Shopifyは、2006年にカナダで誕生した世界175カ国以上で利用されるECプラットフォームです。
本記事では、Amazonや楽天市場との違いや、ナイキやブルーボトルコーヒーなど有名ブランドの導入事例を紹介します。さらに、公式ストアで買い物をするメリットや、アカウント作成・住所や決済方法の登録といった事前準備、実際の購入手順を解説します。
加えて、Shopアプリの使い方や利用できる決済方法、購入率を高めるためのストア側の機能(SNS連携、SEO対策、クーポン発行など)も取り上げ、Shopifyでの買い物体験を安心かつ快適にするポイントをまとめています。
目次
Shopifyとは
Shopifyで買い物をする前に行うこと
Shopifyで商品を買う手順【Shopify】
1. Shopifyストアにアクセスし、商品を選択
2. カートの内容を確認し、レジへ進む
3. 購入者情報と配送方法の入力
4. 決済方法の入力
5. 購入完了と確認
Shopifyで商品を買う手順【Shopアプリ】
Shopifyで使える決済方法
Shopifyの購入促進機能【ストア側】
Shopifyとは
まず始めに、Shopifyについて解説します。
Shopifyの概要
Shopifyは2006年にカナダのオタワで創業されたECプラットフォームで、オンラインストアの構築から決済、在庫・配送管理まで一元的に提供するクラウド型サービスです。
専門知識がなくてもテーマやアプリを組み合わせてストアを作成できる点が特徴で、D2Cブランドから大企業まで幅広く利用されています。
2017年には日本市場へ進出し、本格的に国内向けのサービス展開を開始しました。現在は世界175カ国以上で利用され、数百万のショップに導入される代表的なEC基盤です。
ShopifyはECモールではない
Shopifyは、Amazonや楽天市場のように多くの店舗が集まる「ECモール」ではありません。各ブランドやお店が自分専用のオンラインストアを作るための仕組み(サービス)です。
例えば、Amazonでは同じ商品をいろいろな業者が出品していることがありますが、Shopifyの場合はそのブランドやお店が直接ストアを運営しています。つまり、Shopifyで見つけたストアは「その会社の公式オンラインショップ」であることがほとんどです。
このように、Shopifyは「みんなが集まるショッピングモール」ではなく、「自分のお店をオンラインに開くための道具」と考えると分かりやすいでしょう。
Shopifyを利用しているストア例
Shopifyは世界的ブランドから国内企業まで幅広く導入されており、その信頼性と拡張性の高さがうかがえます。Shopifyを利用しているストア例は次のとおりです。
- ナイキ(NIKE):世界的スポーツブランド
- CONVERSE(コンバース):スニーカーの定番ブランド
- ブルーボトルコーヒー:カフェ文化をけん引するコーヒーブランド
- Soup Stock Tokyo:スープ専門店
- ゴーゴーカレー:金沢発の人気カレー店
- J'aDoRe JUN ONLINE:アパレル大手ジュングループ
- Francfranc:インテリア雑貨の人気ブランド
このように、Shopifyはグローバルブランドから国内小売・飲食企業まで幅広く選ばれ、オンライン販売の成長を支えています。
Shopifyで買い物をするメリット
Shopifyで運営されているオンラインストアは多くが公式ストアであり、転売業者が扱うモールと違って安心感があります。商品はブランド独自の梱包(こんぽう)や特典とともに届き、購入体験そのものを楽しめる点も魅力です。
さらに公式ストアでは返品・交換や補償も直接ブランドとやり取りできるため、高額商品でも安心です。Shopifyの決済は金融機関並みのセキュリティを備えており、中小規模のストアでも安全に買い物できます。
また、アクセス集中時でも停止しにくい強固なシステムを持ち、人気商品が紹介された際もスムーズに購入可能です。
Shopifyで買い物をする前に行うこと
Shopifyで商品を購入する前に行うと良いことを解説します。ここで紹介する内容は必須ではありませんが、事前に対応しておくことで買い物体験がスムーズです。
アカウント作成
Shopifyストアの多くはアカウントを作らなくても購入できますが、一部のストアでは会員登録をすることでクーポンや特典が受けられる場合があります。
アカウントの作成は、画面上部のログインアイコンやアカウントアイコンから行うことが一般的です。アカウントを利用すると、注文履歴やプロフィール情報、保存済み住所を確認・管理でき、チェックアウト時には情報が自動入力されるため、購入手続きがスムーズに進みます。
Shopifyのお客様アカウントには2種類あり、「従来のお客様アカウント」ではメールアドレスとパスワードを設定してログインします。一方、最新の「お客様アカウント」は、パスワード不要で、登録メールに送信される6桁のワンタイムコードを入力するだけでログイン可能です。パスワード管理の手間がなくセキュリティ面でも安心できるため、今後はこちらの方式が主流になると考えられています。
なお、最新の方式を採用した場合も、従来アカウントのリンクは自動的に新しいアカウントへリダイレクトされる仕組みです。
住所や決済方法の登録
Shopifyストアでの買い物において、事前の住所・決済方法の登録は必須ではありません。
実際の購入時にその都度入力も可能ですが、あらかじめ登録しておくことでチェックアウトがスムーズになり、購入のたびに情報を入力する手間を省けます。
登録や変更の手順はストアごとに異なりますが、多くの場合はマイページやアカウント画面から設定できます。
頻繁に利用するストアでは、事前に情報を保存しておくことで、快適かつ迅速な購入体験が得られます。
Shopifyで商品を買う手順【Shopify】
Shopifyストアでの購入はシンプルで簡単に進められます。基本的な流れをステップごとに解説します。
1. Shopifyストアにアクセスし、商品を選択

購入したい商品ページを開き、「カートに追加する」または「今すぐ購入」のいずれかをクリックします。
「今すぐ購入」を選ぶとその商品だけをすぐに決済できます。「カートに追加する」を選ぶと複数の商品をまとめて購入できます。
2. カートの内容を確認し、レジへ進む

カートページで商品内容を確認したら「レジへ進む」をクリックします。
3. 購入者情報と配送方法の入力

氏名・住所などの購入者情報を入力し、「配送方法の選択へ進む」をクリックします。続いて希望の配送方法を選びます。
4. 決済方法の入力

「お支払いへ進む」をクリックし、クレジットカードなどの決済情報を入力します。
画面右側にあるクーポンコード欄に割引コードを忘れずに入力しましょう。
「今すぐお支払い」をクリックすると購入完了です。
5. 購入完了と確認

注文確認メールが届き、内容やクーポン適用の有無をチェックできます。
また「注文を表示する」から注文履歴も確認できます。
Shopifyで商品を買う手順【Shopアプリ】
ShopはShopify公式のショッピングアプリで、対応するオンラインストアでの購入や配送確認をスムーズに行える便利なツールです。複雑な操作は不要で、誰でも簡単に使い始められます。
まずはApp StoreまたはGoogle PlayからShopアプリをインストールし、アカウントを作成します。GoogleアカウントやOutlookアカウントでのログインも可能です。続いて、下部メニューの「Account」から「Wallet」を選択し、Shop Payを登録・連携するとショッピング機能が利用できます。
商品を探す際は、メニューの「Shop」からフリーワードでブランドや商品を検索できます。「Favorite」では閲覧や購入履歴に基づいたおすすめが表示され、効率的にショッピングを楽しめます。さらに「ホーム」からは購入商品の配送状況を確認でき、事前にメールアドレスを登録しておけばメール通知も受け取れます。
ただし、Shopアプリは現時点で日本語に対応していないため、英語表記に慣れていない方は注意が必要です。それでも購入から配送確認までを一元管理できる点は大きな魅力です。
Shopifyで使える決済方法
Shopifyで利用できる主な決済方法は次のとおりです。なお、Amazon Payは2025年1月をもって利用不可となりました。
決済方法 |
支払い可能ブランド |
手数料(購入者側) |
手数料(ストア側) |
Shopifyペイメント
|
クレジットカード:Visa・Mastercard・American Express・JCB・Diners Club・Discover
その他:Shop Pay・Google Pay・Apple Pay
|
無料
|
決済手数料:2.90~3.90%
|
Shop Pay
|
Visa・Mastercard・American Express・JCB
|
無料
|
決済手数料:2.90~3.90%
|
Google Pay
|
クレジットカード:Visa・Mastercard・American Express・JCB
電子マネー:nanaco・WAON・Suica・PASMO 他
|
無料
|
決済手数料:2.90~3.90%
|
Apple Pay
|
クレジットカード:Visa・Mastercard・American Express・JCB 他
交通系ICカード:Suica・PASMO 他
電子マネー:iD・nanaco・WAON 他
|
無料
|
決済手数料:2.90~3.90%
|
Pay Pal
|
クレジットカード・デビットカード:Visa・MasterCard・American Express・JCBDiscover
銀行口座:みずほ銀行・三井住友銀行・三菱UFJ銀行・ゆうちょ銀行・りそな銀行・さいたまりそな銀行 他
|
無料(支払いの場合。銀行引き出しや海外送金などは手数料あり)
|
国内取引:3.60% + 固定手数料(日本の場合は40円)
|
キャリア決済
|
au・SoftBank・docomo
|
無料
|
決済サービスによって異なる
|
代金引換
|
ー
|
代引手数料:290〜2,200円(1〜30万円以下の場合)
|
決済サービスによって異なる
|
コンビニ決済
|
セブン‐イレブン・ファミリーマート・ローソンなど
|
コンビニ決済手数料:110〜500円
|
決済サービスによって異なる
|
銀行振込決済
|
|
振込手数料:無料〜880円(銀行や振込方法によって異なる)
|
決済サービスによって異なる
|
後払い決済
|
クレジットカード決済・携帯キャリア決済・コンビニ決済・銀行振込・郵便局振込・口座振替など
|
振込手数料:無料〜880円(決済サービスや振込方法によって異なる)
|
決済サービスによって異なる
|
表に記載されているストア側の手数料は、利用する決済サービス(例:KOMOJU、GMO後払いなど)によって異なります。詳細な料率については各サービス提供元の最新情報をご確認ください。
Shopifyの購入促進機能【ストア側】
Shopifyには、ユーザーの購買意欲を高め、成約率やリピート率を向上させるための多彩な機能が用意されています。これらの主な機能は次のとおりです。
- SNS連携
- SEO対策
- まとめ買い割引
- クーポン発行
- テーマ・アプリ
- 決済方法
- カゴ落ち対策
それぞれの機能を詳しく解説します。
SNS連携
ShopifyはInstagramやTikTokといったSNSと連携でき、商品を直接販売できる仕組みを整えています。
Instagramショッピングを設定すれば投稿からスムーズに購入が可能となり、TikTok広告を利用すれば動画を通じて効果的に集客できます。
SNS上で購買行動に直結する仕組みを整えることが、成約率向上につながります。
SEO対策
ユーザーにストアを訪問してもらうためには、検索エンジンで上位表示されることが重要です。
Shopifyにはブログ機能があり、商品に関連する情報発信を行うことでSEO効果が期待できます。
自然検索からの流入を増やし、継続的に購買機会を生み出せる点は大きな強みです。
まとめ買い割引
Shopifyにはまとめ買いを促す「自動ディスカウント機能」が搭載されています。
特定の商品を複数購入した場合に割引が適用されるほか、セット割引の設定も可能です。
購入単価を上げ、効率的に売り上げを伸ばすために活用できます。
クーポン発行
Shopifyでは柔軟にクーポンを発行でき、初回購入割引や一定金額以上の割引、送料無料など条件設定も可能です。
新規顧客の獲得やリピーター育成に有効であり、配布のタイミングや対象を工夫することで購入単価やリピート率を高められます。
テーマ・アプリ
Shopifyのテーマを選ぶことで、ブランドや商品に合ったストアデザインを簡単に整えられます。
また、8,000以上あるShopifyアプリを活用すれば、検索機能や配送管理、マーケティング支援など必要に応じて機能を拡張できます。
ストアの魅力と利便性を高めることで、購入率アップにつながります。
決済方法
ユーザーが安心して購入できるよう、Shopifyでは複数の決済手段を用意できます。
クレジットカード決済やキャリア決済、後払いサービスなど、ターゲットに合わせた決済方法をそろえることで、離脱を防ぎ、購買機会を逃さない環境を整えられます。
カゴ落ち対策
購入直前で離脱したユーザーに対しては、自動で送信できるカゴ落ちメール機能が効果的です。
さらにKlaviyoなどのアプリを導入すれば、時間差で複数回送信したりABテストを行ったりでき、より高い回収率を実現できます。