小さな荷物を送るとき、「どの配送サービスが一番安いのか?」と迷う方は多いのではないでしょうか。
ヤマト運輸・佐川急便・日本郵便の3社は、それぞれ小型荷物に特化したお得なサービスを展開しています。送料は荷物の大きさ・厚さ・重さ・配送距離によって変わりますが、条件によっては数百円の差が出ることもあります。
本記事では、代表的な小型向けサービス(宅急便コンパクト・ゆうパケット・飛脚ゆうメール便など)の料金や特徴を比較し、どのケースでどの会社が最も安くなるのかを分かりやすく解説します。
小型ってどのくらいのサイズ?
小型サイズの送料比較
【ヤマト運輸】小型サイズ別の送料
【佐川急便】小型サイズ別の送料
【日本郵便】小型サイズ別の送料
小さい荷物をさらに安く送る方法
小型サイズの配送に関するQ&A
小型ってどのくらいのサイズ?
まず始めに、小型サイズの定義について解説します。
小型サイズに定義はない
配送において「小型サイズ」という公式な定義はありません。一般的には、宅配便の最小規格から80サイズ程度までを「小型」と呼ぶケースが多いです。
段ボールの最小は60サイズ
宅配便で利用できる段ボールの中で最小規格は60サイズです。60サイズとは、縦・横・高さの合計が60cm以内のもので、ヤマト運輸・佐川急便・日本郵便・西濃運輸・福山通運など主要な配送業者で取り扱われています。
さらに小さいサイズを希望する場合は、ヤマト運輸の「宅急便コンパクト」や、日本郵便の「定形外郵便」「ゆうパケット」などを利用できます。
60サイズの送料についてはこちらの記事で詳しくまとめています。
小型サイズの送料比較
業者
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サービス
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サイズ
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厚さ
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重量
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送料
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ヤマト 運輸
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宅急便コンパクト(宅急便コンパクト専用BOX)
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内寸:19.3cm×24.7cm
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4.7cm
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制限なし
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720〜1,270円(専用BOX代含む)
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宅急便コンパクト(宅急便コンパクト薄型専用BOX)
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内寸:24cm×33.2cm
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-
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制限なし
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720〜1,270円(専用BOX代含む)
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こねこ便420
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34cm ×24.8cm(3辺合計61.8cm)
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3cm以内
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制限なし
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420円(資材代金含む)
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ネコポス
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下限:23cm以上・11.5cm以上
上限:31.2cm以内・22.8cm以内
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2.5cm以内
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1kg以内
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契約による
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佐川急便
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飛脚ゆうパケット便
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縦:14cm以上34cm以内
横:9cm以上
(3辺合計60cm以内)
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3cm以内
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1kg以内
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1cm以内:250円
2cm以内:310円
3cm以内:360
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飛脚ゆうメール便
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縦:34cm以内
横:25cm以内
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3cm以内
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3kg以内
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200g以内:115円
500g以内:168円
1kg以内:299円
2kg以内:330円
3kg以内:456円
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飛脚メール便
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3辺合計70cm以内(最長辺40cm以内)
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2cm以内
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1kg以内
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300g以内:168円
600g以内:220円
1kg以内:325円
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日本郵便
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定形外郵便物 規格内
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長辺:34cm以内
短辺:25cm以内
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3cm以内
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1kg以内
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50g以内:140円
100g以内:180円
150g以内:270円
250g以内:320円
500g以内:510円
1kg以内:750円
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定形外郵便 規格外
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3辺合計90cm以内(最長辺60cm以内)
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制限なし
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4kg以内
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50g以内:260円
100g以内:290円
150g以内:390円
250g以内:450円
500g以内:660円
1kg以内:920円
2kg以内:1,350円
4kg以内:1,750円
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レターパックライト
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34cm × 24.8cm
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3cm以内
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4kg以内
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430円
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レターパックプラス
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34cm × 24.8cm
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制限なし
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4kg以内
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600円
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クリックポスト
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長さ:14〜34cm 幅:9〜25cm
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3cm以内
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1kg以内
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185円
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ゆうパケット
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3辺合計60cm以内(最長辺34cm以内)
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3cm以内
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1kg以内
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厚さ1cm以内:250円 厚さ2cm以内:310円 厚さ3cm以内:360円
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ゆうメール
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長辺:34cm以内
短辺:25cm以内
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3cm以内
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1kg以内
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~150g :180円
~250g:215円
~500g:310円
~1kg:360円
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スマートレター
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25cm × 17cm
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2cm以内
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1kg以内
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210円
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ミニレター(郵便書簡)
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ハガキサイズ
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1cm以内
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25g以内
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85円
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【ヤマト運輸】小型サイズ別の送料
ヤマト運輸が提供している小型サイズ向けの配送方法と、それぞれの送料について紹介します。
宅急便コンパクト
60サイズより小さい荷物を安く送れる宅急便が「宅急便コンパクト」です。専用ボックスに荷物を入れて手渡しで配達される小型向けサービスで、追跡サービスにも対応しているため安心して利用できます。
専用ボックスは2種類あり、いずれも資材代は1枚70円(税込)です。大きさは次のとおりです。
- 宅急便コンパクト専用BOX:内寸 縦19.3cm×横24.7cm×高さ4.7cm
- 宅急便コンパクト薄型専用BOX:内寸 縦24cm×横33.2cm
送料は60サイズより安く設定されています。例えば、関東から関東へ送る場合は資材代込みで720円(60サイズだと940円)となり、よりお得に利用できます。
こねこ便420
「こねこ便420」は、A4サイズ程度・厚さ3cm以内の荷物を送る際に便利な小型配送サービスです。専用資材(34cm×24.8cm)を購入して利用でき、全国一律420円(税込)で発送できます。料金には資材代と運賃が含まれているため、発送時に追加費用が発生せず、分かりやすい料金体系が魅力です。
配送スピードは宅急便と同等で、最短翌日にお届け可能です。配達は郵便受けへの投函(とうかん)となり、日時指定には対応していません。
なお、「こねこ便420」は沖縄県では利用できない点にご注意ください。
ネコポス
「ネコポス」は、小型荷物をポストに直接投函(とうかん)するヤマト運輸のサービスです。利用できるのは、ヤマト運輸と契約している法人や個人事業主、あるいはメルカリなどの契約済みフリマアプリを利用する個人です。
通常の宅急便と同様に最短翌日のお届けが可能です。日時指定には対応していません。
料金は全国一律ですが、契約内容や利用するサービスによって異なります。例えば、メルカリでは210円に設定されています。
サイズ規定は次のとおりです。
- 下限:縦23cm以上 × 横11.5cm以上
- 上限:縦31.2cm以内 × 横22.8cm以内
- 厚さ:2.5cm以内(一部は3cmまで可)
- 重量:1kg以内
A4サイズが入る角形2号封筒(縦33.2cm×横24.0cm)は規格を超えるため、そのままでは利用できません。封筒を折り込むなどの工夫が必要です。
【佐川急便】小型サイズ別の送料
次に、佐川急便が提供している、小型サイズの配送サービスと送料を紹介します。
飛脚ゆうパケット便
「飛脚ゆうパケット便」は、佐川急便が差出人となって郵便局へ差し出し、郵便局の配達員が「ゆうパケット」として届けるサービスです。衣類やサプリメント、CD・DVD、雑誌やコミックなどの小さな荷物をお得に発送できる点が特徴です。
対応サイズは、縦14cm以上34cm以内、横9cm以上、厚さ3cm以内で、3辺の合計が60cm以内、重量は1kg以内です。
料金は全国一律で厚さに応じて変わり、1cm以内は250円、2cm以内は310円、3cm以内は360円です。これらの料金は日本郵便の「ゆうパケット」と同額です。
ただし配達スピードには注意が必要です。一般郵便物の配達日数に加えておおむね3日程度かかり、遠方や離島ではさらに日数を要する場合があります。急ぎの発送には、直接日本郵便のサービスを利用する方が確実です。
飛脚ゆうメール便
「飛脚ゆうメール便」は、佐川急便が差出人となって郵便局に差し出し、その後は郵便局の配達員が「ゆうメール」として届けるサービスです。雑誌やカタログといった冊子印刷物の他、パンフレットや書籍、CDやDVDなども安価に発送できる点が特徴です。
対応サイズは縦34cm・横25cm・厚さ3cm以内で、重量は3kgまでです。
料金は全国一律で重量によって変動し、200g以内が115円、500g以内が168円、1kg以内が299円、2kg以内が330円、3kg以内が456円です。
お届けには郵便局への差し出し後5日程度かかるため、急ぎの発送には直接日本郵便のサービスを利用することをおすすめします。
飛脚メール便
「飛脚メール便」は、雑誌やカタログなど、受領印を必要としない荷物を1冊から安価に発送できる法人向けサービスです。ポスト投函(とうかん)による配達のため、荷受人が不在でも受け取りが可能で、お届け完了の確認にも対応しています。
対応サイズは3辺合計70cm以内、最長辺40cm以内、厚さ2cm以内、重量1kg以内で、ポストに入る形状の荷物が対象です。
料金は全国一律で、300g以内が168円、600g以内が220円、1kg以内が325円です。
お届け日数は一部地域を除き3〜4日程度が目安です。
【日本郵便】小型サイズ別の送料
日本郵便では小型サイズに対応しているサービスが豊富に用意されています。それぞれのサービスを詳しく紹介します。
定形外郵便物
「定形外郵便物」は、郵便局で利用できる小型荷物向けの発送方法で、規格内と規格外に区分されています。料金は距離ではなく重量によって決まり、コストを抑えて発送できる点が特徴です。なお、追跡や補償を利用する場合はオプションの追加が必要です。
規格内では薄い荷物を安価に送れる点が特徴です。規格内のサイズ規定は次のとおりです。
- サイズ:長辺34cm以内、短辺25cm以内、厚さ3cm以内
- 重量:1kg以内
規格内の送料は、50g以内は140円、500g以内は510円、1kg以内は750円です。
規格外は厚みのある荷物ややや大きめのサイズでも対応でき、最大4kgまで送付可能です。例えば、50g以内は260円、500g以内は660円、1kg以内は920円で、最大の4kg以内でも1,750円です。
レターパック(ライト・プラス)
「レターパック」は、A4サイズ・4kgまでの荷物を全国一律料金で送れるサービスです。土日祝日を含めて毎日配達され、追跡サービスも標準で利用できます。
レターパックには「レターパックライト」と「レターパックプラス」の2種類があります。どちらもA4ファイルサイズ(340mm×248mm)で、重さは4kg以内まで対応できます。違いは厚さの制限と配達方法、そして料金にあります。
レターパックライトは430円で利用でき、厚さ3cm以内の荷物を対象としています。配達は郵便受けへの投函(とうかん)となるため、不在時でも受け取れる点がメリットです。
一方、レターパックプラスは600円で、厚さに制限はなく、より厚みのある荷物も送れます。配達は対面で行われ、受領印や署名が必要となるため、確実に手渡しで届けたい場合に適しています。
クリックポスト
「クリックポスト」は、インターネット上で申し込みから決済まで完結し、自宅で宛名ラベルを印刷してポストに投函(とうかん)できる日本郵便のサービスです。全国一律185円と非常に安価で、追跡サービスも標準で付いているため安心して利用できます。
フリマアプリやネットショップ利用者から特に人気があり、小物や書籍などの発送に適しています。
利用できる荷物のサイズは、長辺が14〜34cm以内、短辺が9〜25cm以内で、厚さは3cm以内、重量は1kg以内と定められています。
クリックポストを利用するためには、Yahoo! JAPAN IDまたはAmazonアカウントが必要で、支払い方法としてはYahoo!ウォレット(クレジットカード払い)もしくはAmazon Pay(クレジットカード払い)に登録しておく必要があります。
ゆうパケット
「ゆうパケット」は、重さ1kgまで・厚さ3cm以内の荷物を全国一律料金で送れる日本郵便のサービスです。ポストからそのまま発送でき、配達は郵便受けに投函(とうかん)される形式で、土日祝日も含めて毎日配達されます。さらに追跡サービスにも対応しているため、安心して利用できます。
料金は厚さによって3段階に分かれており、1cm以内は250円、2cm以内は310円、3cm以内は360円と設定されています。サイズ規定は3辺(縦・横・厚さ)の合計が60cm以内、かつ長辺が34cm以内です。
ゆうメール
「ゆうメール」は、書籍や商品カタログ、CD、DVDなどを1kgまで安価に送れる日本郵便のサービスです。ポスト投函(とうかん)にも対応しているため、気軽に利用できます。
サイズ規定は長辺34cm以内、短辺25cm以内、厚さ3cm以内で、比較的コンパクトな荷物の発送に適しています。
料金は重量によって決まる従量課金制で、150gまでなら180円、250gまでなら215円、500gまでなら310円、1kgまでなら360円です。
さらに、必要に応じて速達や書留などのオプションを追加できるため、配送スピードや安全性を高めたい場合にも対応可能です。
スマートレター
「スマートレター」は、専用封筒を利用してA5サイズ・1kgまでの荷物を全国一律210円で送れるサービスです。申込書などの書類の他、CD・DVDといったディスク類や文庫本など、小型で軽量な荷物の発送に適しています。
ただし、速達などのオプションサービスは利用できず、追跡機能も付いていません。配送状況の確認が必要な場合や、より確実な配送を希望する場合は「レターパック」などのサービスを選ぶと安心です。
ミニレター(郵便書簡)
「ミニレター(郵便書簡)」は、封筒と便箋が一体となった郵便専用の文書で、はがきの約3倍の記入スペースがあります。厚さ1cmおよび重量25gを超えない範囲で、内容品が封入でき、全国一律85円で送れます。
表面には、はがきと同じように料額印面が印刷してあります。厚さ1cmおよび重量25gを超えない範囲で、内容品を封入できます。写真やギフトカードなど軽量な小物を送る際に適しています。
小さい荷物をさらに安く送る方法
小型サイズの荷物の送料をさらに安く抑えるためのポイントを解説します。
割引を活用する
各配送業者では、持ち込み割引や会員割引、複数口割引など、利用条件に応じた割引制度を設けています。
例えば、ヤマト運輸では営業所へ直接持ち込むと1個当たり100円の割引が適用され、日本郵便でも同様に持ち込みによる割引制度があります。
配送業者によってさまざまな割引サービスが用意されているため、自分の発送スタイルに合った割引を上手に取り入れることでコストを抑えられます。
なるべく小さく薄く・軽くする
送料はサイズや重量に応じて決まるため、できるだけ小さくまとめて送ることが節約の基本です。
厚さを抑えるために圧縮袋を使ったり、封筒を利用して箱よりも軽量化したりする工夫が効果的です。
荷物をシンプルに梱包(こんぽう)するだけでも、1サイズ下げられる場合があり、送料に大きな差が出ます。
特約を締結する
個人事業主や法人の場合、配送業者と契約を結ぶことで特約料金を利用できます。
発送量が多いほど割引率が高くなるため、ネットショップや定期的に発送する事業者は特約の利用を検討する価値があります。
最近では小規模事業者向けにも特約を提供するケースが増えているため、条件に合うか確認してみると良いでしょう。
配送サービスを使い分ける
荷物のサイズや内容物によって最適な配送方法は変わります。
書類や薄い冊子なら「クリックポスト」や「ゆうメール」、小物や雑貨なら「ネコポス」、厚みのある品物なら「宅急便コンパクト」など、サービスごとの特徴を理解して使い分けることで無駄なコストを避けられます。
同じ荷物でもサービスを変えるだけで数百円安くなるケースも少なくありません。
フリマアプリやECサイトの提携サービスを利用する
メルカリ便やラクマ便といったフリマアプリ専用の配送サービスは、個人でも法人契約に近い特別料金が適用されるため、通常より安く発送できます。
匿名配送や追跡サービスも付いているため、安全性とコスト削減を両立できる点が魅力です。
フリマアプリ以外にも、ECサイトと提携して割安配送を提供するケースがあるため、自分が利用しているサービスにこうした仕組みがないか確認してみると良いでしょう。
小型サイズの配送に関するQ&A
最後に、小型サイズの配送に関するよくある質問とその回答を紹介します。
追跡サービスがある配送方法はどれですか?
ほとんどのサービスで荷物の追跡が可能です。
標準で付いていない場合でも「特定記録」などのオプションを追加することで利用できます。詳細は各配送業者の公式ウェブサイトでご確認ください。
追跡と補償が利用できる配送方法はどれですか?
例えば、ヤマト運輸の「宅急便コンパクト」や「ネコポス」では、追跡サービスに加えて荷物の補償も付いています。
佐川急便では「飛脚ゆうメール便」が補償に対応しています。
送れないものはありますか?
送れないものはサービスごとに異なりますが、多くの配送サービスで共通して送れないものが信書です。
信書とは、内容を相手に伝えるために作成された文書で、請求書・納品書・契約書・証明書などが該当します。
その他、危険物や現金なども取り扱えない場合があります。詳細は各配送業者の公式ウェブサイトでご確認ください。