Shopifyで関税を支払う方法とは?DDUとDDPの違いを徹底解説

Shopifyガイド

2026-06-29 20:26:40

海外向けに商品を販売する越境ECでは、関税への対応が欠かせません。しかし、「関税は誰が支払うのか」「Shopifyで関税を徴収できるのか」「HSコードや原産国とは何か」など、初めて越境販売に取り組む方にとっては分かりにくい点も少なくありません。

Shopifyでは、購入者負担(DDU)とストア負担(DDP)の両方に対応しており、チェックアウト時に関税や輸入税を徴収することも可能です。一方で、正しい設定を行うためにはHSコードや原産国の登録、配送業者の選定など事前に理解しておくべきポイントがあります。

本記事では、関税の基礎知識からShopifyでの設定方法、DDUとDDPの違い、関税に関するよくある質問まで分かりやすく解説します。

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目次

 

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そもそも関税とは?

関税とは、海外から商品を輸入する際に、その国の税関で課される税金のことです。

各国は関税を課すことで、国内産業を保護したり、海外製品との価格差を調整したり、財政収入を確保したりしています。そのため、同じ商品であっても輸入先の国や商品の種類によって関税率が異なります。

ECサイトの越境販売においては、商品代金や送料だけでなく、関税の負担者や徴収方法を事前に把握しておくことが重要です。

関税と混同されやすい言葉に「輸入税(Import Tax)」があります。実際には、海外から商品を輸入する際に発生する税金は関税だけではありません。多くの国では、関税に加えて消費税や付加価値税(VAT)、商品サービス税(GST)などが課税される場合があります。

そのため、Shopifyでは、これらをまとめて「関税および輸入税(Duties and Import Taxes)」と表現しています。

関税の決まり方

関税率は全ての商品で共通ではなく、商品の種類や輸入する国・地域によって異なります。越境ECで関税を計算する際に特に重要となるものが、「HSコード」と「デミニマス(免税点)」の二つです。

HSコード

HSコード(Harmonized System Code)とは、世界共通で利用されている商品の分類番号です。

商品ごとに素材や用途、製造方法などに応じてコードが割り振られており、税関はこのHSコードを基に関税率を判断します。

例えば、同じ衣類でも「綿製のTシャツ」と「革製のジャケット」ではHSコードが異なり、適用される関税率も変わります。

そのため、越境ECで正確に関税を計算するためには、販売する商品ごとに適切なHSコードを設定することが重要です。HSコードの設定を誤ると、関税額の計算ミスや通関遅延の原因になる場合があります。

デミニマス

デミニマス(De Minimis)とは、「一定金額以下の輸入であれば関税や輸入税を免除する」という各国独自の基準額(免税点)のことです。

例えば、アメリカでは一定条件の下で800ドル以下の輸入品に対して関税が免除される制度が設けられています。このように、仕向け国(配送先の国)ごとに異なる免税基準が存在します。

そのため、同じ商品であっても発送先によって関税が発生する場合と発生しない場合があります。越境ECでは、販売先の国ごとのデミニマス制度を理解しておくことで、購入者の負担額を把握しやすくなり、トラブル防止にもつながります。

Shopifyでの関税の支払者

Shopifyでは、関税や輸入税を「購入者」と「ストア」のどちらが負担するかによって、購入体験や運用方法が大きく変わります。主にDDU(購入者負担)とDDP(ストア負担)の2種類があります。

DDU(購入者負担)

DDU(Delivered Duty Unpaid)は、関税や輸入税の支払いを購入者が負担する方式です。

Shopifyでは最も導入しやすい方法の一つであり、ストア側で事前に関税を計算したり徴収したりする必要がありません。そのため、海外販売を始めたばかりの事業者でも比較的簡単に運用できます。

一方で、購入者は商品到着時に配送会社や税関から関税・輸入税の支払いを求められる場合があります。購入時に想定していなかった追加費用が発生することで、受取拒否やクレームにつながるケースも少なくありません。

DDP(ストア負担)

DDP(Delivered Duty Paid)は、関税や輸入税、通関にかかる費用をストア側が負担する方式です。

購入者はチェックアウト時に表示された金額のみを支払えばよく(または、関税が既に料金に含まれている)、商品到着後に追加料金を請求されることはありません。そのため、海外通販に慣れていない顧客でも安心して購入でき、受取拒否やトラブルの発生を抑えやすいというメリットがあります。

一方で、ストア側は事前に関税や輸入税を正確に計算し、注文時に徴収する仕組みを用意する必要があります。また、配送会社や物流事業者によってはDDP発送のための設定や手続きが必要になる場合もあります。

近年の越境ECでは、顧客満足度やコンバージョン率を重視する観点から、可能な限りDDPで運用する企業が増えています。

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Shopifyで関税を支払う方法

Shopifyでは、購入者が商品受取時に関税を支払う方法、チェックアウト時に関税を徴収する方法、関税分をあらかじめ販売価格に含める方法の三つから運用方法を選択できます。

購入者が関税を負担する場合

購入者が商品受取時に関税や輸入税を支払う方式では、Shopify上で特別な関税設定を行う必要はありません。

最もシンプルに越境ECを開始できる反面、購入者が商品到着時に追加料金を請求されるため、受取拒否やクレームにつながる場合があります。

そのため、商品ページやチェックアウトページ、配送ポリシー、返品・返金ポリシー、FAQなどで「関税や輸入税は購入者負担となる」ことを事前に案内しておくことが重要です。

チェックアウト時に関税を購入者から徴収する場合

チェックアウト時に関税や輸入税をあらかじめ徴収し、ストア側が配送時に納税を行う方式もあります。

購入者は商品到着後に追加料金を支払う必要がなくなるため、購入体験の向上や受取拒否の防止につながります。一方で、この方式ではカゴ落ちにつながる可能性があります。

Shopifyでは、管理画面の「設定」→「関税と税金」→「関税および輸入税」から設定できます。「マーケット」を選択したら、ShopifyがAvalaraという関税計算サービスと連携します(0.5%の取引手数料が発生します)。「保存」をクリックして完了です。

Shopifyの全てのプランにおいて、標準機能で関税の徴収を設定できますが、商品ごとにHSコードと原産国を正しく登録しておく必要があります。また、DHLやFedEx、UPSなどのDDP対応配送サービスを利用できることも前提条件です。

関税を商品価格に含める場合

関税や輸入税を別途徴収せず、あらかじめ販売価格へ上乗せして販売する方法もあります。

購入者から見ると「表示価格以外の追加費用が発生しない」ため、安心感を与えやすいというメリットがあります。一方で、関税コストを価格へ転嫁することになるため、現地の競合商品と比較された際に価格競争力が低下する可能性があります。

この方法もShopify上で特別な設定は必要なく、商品の販売価格を調整するだけで運用できます。

商品ページや配送ポリシーなどで「表示価格には関税が含まれています」と明記しておくと、購入者にも分かりやすくなります。

Shopifyの関税に関するQ&A

最後に、Shopifyの関税に関するよくある質問とその回答を紹介します。

商品に「HSコード」を設定していなくても、チェックアウト時に関税や輸入税を計算・徴収できますか?

条件付きで可能です。ただし、情報が全て欠落している場合は計算されません。

商品にHSコードがない場合、代わりに「商品の説明」と「商品カテゴリー」に基づいて計算が行われます。ただし、HSコード・商品説明・商品カテゴリーのいずれも設定されていない場合は、徴収設定をしていても関税・輸入税は計算されません。

原則的に全ての海外注文においてHSコード自体は必要です。

アメリカ宛ての荷物には、少額貨物の免税基準(デミニマス)が適用されますか?

2025年8月29日以降、アメリカ向け輸出におけるデミニマス制度は適用されません。

これまでアメリカでは、一定条件の下で800米ドル以下の輸入貨物に対して関税を免除する「デミニマス制度」が設けられていました。そのため、多くの越境EC事業者は少額商品の販売において関税負担を抑えることができました。

しかし、制度変更により2025年8月29日以降は、商品の価格にかかわらずアメリカへ輸入される貨物に関税や輸入税が課されます。

そのため、これまで「800ドル以下なら関税は発生しない」という前提で運用していたストアは注意が必要です。特にDDU(購入者負担)で運用している場合、購入者が商品受取時に想定外の追加費用を請求される可能性があるため、商品ページや配送ポリシーなどで事前に案内しておくことをおすすめします。

また、アメリカ向け販売の比率が高いストアでは、DDP(ストア負担)への切り替えや、関税コストを考慮した価格設計の見直しを検討する必要があるでしょう。

関税の設定はどのように運用すべきか?

越境ECを成功させるためには、最初から完璧な関税対応を目指すのではなく、ストアの成長フェーズに合わせて運用方法を選択することが重要です。

これから海外販売を始める段階であれば、まずはDDU(購入者負担)方式がおすすめです。DDUであればShopify側で複雑な設定を行う必要がなく、HSコードや原産国の管理、関税計算の運用負担も最小限に抑えられます。そのため、低コストかつスピーディーに越境ECを立ち上げることができます。

一方で、海外からの注文が増え、特定の国や地域で安定した売り上げが見込めるようになったら、DDP(ストア負担)方式への移行を検討すると良いでしょう。

DDU方式では、購入者が商品到着時に追加で関税や輸入税を支払う必要があるため、「最終的にいくらかかるのか分からない」という不安から購入を断念されるケースがあります。特に海外では、この不透明さがカゴ落ちの原因になることも少なくありません。

その点、DDP方式であればチェックアウト時に支払総額が確定するため、購入者は追加費用を心配することなく注文できます。結果として、コンバージョン率の向上や受取拒否の減少、顧客満足度の向上が期待できます。

まずはDDUで越境ECの運用に慣れ、売り上げやリピート顧客が増えてきた段階でDDPへ移行する。この段階的なアプローチが、多くのShopifyストアにとって現実的かつ成功しやすい関税運用といえるでしょう。

関税における原産国とは?

関税における「原産国(Country of Origin:COO)」とは、その商品がどこの国で製造または実質的な加工・組立てが行われたかを示す国のことです。いわば商品の「国籍」ともいえる情報であり、関税率や輸入規制、貿易協定の適用可否を判断する重要な基準となります。

多くの人は「どの国から発送されたか」が原産国だと思いがちですが、関税上は発送元ではなく、商品が実質的に生産された国が重視されます。そのため、日本から発送された商品であっても、中国で製造されたものであれば原産国は中国となります。

例えば、アメリカ向けに同じTシャツを販売する場合でも、日本製と中国製では適用される関税率が異なる場合があります。また、自由貿易協定(FTA)や特恵関税制度が利用できるかどうかも原産国によって決まります。そのため、原産国の設定を誤ると、本来より高い関税が課されたり、通関時に追加確認が発生したりする可能性があります。

さらに、商品の製造工程が複数の国にまたがるケースも少なくありません。例えば、カナダ産の木材、メキシコ産の接着剤、中国産のネジを使用して、アメリカで最終的な組立てを行ったテーブルであれば、一般的には最終的な製造・組立てが行われたアメリカが原産国として扱われます。

Shopifyで関税や輸入税を自動計算する場合も、HSコードと並んで原産国の登録が重要な要素となります。正しい原産国が設定されていないと、関税額の計算精度が低下したり、配送先によっては追加の関税や輸入税が発生したりする可能性があるため、越境ECを運営する際は必ず確認しておきましょう。

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