エンジンから独立したサイトとして扱われるため、メインサイトと同じSEO効果が自動的に引き継がれるわけではありません。
新しく作成したサブドメインは、独自にSEO最適化を進める必要があります。さらに、Googleアナリティクスを導入する際には、クロスドメイントラッキングを設定しないと流入経路やユーザーの動きが分断されてしまいます。
正確な分析データを得るために、メインサイトとサブドメインのアクセス状況をまとめて計測できる環境を整えることが大切です。
名前の付け方を工夫して分かりやすくする
「blog」「help」「ca」など、用途や地域が直感的に分かるシンプルな名前を付けることが望ましいです。複雑で意味が伝わらない名前を設定すると、ユーザーが混乱するだけでなく、運営側も管理に手間がかかります。
将来的にサブドメインが増えても混乱しないよう、あらかじめ命名規則を社内で統一しておくと効果的です。
例えば、「国コード+サービス名」の形式を決めておけば、複数展開時にも分かりやすく、SEOやブランディングの観点でも有利です。
メインドメイン変更の影響に注意する
サブドメインはメインドメインに依存しているため、メインドメインを変更したり利用停止にしたりすると自動的に使えなくなります。ブランド移転やドメイン売却の際には、関連するサブドメインがどう扱われるかを必ず確認しておきましょう。
特に既存顧客がサブドメイン経由でサービスを利用している場合、突然のアクセス不能は大きな不満や機会損失を招きます。
事前にリダイレクト設定や通知を行い、利用者が迷わないように移行を計画的に進めることが求められます。