Shopifyでオンラインストアを運営するなら、見落としがちな「ファビコン」の設定も忘れずに行いたいポイントです。ファビコンは、ブラウザーのタブや検索結果、ブックマークなどに表示される小さなアイコンで、ユーザーに視覚的な印象を与える重要な役割を果たします。
本記事では、Shopifyでファビコンを設定するメリットから、実際の設定手順、そしてデザイン初心者でも簡単に作れる方法まで、分かりやすく解説します。
目次
ファビコンとは
Shopifyでファビコンを設定するメリット
Shopifyのファビコンの設定方法
Shopifyのファビコンを簡単に作る方法
Shopifyのファビコンに関するQ&A
ファビコンとは
ファビコン(favicon)とは、「favorite icon(お気に入りのアイコン)」を略した言葉で、ウェブサイトを象徴する小さなアイコン画像のことです。
主に次のような場所で表示され、ユーザーがサイトを識別しやすくする役割を果たします。
- ブラウザーのタブ:各タブのタイトル横に表示される
- アドレスバー:ブラウザーのアドレスバーに表示される(最近のブラウザーでは、HTTPS接続の有無を示す鍵マークなどに置き換わっていることもある)
- お気に入り・ブックマーク:お気に入りやブックマークに登録した際に、サイト名の横に表示される
- 検索結果ページ:Googleなどの検索エンジンの検索結果において、サイトタイトルの左側に表示されることがある
- スマートフォンのホーム画面:ウェブページをホーム画面に追加した際に、アプリアイコンのように表示される
- デスクトップのショートカット:パソコンのデスクトップにウェブサイトのショートカットを作成した場合に表示される
Shopifyでファビコンを設定するメリット
Shopifyでファビコンを設定することは、単なる見た目の工夫ではなく、次のようにさまざまな面でメリットがあります。
- ブランド認知の強化
- 信頼感とプロフェッショナルな印象の向上
- ユーザー体験(UX)の向上
- マーケティングとSEOへの好影響
- 専門性とブランディングの一貫性の強化
具体的な効果について解説します。
ブランド認知の向上
ファビコンは、ユーザーの視界に繰り返し現れることで、ブランドの認知度を高める効果があります。
タブやブックマーク、検索結果、スマートフォンのホーム画面など、あらゆる場面でブランドロゴやシンボルを表示できるため、ユーザーの記憶に定着しやすいです。
特にECサイトでは競合ストアと並ぶ場面が多いため、ファビコンの有無が「見つけやすさ」や「思い出しやすさ」に直結します。
信頼感とプロフェッショナルな印象の向上
ファビコンを設定していない場合、ブラウザー上では無地のアイコンやデフォルト画像が表示され、未完成あるいは信頼性の低いサイトという印象を与えてしまうリスクがあります。
一方、ブランドイメージと統一されたファビコンを設定することで、細部まで配慮の行き届いたプロフェッショナルなサイトとして、訪問者に安心感と信頼感を与えられます。
特に、初めてアクセスするユーザーに対しては、第一印象として大きな違いを生みます。
ユーザー体験(UX)の向上
多くのユーザーは複数のサイトを同時に閲覧しており、その中で自サイトをすぐに見つけてもらうためには、ファビコンの視認性が大きな助けとなります。
目的のタブを直感的に識別できることにより、ブラウジングのストレスが軽減され、快適な利用体験を提供できます。
ブックマークに保存された際にも、ファビコンがあることで見つけやすくなり、再訪問を促進します。ユーザーにとって利便性が高まることで、リピーターの獲得にもつながります。
マーケティングとSEOへの好影響
Googleなどの検索エンジンでは、検索結果ページにファビコンが表示されることがあり、特にモバイル検索においては視覚的な訴求力が高まります。
タイトルや説明文が似た競合が並ぶ中で、自社のファビコンが目にとまれば、クリック率の向上が期待できます。
また、SNSや外部サイトでURLがシェアされた際にも、ファビコンが表示されることで、視覚的なアイキャッチとして機能し、クリックや認知につながるケースもあります。これにより、ストアへの流入増加やブランドの定着が促進されます。
専門性とブランディングの一貫性の強化
ファビコンは、サイトが取り扱う商材やサービスを象徴するシンボルとしても活用できます。
例えば、帽子専門のECサイトであれば帽子のアイコンをファビコンに設定することで、ユーザーに専門性を強く印象付けられます。
また、ロゴやブランドカラーと連動したデザインにすることで、ブランドの一貫性を維持し、企業としてのメッセージ性を明確に伝えられます。
こうしたブランディングの積み重ねが、ユーザーからの信頼と共感を生み出し、売り上げアップにもつながります。
Shopifyのファビコンの設定方法
ここでは、ファビコンを設定するための手順や注意点を分かりやすく解説します。
推奨サイズとファイル形式
Shopifyで使用できるファビコンの理想的な画像サイズは、16×16ピクセルまたは32×32ピクセルです。
画像サイズが大きすぎる場合でも、Shopifyにアップロードすると自動的に32×32ピクセルに縮小されるため、元の解像度が高すぎる必要はありません。ただし、高解像度ディスプレイなど幅広い表示環境に対応したい場合には、128×128ピクセル以上の画像を用意しておくことが望ましいとされています。
対応しているファイル形式は、.png、.ico、.jpg、.gif、.svgです。背景の透過が必要な場合は.png形式が推奨されます。
ファビコン画像のアップロード手順
ファビコンをShopify上にアップロードする方法は、使用するデバイスによって異なります。
デスクトップ

1. 管理画面で「オンラインストア」→「テーマ」をクリックする
2. 使用中のテーマの横にある「カスタマイズ」をクリックする
3. 左メニューの「テーマ設定」→「ファビコン」または「ロゴ」をクリックする
4. ファビコンにしたい画像をアップロードする
5. 「完了」をクリックする
6. 幅などを設定し「保存」をクリックする
スマートフォン
1. Shopifyアプリを開いて「≡」をタップする
2. 「オンラインストア」→「すべてのテーマを管理する」をタップする
3. ファビコンを追加するテーマの「カスタマイズ」を選択し、「...」→「テーマ設定をタップする
4. 「ロゴ」もしくは「ファビコン」を選択し、ファビコンにしたい画像をアップロードする
5. 「完了」をクリックする
6. 幅などを設定し「保存」をクリックする
他テーマへの反映方法(複数テーマ管理時)
Shopifyで複数のテーマを使用・管理している場合、それぞれのテーマごとにファビコンを個別に設定する必要があります。
プレビュー中のテーマには反映されないこともあるため、公開中のテーマに設定されているかを必ず確認してください。
変更後に確認すべきポイント
ファビコンはブラウザーのタブやブックマーク一覧、ブラウザーの検索結果、スマホのホーム画面などさまざまな場所に表示されるため、設定後は正しく表示されているかを必ず確認しましょう。
思わぬ表示崩れや認識ミスを防ぐためにも、複数の端末やブラウザーでチェックすることが重要です。
Shopifyのファビコンを簡単に作る方法
ファビコンは小さなアイコンですが、ブランドイメージを左右する大切な要素です。ファビコンを簡単に作成する主な方法は次のとおりです。
- Shopify公式のロゴメーカーを使う
- 無料のファビコン作成ツールを活用する
- 既存のロゴをファビコン用に加工する
専門的なデザインスキルがなくても、誰でも手軽にファビコンを作れる方法を詳しく紹介します。
Shopify公式のロゴメーカーを使う

Shopifyのファビコンを簡単に作る方法として、Shopify公式のSHOPIFYロゴメーカー(旧:Hatchful)の活用がおすすめです。
専門的なデザインスキルがなくても直感的な操作でロゴを作成できる点が特徴で、ファビコンとして使えるシンプルで見やすいロゴを手軽に作れます。
ビジネスの業種や好みのスタイルを選ぶだけで、自動的に複数のデザイン案が生成され、好みに合わせてカスタマイズが可能です。
作成したロゴは無料でダウンロードでき、ファビコンに最適な小サイズの画像も含まれているため、そのままShopifyストアに設定できます。
無料のファビコン作成ツールを活用する
オンライン上にはファビコン専用の作成ツールが多数あり、次のようなツールを使えば初心者でも簡単に作れます。
- favicon.io:文字・絵文字・画像を使ってファビコンを自動生成
- Canva:テンプレート豊富で、ロゴからファビコンを作成可能
- RealFaviconGenerator:アップロードした画像を各デバイス向けに最適化
いずれも無料で利用でき、ファイル形式やサイズの調整も自動で行えます。
既存のロゴをファビコン用に加工する
既にロゴがある場合は、ファビコンサイズに縮小・加工することで使用できます。
ポイントは次のとおりです。
- ロゴ内の一部(頭文字など)を切り出す
- 背景を透明にして、シンプルに見せる
- 拡大しても見やすい線・形に調整する
画像編集ソフトがなくても、CanvaやRemove.bgを使えば加工は簡単にできます。
Shopifyのファビコンに関するQ&A
最後にShopifyのファビコンに関するよくある質問とその回答を紹介します。
ファビコンが反映されない時はどうすべきか
ファビコンを設定してもすぐに表示されない場合、次の対処を試してみましょう。
- ブラウザーのキャッシュをクリアする
- 別のブラウザーやデバイスで確認する
- 画像形式が対応しているか再確認する
また、Shopifyの反映にはタイムラグがあることも多いため、1時間程度待ってから再確認することも有効です。
ファビコンの設定ができない場合の対処法はあるか
Shopifyでは、Basicプラン以上でのみオンラインストアにファビコンを追加できます。
Starterプランではファビコンの設定ができないため、ファビコンを導入したい場合は、プランのアップグレードが必要です。
ファビコンのデザインはどうすべきか
ファビコンは非常に小さいサイズで表示されるため、細かすぎるデザインは見づらくなってしまいます。そのため、ロゴやアイコンをそのまま縮小して使用すると、視認性が損なわれる場合があります。
デザインを成功させるためには、図形や文字はできるだけシンプルにし、コントラストの強い色を使うことが重要です。また、ブランドカラーやシンボルに絞ってデザインすることで、ファビコンが小さく表示されても一目で認識しやすいです。
複数のファビコンをページごとに使い分けられるか
Shopifyの標準機能では、ストア全体で共通のファビコンが使用されます。
ページごとにファビコンを変えるには、テーマコードを直接編集し、特定のテンプレートにのみ異なるファビコンを読み込ませるカスタマイズが必要です。
ファビコンを後から変更するとSEOに影響はあるか
ファビコンの変更自体が直接SEOスコアに影響することはありません。
ただし、Googleの検索結果(特にモバイル)に表示されるファビコンは、ユーザーのクリック判断に影響します。目立つ・分かりやすいアイコンに変更することで、クリック率が向上する可能性があります。
ファビコンに文字を入れても良いか
文字を使っても問題ありません。特にブランド名の頭文字などを使うと、視認性が高くおすすめです。
ただし、ファビコンは非常に小さいため、1〜2文字以内でシンプルにまとめることがポイントです。
ファビコンの背景は透明にすべきか
背景を透明(透過PNG)にすると、どんな背景色のブラウザーでもなじみやすく、きれいに表示されます。
ただし、コントラストが弱すぎると見えにくくなるため、背景と文字や図形の色のバランスにも注意しましょう。
ファビコンのファイル形式はどれを選択すべきか
ShopifyではPNG形式が推奨されています。透過背景が使えるため、さまざまな背景色にもなじみやすく、デザイン性が高まります。
ICO形式はWindows向けに適した形式で、古いブラウザーにも互換性があります。