Shopifyを利用していると、事情により「ストアを閉じたい」「一時的に休止したい」と考えることもあるでしょう。
本記事では、ストアを終了する「無効化」や、低コストで維持できる「Pause and Buildプラン」を活用した販売一時停止と再開の手順を分かりやすく解説します。
併せて、未払料金やアプリ契約、ドメイン移管、データバックアップといった解約時の注意点も整理。さらに、解約を検討する前に見直すべきコスト削減や集客強化の方法として、プラン変更やストア売却、SNS活用、メールマーケティングなどの実践的なヒントも紹介します。
目次
Shopifyの解約・一時停止について
Shopifyの解約(無効化)・再開手順
Shopifyで販売を一時停止・再開する手順
Shopifyストアを一時閉鎖・再開する手順
Shopifyの解約・一時停止時の注意点
Shopifyを解約する前に検討すべきこと
Shopifyの解約・一時停止について
Shopifyでは一般的に「解約」や「退会」という表現は使われず、「ストアの無効化」や「一時停止」といった形で対応します。
また、売り上げやコストの状況に応じてプランの変更も可能です。
ここでは、それぞれの概要を整理します。
解約・退会は「ストアの無効化」
Shopifyを完全に終了する場合は、「ストアの無効化」という手続きを行います。
無効化すると管理画面へのアクセスや販売はできません、ストアの情報は一定期間保持されるため、後から再開も可能です。
解約=即削除ではない点が特徴です。
販売やストアの一時停止も可
ストアを完全に閉鎖せずに、販売だけを止めたい場合は「Pause and Buildプラン」を利用して一時停止できます。この場合、顧客はストアを閲覧できますが購入はできません。
また、ストア自体を非公開にしたい場合はパスワード保護を設定することで外部から見られないように設定できます。状況に応じて柔軟に使い分けられる点が特徴です。
一時停止の方法は後述します。
プランの変更も可
「解約までは考えていないが、料金負担を減らしたい」という場合はShopifyのプラン変更も選択肢です。
上位プランからダウングレードすることで月額料金を大きく抑えられます。
プラン変更は管理画面から手続きでき、料金は日割り計算で適用されます。
Shopifyの解約(無効化)・再開手順
Shopifyストアの解約や再開は、ストアオーナーのみが操作できる重要な手続きです。
ここでは、ストアを無効化する方法と、再開する方法について詳しく解説します。
解約の手順
デスクトップから解約(無効化)する場合の流れは次のとおりです。
1. ストアオーナーとしてShopify管理画面にログインします。
2. 管理画面から [設定] > [プラン] をクリックします。
3. 画面下部の [ストアの無効化] をクリックします。
4. ポップアップが表示されたら、解約理由を選択し、必要に応じてコメントを追加して [続行] をクリックします。
5. パスワードを入力し、 [今すぐ無効化する] をクリックすると解約が完了します。
無料トライアル中の場合は [トライアルをキャンセル]、有料プランの場合は [プランをキャンセル] を選択してください。
再開の手順
一度無効化したストアも、保存期間内(2年以内)であれば再び再開可能です。
再開する場合の流れは次のとおりです。
1. ストアオーナーとしてストアにログインします。
2. [Re-open <shop名>.myshopify.com] をクリックします。
3. 利用可能なプランを確認し、希望のプランを選択します。
4. [確認して登録] セクションで支払い情報を入力します。
5. [登録] をクリックするとストアが再び有効化されます。
Shopifyで販売を一時停止・再開する手順
Shopifyでは、一時的に販売のみを停止できる「Pause and Buildプラン」を利用できます。
月額9ドルでストアを維持でき、商品編集や管理画面へのアクセスは可能ですが、チェックアウト機能は全て停止されます。ユーザーは商品を閲覧できますが、購入はできません。季節限定ストアや在庫調整のために販売を一時停止したい場合に適した方法です。
一時停止の手順
販売を停止してストア作業を続けたい場合は、Pause and Buildプランを選択します。具体的な流れは次のとおりです。
1. ストアオーナーとしてログインします。
2. 管理画面から [設定] > [プラン] を開きます。
3. [プランをキャンセル] をクリックします。
4. パスワードを入力します。
5. 再度 [プランをキャンセル] をクリックし、利用可能なオプションを表示します。
6. [一時停止と作成] プラン を選択し、詳細を確認します。
7. [Pause and Buildに切り替える] をクリックすると完了です。
なお、「Pause and Buildプラン」の利用には、有料プランを60日以上継続していることが条件です。また、Shopify Plusプランでは利用できません。
再開の手順
一時停止を解除して販売を再開する際は、新しい有料プランを選択する必要があります。具体的な手順は次のとおりです。
1. ストアオーナーとしてログインします。
2. 管理画面から [設定] > [プラン] を開きます。
3. [プランを選択する] をクリックし、希望するプランを選びます。
4. 詳細を確認して [プランを開始する] をクリックします。
5. プラン選択後、販売が再開されます。
Shopifyストアを一時閉鎖・再開する手順
前述したとおり、販売のみを停止する「Pause and Buildプラン」では、顧客は引き続きストアを閲覧できます。しかし、運営者の中にはストアページ自体も非公開にしたい場合があります。そのようなときは、販売停止に加えてパスワード保護を設定することで、外部からの閲覧を制限できます。
一時停止の手順
1. 管理画面の左サイドバーから [オンラインストア] > [各種設定] を選択します。
2. [パスワード保護] の項目で任意のパスワードを入力します。
3. [パスワードを使用して訪問者のアクセスを制限する] にチェックを入れ、保存します。
再開の手順
1. 管理画面で [オンラインストア] > [各種設定] を開きます。
2. [パスワードを使用して訪問者のアクセスを制限する] のチェックを外し、保存します。
Shopifyの解約・一時停止時の注意点
Shopifyストアを無効化・一時停止する際には、料金や契約、データ管理など多くの点に留意する必要があります。
解約後のトラブルを避けるために確認すべき主な注意点は次のとおりです。
- 未払料金の精算
- アプリ・サービスの解約
- ドメインの移管・削除/自動更新
- データのバックアップ
- 返金ポリシー/無料トライアルの扱い
- 情報保持期間
- ストアページの変更
それぞれの注意点について詳しく解説します。
未払料金の精算

ストアを無効化・一時停止する前には、未払い料金を必ず清算する必要があります。
Shopifyプラン料金やアプリ利用料、取引手数料に加え、未発送注文やサブスクリプション商品の処理も必要です。ギフトカードを販売している場合は、未使用分を解決できるよう、CSVファイルをエクスポートして保管しておきましょう。
また、ストアを無効化した後もチャージバックが発生する可能性がある点に注意してください。支払い状況は管理画面の [設定] > [請求情報] から確認できます。
アプリ・サービスの解約

ストアを解約・一時停止しても、導入しているアプリや外部サービスは自動的に解約されません。そのままにしておくと利用料が発生し続けるため、必ず事前に個別の解約手続きを行いましょう。
特にサードパーティアプリには一時停止機能がない場合が多く、削除が必要です。アプリは「解約して再インストールする」か「一時停止中も利用料を支払い続ける」かを選択する必要があります。
重要な機能を担うアプリを削除すると、再開時の運営に影響が出る可能性があるため、解約の要否は十分に検討してください。登録中のアプリは管理画面の [設定] >[アプリと販売チャネル] から確認できます。
ドメインの移管・削除/自動更新
カスタムドメインを利用している場合は、事前に移管や削除を行わないと他のサイトで利用できなくなる可能性があります。
Shopifyで購入したドメインは外部プロバイダーへの移管が可能で、外部サービスで取得した場合はストアから削除が必要です。また、自動更新をオフにしないと不要な請求が発生するため、必ずレジストラ側で停止しておきましょう。
さらに、ShopifyのHSTSポリシーにより、無効化後90日間はHTTPSが有効のまま残ります。HTTPS非対応のサービスに移行するとエラー表示が出る可能性があるため、移行先の仕様に注意してください。
データのバックアップ
ストアを無効化すると管理画面にアクセスできなくなるため、商品データや注文履歴、顧客情報はCSVでエクスポートして保存しておきましょう。
また、購入済みテーマについてもダウンロードを検討してください。テーマは購入時のストア専用ですが、Shopifyサポートに依頼することで、所有する別ストアにライセンスを移行できる場合があります。
返金ポリシー/無料トライアルの扱い
Shopifyでは、解約後に残り期間分の料金返金は行われません。途中解約を予定している場合は請求タイミングに注意してください。
一方、無料トライアル中に支払い情報を登録していない場合は、期限が過ぎれば自動的にアカウントが無効となるため、特別な手続きは不要です。ただし、トライアル中に有料プランへ移行している場合は、通常の解約手続きが必要です。
情報保持期間
ストアを無効化しても即時削除されるわけではなく、最大2年間はデータが保持されます。
この期間内であれば再開も可能ですが、逆に早期削除を希望する場合はShopifyサポートへ依頼が必要です。
また、myshopify.comドメインはストアごとに固有であり、一度解約したストアのURLを再利用はできません。
ストアページの変更
「Pause and Build」プランを利用すると販売は停止されますが、ストアや商品ページは引き続き閲覧可能です。ユーザーに誤解を与えないよう、価格やカートボタンを非表示にする、販売休止中である旨を表示するといった対応が必要です。
さらに、完全に閲覧を制限したい場合はパスワード保護を設定し、ストアを非公開にすることが推奨されます。
Shopifyを解約する前に検討すべきこと
Shopifyを解約する前に、コスト削減や集客強化などの改善策を講じることで、解約を回避できる可能性があります。
ここでは解約前に見直すべき主なポイントをまとめます。
プランの変更
月額料金が負担になっている場合は、上位プランから下位プランへのダウングレードを検討しましょう。
例えば、Advancedプラン(月額44,000円)からBasicプラン(月額3,650円)に変更すれば、コストを大幅に削減できます。
基本機能はどのプランでも変わらないため、必要に応じて最適なプランに切り替えることが賢明です。
使用中アプリ・サービスの見直し
導入しているアプリや外部サービスが売り上げに見合っているかを確認しましょう。
不要なアプリや利用頻度の低いサービスを解約することで、固定費を削減できます。
特に月額課金型のアプリは積み重なると大きな負担となるため、役割や重要性を見極めて整理することが重要です。
ストアの売却
ストアにファンがついており継続的に売り上げがある場合は、閉鎖ではなく売却を検討することも選択肢の一つです。
M&Aサイトや売買仲介サービスを活用すれば、数カ月から数年分の利益を得られる可能性があります。
交渉力に不安がある場合は、仲介会社を通じてスムーズに取引を進めることがおすすめです。
集客・販促の見直し
売り上げが伸び悩んでいる場合は、集客や販促施策を改善することで状況が好転することがあります。
次のような施策を試すことで、ストアの改善余地が見つかり、解約せずに継続できる可能性があります。
- SNS活用:InstagramやFacebookを利用し、ショッピング機能や広告、コミュニティを通じて顧客接点を広げます。
- メールマーケティング:Shopifyメールを活用してカゴ落ち対策やセグメント別配信を行い、リピーターを獲得します。
- UGC(ユーザー生成コンテンツ):レビューや写真投稿を活用して新規顧客の信頼を獲得し、口コミ効果を高めます。
- インフルエンサーマーケティング:影響力のある人物と連携し、短期的なプロモーションと長期的なブランド構築を行います。