Shopifyで「商品ごとに異なる送料を設定したい」と感じたことはありませんか?
大型商品だけ送料を別にしたい、まとめ買い時に送料を加算したいといった要望は多いものの、標準機能だけでは設定方法が分かりにくく、悩む方も多いはずです。
本記事では、配送プロファイルや重量設定を活用した送料設定の方法から、柔軟な送料ルールを実現できるアプリの活用術まで、具体的な手順を分かりやすく解説します。
目次
Shopifyで送料を商品ごとに設定する方法
商品の種類ごとに送料を設定する方法
購入数に応じて送料を加算する方法
送料ポリシーページの作成方法
おすすめのShopify送料設定アプリ
Shopifyの送料(商品ごと)に関するQ&A
Shopifyで送料を商品ごとに設定する方法
Shopifyでは、商品ごとに送料を設定したい場合、「商品の種類別」と「購入数に応じた送料」の2つの考え方があります。
種類ごとに異なる送料を設定したい場合は、「配送プロファイル」機能を活用します。
一方、商品を複数購入した際に、数量に応じて送料を加算したい場合は、商品の「重量」を調整し、送料計算に反映させることで対応できます。これにより、1商品につき1,000円、2点で2,000円といった送料の設定が可能です。
商品の種類ごとに送料を設定する方法
Shopifyで商品の種類ごとに送料を設定したい場合は、「配送プロファイル」機能を活用します。この機能を使えば、特定の商品ごとに個別の送料ルールを適用できます。
なお、1つの商品は1つの配送プロファイルにしか紐づけられないため、新たに別のプロファイルに設定すると、以前のプロファイルからは自動で解除されます。そのため、送料が重複して計算される心配はありません。
送料の設定手順は次のとおりです。
1. 配送プロファイルを作成する
2. プロファイル名の入力・商品選択を行う
3. 配送エリア・配送料を設定する
4. 設定の確認とテストする
それぞれの手順を詳しく解説します。
配送プロファイルを作成する

まず、Shopifyの管理画面にログインし、「設定」→「配送と配達」へ進みます。「配送プロファイル」のセクションで、「カスタムプロファイルを作成する」をクリックしてください。
プロファイル名の入力・商品選択を行う

プロファイル名に「大型商品用」「アパレル商品用」など分かりやすい名称を入力します。なお、プロファイル名は購入者には表示されません。
次に、「商品を追加」をクリックし、該当する商品を選択します。
配送エリア・配送料を設定する

次に送料を設定します。配送したい国や地域(配送ゾーン)を追加し、「配送料金を追加」をクリックして配送料金を設定します。
送料は、「一律料金」「注文金額」「重量」「運送業者による計算」など、既存の送料設定と同じ方法で設定できます。
入力が終わったら「完了」→「保存」をクリックして設定完了です。
設定の確認とテストする
設定が完了したら、まずテスト注文を行い、意図した通りに送料が計算されるかを確認しましょう。異なる商品を組み合わせて何度かシミュレーションすることで、想定外の送料計算ミスを未然に防げます。
特に注意が必要なのは、複数の配送プロファイルが同時に適用されるケースです。Shopifyでは、異なる配送プロファイルに属する商品を顧客が同時に購入した場合、それぞれのプロファイルで設定された送料が合算されて請求される仕組みが採用されています。
例えば、二つの異なる配送プロファイルの商品を同時に購入した場合、それぞれの送料が加算されます。このような仕様を理解した上で、顧客が混乱しないよう送料ポリシーを明確に記載しておくことが大切です。送料ポリシーページの作成方法については、後述します。
購入数に応じて送料を加算する方法
Shopifyでは、商品を複数購入した際に送料が加算されるように設定することも可能です。例えば、1点購入で1,000円、2点購入で2,000円といった送料計算を実現するには、「商品の重量」と「配送設定」の機能を組み合わせて利用します。
この方法では、商品ごとに「重量」を仮の数値として設定し、その合計に応じて送料が変動するように配送ルールを作成します。次の手順で設定できます。
1. 商品の重量を設定する
2. 配送設定で重量に応じた送料を作成する
3. 設定の確認とテストする
それぞれの手順を詳しく解説します。
商品の重量を設定する

Shopify管理画面から「商品管理」ページを開きます。該当商品の編集画面を表示します。
次に、「配送」セクションで商品の重量を入力します。この重量は実際の重さではなく、送料計算の目安として用いる仮の数値です。購入数に応じて送料が加算されるよう、分かりやすく調整しやすい数値を設定しましょう。
例えば、1点につき「1kg」と設定すれば、2点購入時には自動的に「2kg」として計算されます。
配送設定で重量に応じた送料を作成する

次に、管理画面の「設定」→「配送と配達」→「一般プロファイル」から、対象の配送地域の送料を編集します。
「配送料金を追加」から、「アイテムの重量に基づく」条件を選択し、次のような料金ルールを設定します。
- 0kg〜1kg:1,000円
- 1.1kg超〜2kg:2,000円
- 2.1kg超〜3kg:3,000円
設定の確認とテストする
設定後は必ずテスト注文を行い、想定どおりに送料が加算されているか確認してください。
前述のとおり、重量を使った送料設定では、商品に登録する重量は実際の重さではなく、送料計算用の仮の数値です。設定しやすいよう「1kg」「10kg」など分かりやすい単位を使いましょう。
この方法は国際配送には使えない点や、大量購入時に細かい送料設定が必要になる点にも注意が必要です。必要に応じて送料計算アプリの活用も検討しましょう。
送料ポリシーページの作成方法
送料に関するルールや計算方法を明確に伝えるには、送料ポリシーページの作成が効果的です。購入前の不安や誤解を防ぐためにも、分かりやすく整理しておきましょう。
送料ポリシーページを作成する手順は次のとおりです。
1. 新規ページを追加する
2. タイトル・コンテンツを入力する
3. 表示設定を行う
4. 正しく反映されているか確認する
それぞれの手順を詳しく解説します。
新規ページを追加する

Shopifyの管理画面から「オンラインストア」→「ページ」の順にクリックします。ページ右上の「ページを追加する」をクリックし、新規ページを追加します。
タイトル・コンテンツを入力する

タイトルには「送料ポリシー」や「送料について」など、分かりやすい名前を入力します。
コンテンツ欄には、送料に関する情報を入力します。ここには、配送可能地域や送料の料金表、送料無料の条件、追加料金などを記載します。
記載が完了したら、公開状況(公開・非公開)を設定し「保存」をクリックします。
表示設定を行う
送料ページの作成が完了したら、次に表示場所を設定します。
Shopify管理画面から「ナビゲーション」セクションを表示します。「メニュー項目を追加する」をクリックし、「リンクを検索または貼り付ける」欄を選択すると、リンク先の種類が表示されます。ここで「ページ」を選択しましょう。
そうすると、先ほど作成した送料ページが表示されるので、それを選択し「追加」をクリックします。
最後に、画面右下の「保存」をクリックすれば、送料ポリシーページのメニュー追加は完了です。
正しく反映されているか確認する
最後に、送料ポリシーページが正しく表示されているか、実際にオンラインストアを開いて確認しましょう。
ナビゲーションメニューから「送料について」のリンクをクリックし、内容が正しく表示されていれば設定完了です。
必要に応じて表現やレイアウトを調整し、見やすいページに仕上げましょう。
おすすめのShopify送料設定アプリ
Shopifyには数多くの送料設定アプリがありますが、細かい送料設定に特化し、複雑な条件にも対応できる代表的なアプリは次のとおりです。
- 配送料カスタム.amp
- Advanced Shipping Rules
- Parcelify
それぞれのアプリの特徴を解説します。
配送料カスタム.amp

配送料カスタム.ampは、日本のストア運営者向けに開発された国産アプリです。
都道府県単位はもちろん、より細かな郵便番号単位や離島地域ごとの送料設定が可能です。また、「小型便」や「クール便」、「カンガルー置き配便」「代引き配送」など、商品タグや特定の配送種別ごとに異なる送料を設定できます。複数の条件(例:商品タグ+配送先地域+注文金額)を組み合わせて、より詳細な送料ルールの設定が可能です。
料金は、月額12ドルの「NORMAL」と月額24ドルの「ADVANCED」があり、14日間の無料体験が利用可能です。
Advanced Shipping Rules

Advanced Shipping Rulesは、多様な送料設定を簡単に実現できるShopifyアプリです。
郵便番号や、SKU、商品タグなどのさまざまな条件に基づき、送料の表示・非表示、加算・減算などを柔軟に制御できます。条件指定は直感的なロジックで設定でき、サービスコードや商品グループ、パッケージ設定、カスタムタイトル、送料の合算方法、商品価格のパーセンテージや個数・重量単位の料金設定など、豊富な機能を備えています。
料金プランは月額9ドルの「Lite」と月額29ドルの「Standard」、月額59ドルの「Pro」、月額99ドルの「Unlimited」があり、7日間の無料体験が利用可能です。
Parcelify

Parcelifyは、ロケーションや、配送ゾーン、コレクション、商品に対して、カスタム送料を柔軟に設定できるShopifyアプリです。
商品タグや、ベンダー、コレクションなどを使って商品単位で送料ルールを作成できる他、カートページで送料を表示する「送料計算機能」も備えています。また、全ての商品の送料を動的に合算できる「レートマージ」機能により、利益を確保しながら購入率を高める送料設計を実現します。
料金プランは月額19.99ドルの「Basic Plan」のみです。14日間の無料体験が利用可能です。
Shopifyの送料(商品ごと)に関するQ&A
最後に、Shopifyの商品ごとの送料に関するよくある質問とその回答を紹介します。
商品によって「送料無料」と「送料有料」を併用することは可能か
配送プロファイルを分けることで、送料無料商品と送料有料商品を同時に扱えます。ただし、併用時は顧客に分かりやすく説明することが重要です。
商品ごとの送料をより柔軟に設定するにはどうすべきか
標準機能に加えて、「配送料カスタム.amp」や「Advanced Shipping Rules」「Parcelify」などのアプリを使えば、都道府県別やタグ別など、さらに細かい設定が可能です。
商品価格に送料を含めて「実質送料無料」として販売可能か
送料分を商品価格に上乗せすることで「送料無料」と表示しながら実質的に送料をカバーする販売方法もよく用いられます。
ただし、配送プロファイルや税設定との整合性に注意が必要です。
Shopifyの送料に消費税は加算されるか
デフォルトでは、Shopifyは送料に対して消費税を課しません。ただし、必要に応じて「送料に税金を課す」設定を有効にすることで、送料にも自動的に消費税を加算できます。消費税の取り扱いは国や地域によって異なるため、自社の税務処理方針や販売地域の税制に応じて適切に設定しましょう。
Shopifyで送料を自動計算するにはどうすべきか
Shopifyで外部配送業者(ヤマト、佐川、UPS、FedExなど)の送料をリアルタイムで自動計算させたい場合、Shopify Advancedプラン以上または月額契約中に配送業者の自動計算機能を追加購入している場合に限り利用できます。