Shopifyストアを運営していると、「商品数が増えてきて、顧客が商品を見つけにくくなっている」「もっと購入までの導線をスムーズにしたい」と感じることはありませんか?
そうした課題を解決できる機能として、Shopifyの商品絞り込み機能があります。フィルターによる条件検索を導入すれば、顧客が目的の商品に素早くたどり着けるようになり、ストア全体の回遊性や購入率の向上につながります。
本記事では、Shopifyの絞り込み機能の基本から導入方法、効果的な活用法、外部アプリの選び方まで詳しく解説します。
目次
Shopifyの商品絞り込み機能とは
Shopifyの商品絞り込み機能を利用するメリット
Shopifyの絞り込み機能を利用する方法
ShopifyアプリSearch & Discoveryの導入方法
Search & Discoveryで設定できる絞り込みのタイプ
商品絞り込み機能を効果的に活用するポイント
Shopify商品絞り込み機能おすすめ外部アプリ
Shopifyの商品絞り込み検索の例
Shopify商品絞り込みに関するQ&A
Shopifyの商品絞り込み機能とは
Shopifyの商品絞り込み機能とは、ストア内で顧客が自分の求める条件に合った商品を簡単に探せるようにするための検索補助機能です。
具体的には、コレクションページや検索結果において、カテゴリー(例:トップス・ボトムス)や価格帯、サイズ、カラー、ブランド、在庫状況といった複数の条件を指定して商品を絞り込めます。
Shopifyの商品絞り込み機能を利用するメリット
Shopifyの商品絞り込み機能を導入することで、次のようなメリットが期待できます。
- 顧客の目的商品への到達をスムーズにする
- 購買行動を後押しし、コンバージョン率を高める
- サイト全体の回遊性とエンゲージメントを高める
それぞれを解説します。
顧客の目的商品への到達をスムーズにする
Shopifyの絞り込み機能は、顧客が離脱してしまうのを防ぎます。
商品が多いと顧客が欲しい商品にたどり着くまでの時間や手間が増え、結果的に購入を断念する可能性が高いです。
Shopifyの商品絞り込み機能を導入すれば、顧客は「サイズ」「価格帯」「カラー」「カテゴリ」などの条件を指定でき、探す負担が軽減され、必要な商品だけを効率的に検索できます。
購買行動を後押しし、コンバージョン率を高める
絞り込み機能は、ただ探しやすくするだけでなく、購入の意思決定そのものを促進できる点もメリットです。
例えば「在庫ありのLサイズ」「1万円以下の防水バッグ」など具体的な条件に合った商品が一覧で表示されると、無駄なページ移動が減り、顧客は迷わず検討に進めます。その結果、カート投入率や購入率(CVR)の向上につながります。
また、「人気」や「期間限定」など特定のフィルター条件で訴求要素を加えると、さらに購入率の向上が可能です。
サイト全体の回遊性とエンゲージメントを高める
商品絞り込み機能は、サイトの回遊性とエンゲージメントが向上するメリットもあります。
例えば、ブランドや素材、利用シーンなど求めている条件で絞り込むことで、顧客は自分のニーズに合った商品を効率的に比較・検討しやすくなります。商品の比較・検討をする過程で関連商品にも興味が広がり、複数のページを自然に回遊する流れが生まれます。
回遊性の向上により1セッション当たりの閲覧数が増え、顧客のサイト内行動が活発化することで、SEOにも好影響を与えます。
Shopifyの絞り込み機能を利用する方法
Shopifyで絞り込み機能を導入するには、主に二つの方法があります。
それぞれの方法について解説します。
公式アプリを利用する
Shopifyでは、公式アプリSearch & Discoveryを使えば、追加開発なしで絞り込み機能を導入できます。
価格帯や在庫状況など基本項目が自動反映され、対応テーマであればノーコードで設定可能で、初心者にも扱いやすい点が利点です。
カスタマイズする
標準機能で対応できない条件を実現したい場合は、Liquidコードを編集してメタフィールド対応やUI調整が可能です。
ただし、HTML・CSS・Liquidなどの知識が必要なため、専門家への依頼も検討しましょう。
ShopifyアプリSearch & Discoveryの導入方法
Shopifyの標準機能で商品絞り込み機能を利用するには、次の三つのステップがあります。
- アプリをインストールする
- 絞り込み条件を設定する
- テーマとの連携を確認する
それぞれの手順を解説します。
アプリをインストールする

Shopifyの標準機能で商品絞り込みを使うには、まずShopify公式の無料アプリSearch & Discoveryをインストールします。
このアプリは、Shopify App Storeから数クリックで簡単に導入できます。
インストール後は、管理画面の「アプリ」からいつでも設定画面にアクセス可能で、すぐにフィルター設定を始められます。
絞り込み条件を設定する

アプリを起動したら「絞り込み」タブを選択し、「絞り込みを追加」から条件を設定します。
価格・在庫・商品タイプなどの基本項目に加え、商品オプションやメタフィールドを使ったカスタム条件も追加可能です。
さらに、表示名や並び順も自由に調整でき、顧客にとって使いやすい設計が行えます。
詳しい設定手順については、後述します。
テーマとの連携を確認する
絞り込み機能をストア上に表示するには、使用しているテーマが「Online Store 2.0」に対応している必要があります。
例えば、Shopifyの無料テーマ「Dawn」は標準で対応しており、そのまま利用可能です。
一方、非対応のテーマを使用している場合、設定してもフィルターが表示されないため、テーマのカスタマイズ画面で対応状況を事前に確認しましょう。
Search & Discoveryで設定できる絞り込みのタイプ
Shopify公式アプリSearch & Discoveryで設定可能な絞り込みタイプは、「標準の絞り込み」と「カスタムの絞り込み」に大別されます。
標準の絞り込み
Search & Discoveryには、構造化された標準データに基づいたフィルター項目があらかじめ用意されています。
価格
価格帯を指定して商品を絞り込み、予算に合った商品を簡単に探せます。
商品タイプ
カテゴリ(例:Tシャツ/スニーカー/家具など)ごとの絞り込みが可能です。
タグ
商品に設定されたタグ(例:「セール」「新作」など)を基に絞り込めます。
販売元(ベンダー)
仕入れ先やブランド名で絞り込みができ、「メーカーA」「ブランドB」といった分類で商品を一覧表示できます。ブランド志向の強い顧客にとって利便性が高く、公式ブランド取り扱いをアピールしたい場合も有効です。
公開状況
商品が「公開中」か「非公開」かといったステータスで絞り込みが可能です。これにより、特定チャネルでのみ販売している商品や、準備中の商品を一時的に除外する運用も行えます。
カスタムの絞り込み
Search & Discoveryでは、商品に独自の情報を追加できるカスタム項目もあります。
メタフィールド
メタフィールドは、「素材」「用途」「対象年齢」など、標準項目ではカバーできない情報を自由に定義できます。
例えば、「アウトドア向け」や「敏感肌対応」といったに応じた詳細な絞り込みができ、特定の層に訴求しやすくなります。
商品オプション(バリエーション)
Shopifyでは、色やサイズなどのバリエーション情報を使って自動的にフィルターを作成できます。
ただし、オプション名に統一性がないと別々のフィルターとして表示されるため、表記の一貫性に注意が必要です。
商品絞り込み機能を効果的に活用するポイント
商品絞り込み機能をより効果的に活用するためのポイントは、主に次の四つです。
- 顧客視点でフィルター項目を選ぶ
- 値のグループ化して絞り込む
- 表示順や名称を分かりやすく整理する
- メタフィールドで独自条件を活用する
- 外部アプリを利用する
それぞれを詳しく解説します。
顧客視点でフィルター項目を選ぶ
絞り込み検索機能を効果的に活用するには、購入者の「探しやすさ」を最優先に考え、購買行動に沿った項目設計を行うことが重要です。
選択肢が多すぎると、かえって顧客を迷わせ、離脱の原因になりかねません。
例えば、アパレル商品であれば「サイズ」「カラー」「性別」、家電製品であれば「価格帯」「機能」「ブランド」など、実際に比較・検討に使われる条件を中心に絞り込み項目を設定しましょう。
値のグループ化して絞り込む
標準の絞り込み条件に設定されている項目でも、値が多すぎると顧客の利便性が下がる恐れがあります。
その場合、「値のグループ化」機能を使えば、複数の値をひとつのカテゴリにまとめて表示できます。
例えば、「スカイブルー」「ロイヤルブルー」「ネイビー」といった類似色を「青系」として統合表示することでUIが整理され、選びやすさが向上します。
表示順や名称を分かりやすく整理する
絞り込み機能を効果的に運用するには、視認性と使いやすさを意識した設計が重要です。
よく使われる「価格」「在庫あり」などは上部に配置し、直感的に伝わる言葉(例:「〜5,000円」「ブラック系」)を使いましょう。
また、項目が多い場合は「サイズ」「カラー」などカテゴリ別にグループ化すると、迷わず条件を設定しやすくなります。
メタフィールドで独自条件を活用する
メタフィールドを使えば、標準では設定できない業種特有の条件や独自の絞り込み項目を追加できます。
例えば「リネン100%」「30代女性向け」など、細かな特徴をフィルターにすれば、顧客は自分に合った商品を探しやすくなります。ブランドの世界観も伝えやすく、他店との差別化にも効果的です。
外部アプリを利用する
標準機能で対応しきれない高度な検索やフィルターを実現したい場合は、外部アプリの活用がおすすめです。レビュー評価やタグ条件、オートサジェストなどに対応した機能が使えます。
ただし、月額費用や日本語対応、テーマとの互換性には事前確認が必要です。
Shopify商品絞り込み機能おすすめ外部アプリ
Shopifyで商品絞り込み機能を導入する際は、公式アプリSearch & Discoveryに加えて、次の三つの外部アプリもおすすめです。
- Smart Product Filter & Search
- Smart Search & Filter
- Omega Instant Search
それぞれのアプリの特徴を解説します。
Smart Product Filter & Search

Smart Product Filter & Search は、Shopifyストアに高度な絞り込み検索機能を追加できるアプリです。
レビューや在庫、タグ、価格帯などの条件を自由に組み合わせたフィルターが設定可能で、オートサジェストやカテゴリ別ナビゲーションも搭載しています。商品数が多いストアや検索体験を強化したい場合に適しています。
無料プランの他、月額19ドルの「プラン$19」と、月額29ドルの「プラン$29」、月額69ドルの「Shopify Plus」が利用でき、全ての有料プランで14日間の無料体験が利用可能です。
Smart Search & Filter

Smart Search & Filterは、AIによるパーソナライズ検索や柔軟な絞り込み機能を備えたアプリです。
インスタント検索やオートコンプリート機能により、検索体験を快適にし、大規模ストアやUI改善を重視する店舗に最適です。
料金プランは月額12.95ドルの「500 Products」と、月額17.95ドルの「1,000 Products」、月額24.95ドルの「2,500 Products」があり、全プランで14日間の無料体験が可能です。
Omega Instant Search

Omega Instant Searchは、Shopifyにリアルタイム検索やオートコンプリート、スペル補正などを追加できるアプリです。
商品やページ全体を対象に検索でき、ユーザー行動の分析も可能です。
無料プランの他、月額12ドルの「Starter」と、月額19ドルの「Standard」、月額39ドルの「Professional」があり、全ての有料プランで7日間の無料体験が利用可能です。
Shopifyの商品絞り込み検索の例
実際に商品絞り込み機能の導入例を、次の業種ごとに紹介します。
- アパレルストア
- 家具・インテリア
- コスメ・ビューティー
アパレルストア
アパレル系のストアでは、「サイズ」「カラー」「性別」「季節」などの絞り込みが特に有効です。
例えば、Tシャツを探している顧客が「メンズ/Lサイズ/ブラック」といった条件で絞り込めば、不要な商品を閲覧せずに済み、購入までの導線を大幅に短縮できます。
家具・インテリア
家具やインテリアを扱うストアでは、「素材」「サイズ」「カラー」「用途(リビング用/オフィス用など)」といった多様な条件での絞り込みが効果的です。
例えば「オフィス用/幅60cm以下/木製」といった具体的な条件で検索すれば、ニーズに合った商品へすぐにアクセスできます。特に単価が高めの商品では、「価格帯」フィルターの活用が購入意欲を高める要素になります。
コスメ・ビューティー
コスメ系ストアでは、「肌質」「成分」「悩み別(乾燥・敏感・エイジングなど)」「使用部位」「香り」といった絞り込み項目が特に有効です。
「敏感肌向け/アルコールフリー/夜用」などで絞れば、自分に合った商品を素早く比較・検討できます。
また、「新作」や「人気順」「定期購入可」といった条件の追加も、購入率やリピート率の向上に貢献します。
Shopify商品絞り込みに関するQ&A
最後にShopifyの商品絞り込み機能に関するよくある質問とその回答を紹介します。
Shopifyの検索機能をカスタマイズする方法はあるか
Shopifyの検索機能はカスタマイズ可能です。より高度な検索体験を提供したい場合は、専用のアプリを導入がおすすめです。
例えば「Searchanise Search & Filter」や「Boost Product Filter & Search」などのアプリを利用すれば、サジェスト機能やスペルミスの補正、同義語対応などを追加でき、検索精度と利便性を大幅に向上させられます。
商品だけを検索対象にしたい場合、どうすれば良いか
Shopifyの検索機能では、デフォルトで商品だけでなく、ページ・ブログ投稿・コレクションなども検索対象に含まれています。
検索対象を「商品」のみに限定したい場合は、検索結果テンプレート(search.liquid など)を編集し、商品以外の要素を除外する方法があります。
Liquidの知識がない場合は、「Searchanise」や「Boost」などのアプリを使えば、管理画面から検索対象を簡単に制限できます。
タグを使った絞り込みはできるか
Shopifyでは、商品に付与したタグを使った絞り込み機能の実装が可能です。
例えば、「オーガニック」「セール対象」「日本製」といったタグを活用すれば、簡易的なフィルターとして利用できます。
ただし、タグは構造化されておらず、表示順の調整や翻訳対応などが難しいという制約があります。そのため、より柔軟な管理や多言語対応、高度な絞り込みを実現したい場合は、メタフィールドを使ったフィルター設計がおすすめです。