Shopify B2Bとは?卸売ECサイトを作る方法と料金を徹底解説!

Shopifyガイド

2026-06-29 20:10:43

Shopify B2Bとは、法人向け販売や卸売取引を効率化するための機能です。企業ごとの価格設定やカタログ管理、請求書払い、数量割引など、BtoB取引に必要な機能を利用できます。

本記事では、BtoB・BtoC・DtoCの違いをはじめ、Shopify B2Bの料金や利用条件、プランごとの機能差、主な機能、BtoB専用ストアと混合ストアの違い、BtoBサイトの構築方法、アプリを活用した代替手段まで分かりやすく解説します。

また、Shopify Plus限定機能や最新のB2B機能、パスワード保護機能を活用した簡易的な卸売サイトの構築方法についても紹介しています。これから法人向けECサイトの立ち上げを検討している方や、既存のShopifyストアで卸売販売を始めたい方はぜひ参考にしてください。

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目次

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BtoB(企業間取引)ECとは?BtoC・DtoCとの違い

まず始めに、ECサイト構築の前提知識となるBtoBの基本概念や、BtoC・DtoCとの違いについて解説します。

BtoB、BtoC、DtoCの基本的な違い

ECビジネスは、ターゲットとする顧客や販売ルートによって「BtoB」「BtoC」「DtoC」の三つに大きく分類されます。それぞれの言葉の意味と、ビジネスモデルとしての基本的な違いは次のとおりです。

    • BtoB(Business to Business): 企業と企業の間で行われる取引(企業間取引)。メーカーと卸売業者、卸売業者と小売店、あるいは資材の調達などがこれに該当。

    • BtoC(Business to Consumer): 企業が一般の消費者に対して商品やサービスを直接販売する取引形態。一般的なネット通販(ECモールやブランドの公式通販など)の多くがBtoCに分類される。

    • DtoC(Direct to Consumer): 企業が中間流通(卸や小売店)を挟まず、自社で企画・製造した商品を独自のECサイトなどを通じて消費者に直接販売する形態。BtoCの一種だが、より顧客との直接的なつながりやブランドの世界観を重視する特徴がある。

BtoB EC市場の現状とデジタル化の背景

近年、多くのBtoB企業において、これまで主流だった電話やFAX、メールによる受発注業務をEC化(デジタル化)する動きが急速に進んでいます。日本のBtoB市場におけるEC化率は年々上昇しており、取引のデジタル化は単なる業務効率化ではなく、企業の競争力を左右する重要な戦略となっています。

背景には、少子高齢化に伴う人手不足への対応や、バックオフィス業務のペーパーレス化といった課題があります。さらに、購入者である企業側の担当者も日常生活では一般的なBtoCのネット通販に慣れ親しんでいるため、法人の仕入れにおいても「24時間いつでもウェブから手軽に発注したい」というニーズが高まっています。

このような市場環境の変化から、取引先への利便性向上と自社の受注処理の自動化を同時にかなえるBtoB ECサイトの重要性が増しています。

BtoB特有の商習慣とECサイトに求められる機能

BtoB取引では、BtoC向けECサイトにはない独自の商習慣が存在します。代表的なものとして、取引先ごとの価格設定や掛け払い(請求書払い)、最小注文数の設定、数量による割引、複数拠点への配送などが挙げられます。例えば、卸売事業では同じ商品であっても取引先ごとに異なる価格で販売することが一般的です。また、月末締め翌月末払いのような支払い条件を契約ごとに設定するケースも少なくありません。

そのため、BtoB向けECサイトには、企業ごとの価格設定や顧客ごとの商品カタログ管理、数量割引や最小注文数の設定、請求書払いへの対応、法人アカウント管理、複数担当者・複数拠点管理、過去注文からの再注文機能といった高度な仕組みが求められます。

これらの要件に対応するためには、一般的なBtoC向けECシステムでは対応が難しく、追加開発や外部ツールが必要になることも少なくありません。しかし近年では、企業ごとの価格設定やカタログ管理、支払い条件の設定などに対応した「Shopify B2B」が標準で提供されており、本格的なBtoB ECサイトを効率的に構築できるようになりました。

次章では、Shopify B2Bの概要や特徴について詳しく解説します。

Shopify B2Bの概要とプラン別の違い

ここでは、標準機能として提供されている「Shopify B2B」の全体像と、利用するプランごとの具体的な機能差について解説します。

ShopifyのB2B機能とは

Shopify BtoB機能

ShopifyのB2B機能とは、法人向けの卸売や企業間取引を、Shopifyの標準システムを使って効率的に運営できるように設計された機能スイート(機能群)のことです。

元々は最上位のShopify Plus限定の機能でしたが、現在ではBasic・Grow・Advancedを含む全ての有料プランに、追加料金なしで標準開放されています。

これにより、外部アプリや高額なシステム開発に頼ることなく、次のような法人取引に必須の設定を管理画面から一元的に行えるようになりました。

    • 取引先ごとの専用価格(掛け率)や商品カタログの出し分け

    • 最小購入数やロット単位(ケース売り)などの数量ルール設定

    • 「月末締め翌月末払い」といった柔軟な決済期日(掛け払い)の自動適用

【早見表】BasicからShopify Plusまでのプラン別機能比較

契約しているプランによって、利用できるB2B機能の範囲や上限数に一部違いがあります。公式情報に基づいた機能比較は次のとおりです。

カテゴリー 機能・仕様 Basic Grow Advanced Shopify Plus
会社とお客様 会社プロファイルの作成・複数ロケーション登録
カタログと商品 B2Bマーケットカタログの最大数 最大3つまで 最大3つまで 最大3つまで 無制限
会社・ロケーションへの直接割り当て
数量ルール(最小/最大/増分設定)

決済・
チェックアウト

決済期日の条件設定・リマインダー
高度な決済(デポジット要求・一部決済)
コンテキストに応じたチェックアウト
ストアフロント Tradeテーマの利用・クイック注文リスト
コンテキストに応じたストアフロント
オートメーション Shopify Flowの利用(B2Bオブジェクト対応)

Shopify B2Bの利用要件

Shopify B2Bを利用するためには、いくつかの要件があります。

まず、Shopify B2Bに対応したプランへ加入している必要があります。また、管理画面上で法人顧客を会社として登録し、顧客アカウントとひも付ける必要があります。さらに、Shopify B2Bでは新しい顧客アカウント機能の利用が必須となっており、従来の顧客アカウントは利用できません。

また、Shopify B2Bを導入する際は、最初に「専用ストア」と「混合ストア」のどちらで運用するかを決定する必要があります。

専用ストアは、法人向け販売のみを行う独立したストアです。サイト全体を会員制にし、事前に承認した取引先だけが商品を閲覧・購入できるクローズドなECサイトを構築したい場合に適しています。

一方、混合ストアは、一つのストア内でBtoCとBtoBの両方を運営する形態です。一般ユーザーには通常価格を表示し、ログインした法人顧客には卸価格や掛け払いなどのBtoB向け機能を提供できます。

どちらの方式を選ぶべきかは、既存のBtoC事業の有無や、法人向け販売をどの程度独立して運営したいかによって異なります。

Shopify B2Bの主な機能

Shopify B2Bで利用できる主な機能は次のとおりです。

    • 会社管理

    • 顧客ごとのカタログ・価格設定

    • 数量割引・最小注文数の設定

    • 請求書払い・支払い条件の設定

    • 再注文機能

    • 複数拠点管理

    • BtoB専用テーマ「Trade」

それぞれの機能を詳しく解説します。

会社管理

Shopify B2Bでは、法人顧客を「会社」として管理できます。

会社ごとに担当者や配送先、支払い条件などをひも付けられるため、取引先情報を一元管理できる点が特徴です。また、一つの会社に対して複数の担当者アカウントを登録できるため、発注担当者と管理者を分けた運用も可能です。

BtoB取引では、個人ではなく企業単位で顧客管理を行うケースが多いため、会社管理機能はShopify B2Bの中核となる機能の一つです。

顧客ごとのカタログ・価格設定

Shopify B2Bでは、取引先ごとに異なる商品カタログや価格を設定できます。

例えば、「A社には全商品を10%割引で販売する」「B社には特定商品のみ卸価格を適用する」といった運用が可能です。

また、特定の企業だけが購入できる商品も設定可能です。そのため、代理店向け商品や限定商品などの管理にも役立ちます。

数量割引・最小注文数の設定

BtoB取引では、大口注文に応じた割引や最小発注数量(MOQ)の設定が求められることがあります。

Shopify B2Bでは、数量ルールを利用することで、購入数量に応じた価格設定が可能です。

例えば、次のような、段階的な価格設定を行えます。

    • 1〜99個:通常価格

    • 100個以上:10%割引

    • 500個以上:15%割引

また、「最低10個から注文可能」や「12個単位でのみ購入可能」といった制限も設定できるため、卸売や法人販売に適した販売ルールを構築できます。

請求書払い・支払い条件の設定

Shopify B2Bでは、法人取引で一般的な請求書払いや掛け払いに対応しています。取引先ごとに支払い条件を設定できるため、「月末締め翌月末払い」や「30日後払い」など、自社の取引条件に合わせた運用が可能です。また、請求期限の管理や支払いリマインダー機能も利用できるため、入金管理の効率化にもつながります。

さらに最新のアップデートにより、国内外の高度な決済要件にも標準で対応できるようになりました。Shopify Taxを使用することで、EUや英国の購入者向けにVAT登録番号を自動検証し、現地の法令に準拠したVAT請求書を作成、保存、表示できます。

さらに、チェックアウト時に購入者が銀行口座から直接支払いを行える「ACH決済」も利用可能です。口座情報を安全に保存しておくことで、支払期日に自動で引き落としを行う決済フローを構築でき、バイヤー側にとっても手間のないセルフサービス型の快適な購買体験を提供できます。

再注文機能

Shopify B2Bには、過去の注文履歴から簡単に再注文できる機能が用意されています。

BtoB取引では、同じ商品を定期的に発注するケースが多いため、毎回商品を探してカートへ追加する作業は大きな負担になります。

再注文機能を利用すれば、顧客は過去の注文内容を呼び出し、必要に応じて数量だけ変更して再発注できます。

複数拠点管理

Shopify B2Bでは、一つの会社に対して複数の拠点(ロケーション)を登録できます。

例えば、本社や支店、倉庫などを別々の配送先として管理し、それぞれ異なる担当者や注文条件を設定できます。

複数拠点を持つ企業との取引では、「東京支店向けの注文」や「大阪倉庫向けの注文」といった運用が発生するため、この機能が役立ちます。

BtoB専用テーマ

Shopifyでは、高度なBtoB機能に対応した専用テーマとして「Trade」や「Horizon」が提供されています。

これらのテーマは法人向け販売を前提として設計されており、企業向けの商品一覧や大量注文、クイックオーダーなど、BtoB ECで利用される機能を実装しやすい構成になっています。また、Shopify B2Bの会社管理やカタログ機能との親和性も高く、BtoBサイトを効率的に構築できる点が特徴です。

特に、新たにBtoB ECサイトを立ち上げる場合は、TradeやHorizonを活用することで開発工数を抑えながら構築を進められます。もちろん他のテーマでもBtoBサイトの構築は可能ですが、法人向け販売を中心に運営する場合は、これらのBtoB対応テーマを検討すると良いでしょう。

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ShopifyでBtoBサイトを構築するその他の方法

Shopify標準のB2B機能以外でBtoBサイトを構築する方法について解説します。取引先数や必要な機能によっては、Shopify B2Bを利用せずにアプリや標準機能を活用する方法も選択肢となります。

パスワード保護機能を使う

取引先限定で商品を公開したいだけであれば、Shopifyのパスワード保護機能を利用する方法もあります。

パスワード保護機能を有効にすると、パスワードを知っているユーザーのみがストアへアクセスできます。そのため、一般ユーザーに商品価格を見せたくない場合や、限られた取引先だけに商品を公開したい場合に活用できます。

パスワードの設定方法は次のとおりです。

1. Shopify管理画面で「オンラインストア」をクリックする
2. 「各種設定」→「パスワード保護」を開く
3. 「パスワードを有効にする」をクリックする
4. 希望するパスワードを設定する
5. 設定したパスワードを取引先へ共有する

ただし、この方法はあくまで簡易的な運用方法です。例えば、次のような機能には対応できません。

    • 企業ごとの価格設定

    • 顧客ごとの商品出し分け

    • 請求書払い

    • 会社単位での顧客管理

    • 数量別価格設定

    • 法人アカウント管理

そのため、本格的なBtoB ECサイトというよりは、特定の取引先だけに商品を見せたい場合や、会員制の卸売サイトを簡易的に運営したいといったケースに向いています。

将来的に取引先数の増加や受発注業務の効率化を目指すのであれば、Shopify B2BやBtoB向けアプリの導入も検討するとよいでしょう。

BtoB専用アプリで機能を拡張する

Shopifyでは、Basic・Grow・AdvancedプランでもB2B機能を利用できますが、カタログ数や企業ごとの価格設定など、一部の高度な機能には制限があります。

そのため、より柔軟な価格設定や会員制サイトの構築を行いたい場合は、BtoB向けアプリを導入して機能を拡張する方法があります。

例えば、BtoB専用アプリを利用することで、次のような機能を追加できます。

    • 顧客グループごとの価格設定

    • 卸売価格の自動適用

    • 会員限定の商品公開

    • 最小注文数量の設定

    • 見積依頼機能

    • 法人向け注文フォーム

特に、既にBasicやGrowプランで運営しており、取引先数もそれほど多くない場合は、Shopify Plusへ移行するよりもコストを抑えられるケースがあります。

一方で、複数のアプリを組み合わせる場合は、月額費用の増加やアプリ間の互換性を考慮する必要があります。また、Shopify B2Bの標準機能と比較すると、管理が複雑になる場合もあるため注意しましょう。

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