Shopifyでの多言語対応は、単なる翻訳作業にとどまらず、グローバル市場で成功するための重要な施策です。国内市場を超えて海外やインバウンド需要を取り込むには、顧客が母国語で安心して買い物できる環境づくりが欠かせません。
Shopifyは標準機能で多言語化をサポートしており、翻訳アプリを併用すれば高品質な翻訳・ローカライズ・SEO最適化も可能です。
本記事では、多言語対応のメリットから具体的な実装方法、活用すべきアプリ、SEOや運用時の注意点までを詳しく解説します。越境ECを始めたい方や訪日需要を取り込みたい方にとって実践的な内容です。
Shopifyが越境ECに適している理由
Shopifyで多言語ストアを構築する方法
Shopifyの多言語対応できるおすすめアプリ
多言語対応時に合わせて必要な設定項目
Shopifyの多言語対応時の注意点
Shopifyが越境ECに適している理由
Shopifyはグローバルに広く利用されており、越境ECに必要な機能が整ったECプラットフォームです。ここでは、Shopifyが越境ECに適している主な理由を紹介します。
世界中のユーザーに対応できる基盤
Shopifyはカナダで誕生し、現在では世界中で数百万以上の事業者が利用しているグローバルプラットフォームです。世界各国で広く認知されているため、越境ECを始めるにあたって信頼性の高い基盤といえます。
また、国内市場に依存せず海外マーケットを開拓することで、売り上げの成長機会を大きく広げられます。特に訪日観光客のインバウンド需要や、海外から日本の商品を購入するオンラインショッパーにとって、自国の言語で安心して買い物ができる環境は購買意欲を後押しする要素です。
標準機能による多言語対応
Shopify Liteを除く全てのプランでは、1つのストアで最大20言語まで追加でき、多言語ストアを構築して販売可能です。国や地域ごとに異なるニーズへ柔軟に対応できる点は、越境ECを進める上で大きな強みです。
さらに、Shopify Marketsを活用すれば、言語設定だけでなく、通貨や配送ポリシーなども地域別に最適化でき、よりローカライズされた顧客体験を提供できます。
越境ECに適した運用機能
Shopifyは多言語対応に加え、多通貨決済や地域別の配送ルール設定といった越境ECに必要な機能を標準で備えています。これにより、世界各地からの注文にも柔軟に対応でき、国際的な販売ハードルを下げられます。
また、Shopify POSを利用すれば、実店舗とオンラインストアの顧客体験を統合でき、オムニチャネル施策の実現が容易になります。オンラインとオフラインを横断して顧客ロイヤルティを強化できる点は、競合との差別化にもつながります。
Shopifyで多言語ストアを構築する方法
Shopifyで多言語対応を行うことで、海外顧客やインバウンド需要に応えるストア運営が可能です。ここでは、多言語ストアを構築するための具体的な方法を解説します。
多言語対応のテーマを利用する

多言語ストアを効率的に運営するためには、テーマ選びが重要です。
Shopifyには無料と有料のテーマがあり、例えば無料テーマであれば「Dawn」が、有料テーマであれば「Impulse」や「Prestige」が多言語表示に対応しています。
使用中のテーマが多言語に対応しているかどうかを確認する方法は、管理画面から「オンラインストア」→「テーマ」→「カスタマイズ」と進み、フッター設定に「言語セレクターを有効にする」という項目があるかを確認することが一般的です。
もし利用中のテーマに言語セレクター機能が備わっていない場合は、Shopify公式の無料アプリ「Geolocation」を導入すれば簡単にセレクターを設置できます。
言語を追加する

テーマの準備ができたら、Shopifyの管理画面から言語を追加します。
手順はシンプルで、「管理画面」→「設定」→「言語」を選択し、「言語を追加」をクリックするだけで、新しい言語を登録できます。
翻訳アプリをインストールする
Shopifyは複数言語での販売に対応していますが、標準機能だけでは翻訳までは行われません。商品説明やページ内のテキストを正しく多言語化するには、言語切り替えや翻訳をサポートするアプリの導入が必要です。
翻訳アプリはShopify App Storeから簡単に追加できるので、まずはインストールして環境を整えましょう。具体的なおすすめアプリについては、後述します。
翻訳アプリをインストールする
Shopifyは複数言語での販売に対応していますが、標準機能だけでは翻訳までは行われません。商品説明やページ内のテキストを正しく多言語化するには、言語切り替えや翻訳をサポートするアプリの導入が必要です。
翻訳アプリはShopify App Storeから簡単に追加できるので、まずはインストールして環境を整えましょう。具体的なおすすめアプリについては、後述します。
翻訳し公開する

翻訳アプリをインストールしたら、ページの翻訳を行います。
「管理画面」→「設定」→「言語」と進み、「翻訳する」をクリックし翻訳アプリを介して対象言語に翻訳します。
翻訳が完了したら「公開する」をクリックすると、翻訳ページが公開されます。
公開後は、翻訳されたコンテンツごとに言語コード付きの固有URLが自動的に生成されます。例えば、英語を追加すると、shop.com が shop.com/enに変わります。
なお、翻訳ページは公開後も非公開に戻すこともできます。
Shopifyの多言語対応できるおすすめアプリ
Shopifyの多言語対応におすすめのアプリは次のとおりです。
- Shopify Translate & Adapt
- Weglot
- Langify
それぞれのアプリの特徴を紹介します。
Shopify Translate & Adapt

Translate & Adaptは、Shopify公式の無料翻訳アプリで、ストアコンテンツを市場に合わせて簡単にローカライズできます。
最大2言語まで自動翻訳が可能で、必要に応じて手動で無制限に翻訳を追加できます。横並びエディタを使えば翻訳の追加や編集、レビューも直感的に行え、各市場の文化や季節、地域特性に合わせた表現調整も可能です。
テーマエディタや管理画面から直接ローカライズを行えるため、翻訳済みコンテンツをシームレスに管理しながら、トラフィックやSEOの改善、世界中のユーザーとの信頼構築を実現できます。
このアプリは無料で利用可能です。
Weglot

Weglotは、5分以内に多言語対応ストアを公開できる翻訳アプリです。
AI翻訳(DeepL、Google、Microsoft)で110以上の言語に対応し、生成された翻訳は手動編集やチームでの共同作業、プロ翻訳の依頼も可能です。
さらに、カスタムAI言語モデルを活用してブランドのトーン&ボイスを反映した自然な翻訳を実現できます。SEO対策も標準搭載しており、hreflangやメタデータ、クリーンURLによる最適化で多言語ページのインデックス精度を高め、検索順位向上をサポートします。
料金プランは無料プランの他、月額17ドルの「Starter」と月額32ドルの「Business」、月額87ドルの「Pro」があります。有料プランでは14日間の無料体験が利用可能です。
Langify

Langifyは、ストア全体を多言語化できる翻訳アプリで、AI翻訳と手動翻訳の両方に対応しています。
テーマやアプリ内テキスト、定型文まで幅広く翻訳でき、専用のスイッチャー機能でデザインに合わせた言語切り替えも可能です。
さらに、サブフォルダーやカスタムドメインによるSEO最適化に対応し、検索エンジンからの集客効果を高められます。外部アプリの翻訳やデータのインポート・エクスポート機能も備えている点も魅力です。
料金プランは無料プランの他、月額17.50ドルの「Basic Plan」と月額29.95ドルの「Growth Plan」、月額59.95ドルの「Premium Plan」があります。
多言語対応時に合わせて必要な設定項目
越境ECに対応するには、ストアのページを翻訳するだけでは不十分です。多言語対応と併せて整えておくべき重要な設定項目は次のとおりです。
- マーケット
- 決済方法
- 通貨
- 海外発送
- ポリシー設定
それぞれの設定項目について詳しく解説します。
マーケット
「マーケット」とは、Shopifyの管理画面における越境EC設定のことを指します。
ここで販売対象となる国や地域を追加すると、対象エリアごとに言語や通貨、価格体系を設定できます。
複数の国を一つのマーケットにグループ化することもでき、地域ごとの商習慣や配送ルールに応じて柔軟に運営できます。
決済方法
海外向け販売では、現地ユーザーが普段利用している決済手段に対応することが不可欠です。
クレジットカードやモバイル決済、オンライン決済など、国や地域によって主流となる方法は異なります。
顧客が慣れた手段で支払えるように整えることで、購買意欲を高めると同時に離脱防止にもつながります。
通貨
越境ECでは、利用者が自国通貨で価格を確認できる環境を整えることが重要です。
現地通貨で表示されれば、ユーザーは為替レートを計算する手間なく直感的に価格を理解できます。結果として、購入プロセスがスムーズになり、カート放棄率の低下やコンバージョン率の向上につながります。
通貨変換には一般的な通貨変換アプリを併用することがおすすめです。
海外発送・送料
国内配送と異なり、海外発送には送料の算定や通関処理、配送期間の明確化といった追加対応が求められます。
これらを事前に設定しておくことで、注文後の対応をスムーズにし、顧客の不安やトラブルを未然に防げます。
多言語対応と併せて、配送オプションや送料条件を各国向けに最適化しておきましょう。
ポリシー設定
海外ユーザー向けには、配送ポリシーや返金ポリシー、利用規約、連絡先情報などを国や地域ごとに整備する必要があります。
特にEUなど一部の地域では、法令に基づいた情報提供が義務付けられているため、明確で分かりやすいポリシー設定が不可欠です。
国内向けと同じ内容では不十分な場合が多いため、対象市場に合わせて修正しておきましょう。
Shopifyの多言語対応時の注意点
Shopifyストアを多言語対応させることは、グローバル市場での成功に欠かせません。しかし、単に言語を翻訳するだけでは十分ではなく、いくつかの重要な観点を押さえておく必要があります。注意すべき主なポイントを紹介します。
通貨・配送・税率の最適化
多言語化だけでは顧客体験は不十分です。国や地域ごとに通貨、配送方法、税率が異なるため、それぞれに対応した設定を行わなければなりません。
現地通貨での価格表示や地域ごとの配送ルール、正しい税率の適用は、購買意欲や信頼性に直結します。
自動適用できる仕組みを構築することで、スムーズな購買体験を実現できます。
自動翻訳の品質確認
翻訳アプリの自動翻訳は便利ですが、商品説明やブランドストーリーなど細かいニュアンスが重要な箇所では誤訳や不自然な表現が発生しやすいです。
主要ページや重要なコンテンツは必ず人の手で確認・修正を行い、自然で正確な表現に整えることで、顧客の信頼とコンバージョン率を高められます。
SEOを意識したURL・hreflang設定
多言語ページを正しく検索エンジンに認識させるためには、SEOへの配慮が不可欠です。
言語ごとに分かりやすいURL構造(例:/en/、/fr/)を採用し、hreflangタグを設定することで、対象言語・地域を検索エンジンに明示できます。
さらに、各言語のメタタイトルやメタディスクリプションを最適化することで、検索結果での表示精度やクリック率を向上させられます。
多言語サポート体制の整備
多言語化したストアには、多様な言語で問い合わせが届きます。
対応できなければ顧客満足度を大きく損なうため、AIチャットボットや外部翻訳サービス、多言語コールセンターなどを活用し、現実的かつ効率的なサポート体制を整えることが重要です。
安心して問い合わせできる環境が、顧客との信頼関係を築く基盤となります。
現地文化・商習慣へのローカライズ
言語だけでなく、各国の文化や商習慣を理解したローカライズも必要です。
サイズ表記の単位や宗教的・文化的な表現のタブー、国ごとに異なる決済手段などへの対応は、顧客の違和感を取り除き、購買行動を後押しします。
単なる翻訳ではなく、現地に溶け込むストア体験を提供することが、越境EC成功の鍵です。