Shopifyでストアを運営する中で、「利用規約はどう作ればいいのか分からない」「テンプレートをそのまま使って問題ないのか」と悩んでいませんか?
利用規約は必須ではないものの、トラブル防止やリスク管理の観点から非常に重要な要素です。
本記事では、利用規約の基本から記載すべき項目、テンプレートの確認方法、作成手順、設定方法、同意取得のポイントまで、実務に沿って分かりやすく紹介します。
初めて作成する方でも、そのまま実務に落とし込める内容になっています。ストア運営の基盤を整えたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
Shopifyストアにおける利用規約の基本
まず始めに、Shopifyストアにおける利用規約の基本的な考え方や役割、契約書との違いについて解説します。
利用規約の概要
利用規約とは、ECサイトを利用する際のルールや条件を定めたものです。商品購入やサービス利用に関する条件、禁止事項、責任範囲などをあらかじめ明文化し、ユーザーに提示することで、トラブルの発生を防ぐ役割を持ちます。
Shopifyストアにおいては、ストア運営者が主体となって内容を定め、サイト上に公開する形が一般的です。ユーザーはその内容に同意した上でサービスを利用するため、実質的に契約に近い効力を持つ重要なページといえます。
なお、利用規約の作成自体は法律上の義務ではありません。しかし、注文条件や返品対応、責任範囲などを明確にしておかないと、ユーザーとの認識のズレが生じやすくなります。その結果、トラブルや問い合わせの増加につながるため、実務上はほぼ必須といえる要素です。
利用規約の表示方法
Shopifyでは、利用規約を保存するだけで専用ページが自動生成され、別途公開設定は不要です。
ただし、ページは自動で表示されるだけのため、フッターやカートページなどに別途リンクを設置し、ユーザーがアクセスできる導線を整えることが重要です。
また、規約ページは「/policies/terms-of-service」などのURLで管理され、他のポリシーと共通構造で整理されます。
利用規約と契約書の違い
利用規約は契約書と似た役割を持ちますが、いくつか明確な違いがあります。
契約書は当事者同士の合意によって個別に締結されるのに対し、利用規約は事業者があらかじめ定め、不特定多数のユーザーに適用される点が特徴です。
また、契約書は個別交渉が前提となる一方で、利用規約は基本的に内容の交渉ができず、ユーザーは同意するか利用しないかを選択する形式となります。このように、公開性と一方的な提示という点が、利用規約の大きな特徴です。
Shopifyの利用規約について
ここまで解説してきた利用規約は、あくまでストア運営者が独自に設定する「ストアの利用規約」です。一方で、Shopify自体にも、プラットフォーム利用に関する公式の利用規約が存在します。
これは、Shopifyのサービスを利用する事業者(ストア運営者)に対して適用されるものであり、ストアの購入者に向けた利用規約とは対象や目的が異なります。
例えば、アカウントの利用条件や禁止事項、料金体系、責任範囲などはShopifyの利用規約で定められており、これに同意した上でストアを開設・運営する必要があります。
つまり、Shopifyを使ったEC運営では「Shopifyとの契約」と「自社ストアの利用規約」の2つが存在する点を理解しておくことが重要です。
利用規約に記載すべき項目
ここでは、Shopifyストアの利用規約に記載すべき基本項目について解説します。
アクセス条件・アカウント管理
利用規約では、サービスの利用条件やアカウントに関する責任範囲を明確にします。
例えば、年齢制限やアカウント情報の正確性、ログイン情報の管理責任などです。
ユーザーが提供する情報の正確性や、アカウントの不正利用に関する責任を明示しておくことで、トラブル時の対応基準を整理できます。
商品・注文条件
商品の内容や注文に関する条件も重要な項目です。
例えば、注文が成立するタイミングや注文の承諾・拒否の可否、キャンセルの扱いなどを明記します。
特に「注文=契約成立ではない」旨を明確にしておくことで、在庫不足や不正注文への対応がしやすくなります。
価格・支払い条件
価格や支払いに関する条件では、商品の価格の扱いや変更の可能性、支払い方法、請求内容などを定めます。
例えば、Shopifyが提供するテンプレートでは、価格の変更や税金・送料の扱い、決済情報の正確性などが細かく規定されています。
ユーザーとの認識ズレが起きやすいポイントのため、明確に記載しておくことが重要です。
配送・返品に関する条件
配送や返品・キャンセルに関する条件は、クレームにつながりやすい重要項目です。
配送遅延の扱いや責任範囲、返品の可否や条件、返金方法などを具体的に記載します。
特に「どこまで保証するのか」を明確にしておくことで、トラブルの抑制につながります。
免責事項・規約変更
最後に、責任範囲や規約の変更に関するルールを定めます。
例えば、サービスの不具合や外部要因による損害に対する責任制限、規約を変更できる条件などです。
Shopifyが提供するテンプレートでも、保証の免責や責任の制限、規約変更に関する規定が設けられています。
Shopifyとの関係
利用規約には、ストアとShopifyの関係性についても明記します。
ShopifyはあくまでECプラットフォームを提供しているサービスであり、実際の商品の販売や取引はストア運営者とユーザーの間で行われます。そのため、購入に関する責任はShopifyではなく、ストア側にあることを明確にしておく必要があります。
Shopifyが提供するテンプレートでも、「Shopifyは取引の当事者ではない」ことや、「商品・サービスに関する責任はストアに帰属する」ことが明記されています。これにより、トラブル発生時の責任範囲を整理できます。
特に、ユーザー側が「Shopifyで購入した」と認識するケースもあるため、誰が販売主体なのかを明確にしておくことが重要です。
利用規約を作成する3つの方法
ここでは、Shopifyストアの利用規約を作成する主な三つの方法を紹介します。
方法①Shopifyのジェネレーターで作成する
Shopifyは、必要な情報を入力するだけで利用規約を自動生成できる無料のジェネレーターを提供しています。質問形式で項目を埋めていくだけで、基本的な内容を網羅した規約を作成できます。
手軽に一定水準の利用規約を用意できる点がメリットですが、あくまで汎用的なテンプレートであるため、自社のビジネスモデルや販売条件に合わせた調整は不可欠です。そのまま使用するのではなく、必ず内容を確認・修正することが重要です。
ジェネレーターを使った利用規約の作成手順は後ほど詳しく解説します。
方法②Shopifyの標準機能で作成する
Shopifyには、利用規約を作成・管理できる標準機能が用意されています。管理画面上で内容を入力するだけで、規約ページを用意できます。
追加コストがかからず、すぐに運用を開始できる点がメリットです。まずは最低限の規約を整備したい場合に適しています。
一方で、文章自体は自分で用意する必要があるため、テンプレートや他サイトを参考に調整するケースが一般的です。
詳しい手順は後述します。
方法③弁護士・外部サービスで作成する
より正確かつリスクを抑えた利用規約を作成したい場合は、弁護士や専門の外部サービスに依頼する方法もあります。自社の商材や取引条件に合わせて、法的観点から適切な内容に仕上げてもらえる点が大きなメリットです。
特に、高額商品やサブスクリプション、海外販売など、条件が複雑な場合には専門家への依頼が有効です。費用は数万円〜十数万円程度が目安ですが、トラブル防止やリスク回避という観点では十分に検討する価値があります。
利用規約の設定方法【ジェネレーター】
ここでは、Shopifyが提供するジェネレーターを使って利用規約を作成する方法を解説します。
1. Shopifyの利用規約ジェネレーターにアクセスする

まずは、Shopifyが提供している利用規約ジェネレーターにアクセスします。「Shopify 利用規約 ジェネレーター」と検索すると、公式ページが表示されます。
このジェネレーターは無料で利用でき、簡単な入力だけで基本的な利用規約を自動生成できます。
2. 必要な情報を入力する

ジェネレーターの画面では、ストア名やURL、メールアドレスなどの基本情報を入力します。入力内容を基に、自動的に利用規約の文章が生成される仕組みです。
項目自体はシンプルですが、入力した内容がそのまま規約に反映されるため、誤りがないよう正確に入力します。
3. 生成された利用規約を確認・コピーする

必要事項を入力すると、利用規約の全文が自動生成されます。内容を確認し、自社の運用に合っているかをチェックします。
そのまま使用するのではなく、販売条件やサービス内容に合わせて適宜修正することが重要です。問題がなければ、生成された文章をコピーします。
4. Shopify管理画面に貼り付けて保存する

コピーした利用規約は、Shopifyの管理画面に貼り付けて保存します。「設定」→「ポリシー」→「利用規約」の順に進み、入力欄に貼り付けて保存すれば、ストア上に利用規約ページが公開されます。
ジェネレーターはあくまでベースとなる文章を用意するためのツールです。最終的には、自社の実態に合わせて調整した内容を掲載しましょう。
利用規約の設定方法【標準機能】
ここでは、Shopify管理画面で利用規約を設定し、公開するまでの基本的な手順を解説します。
1. 「設定」→「ポリシー」に進む

まずは、利用規約を設定する画面へアクセスします。Shopifyの管理画面にログインし、画面左下の「設定」をクリックし、「ポリシー」を選択します。
この画面では、利用規約だけでなく、プライバシーポリシーや返金ポリシーなど、各種規約をまとめて管理できます。
2. 「利用規約」に内容を入力する
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ポリシー設定画面に移動したら、「利用規約」の入力欄に内容を記載します。事前に作成した文章を貼り付けるか、テンプレートをベースに作成します。
「テンプレートを挿入」をクリックすると、ひな形が入力欄に反映されます。ゼロから作成することが難しい場合は、このテンプレートを基に自社の内容に合わせて調整すると効率的です。
見出しや改行を適切に使い、読みやすい構成に整えます。入力後は内容に誤りがないかを確認しましょう。
3. 公開する

内容を入力したら、画面右上の「公開する」をクリックします。これで利用規約ページが作成・公開されます。
公開後は実際のページを確認し、内容や表示に問題がないかチェックします。
利用規約への同意取得方法
利用規約は設置するだけでなく、ユーザーから適切に同意を得ることが重要です。トラブル防止やリスク管理の観点からも、同意取得の設計は欠かせません。ここでは、利用規約への同意を取得する主な方法について解説します。
チェックボックスで同意を必須化する
利用規約への同意取得として最も一般的なものが、チェックボックスの設置です。
購入前や会員登録時に「利用規約に同意する」といったチェックを必須にすることで、ユーザーが内容を確認した上で手続きを進める状態を作れます。
形式的であっても明確な同意プロセスを設けることで、後のトラブルを防ぎやすくなります。
実装方法①テーマ機能でチェックボックスを設置する
Shopifyのテーマによっては、商品ページやカートページにチェックボックスを追加できる機能が用意されています。標準機能で対応できるため導入が容易で、追加コストもかかりません。
一方で、対応していないテーマもあるため事前確認が必要です。また、デザインや表示位置の自由度は限定されます。
実装方法②アプリで柔軟に同意取得を実装する
テーマで対応できない場合は、Shopifyアプリの利用が有効です。ノーコードでチェックボックスを追加でき、表示位置や対象ページも柔軟に設定できます。
特定の商品や条件に応じて表示を切り替えることもできるため、より実務に即した同意取得の設計が可能です。ただし、多くの場合は月額費用が発生します。
実装方法③コードで自由にカスタマイズする
より細かく制御したい場合は、テーマのコードを編集して実装する方法もあります。表示条件やデザインを自由に設計できる点が特徴です。
一方で、HTMLやCSS、Liquidなどの知識が必要となるため、対応できる人材がいる場合に適しています。実装後の動作確認や保守も含め、慎重に進める必要があります。
利用規約のテンプレート
Shopifyでは、管理画面とジェネレーターの2つの方法でテンプレートを確認できます。
管理画面の場合は、「設定」→「ポリシー」→「利用規約」の順に進み、「テンプレートを挿入」をクリックすると、ひな形が入力欄に反映されます。
また、Shopifyが提供する利用規約ジェネレーターを利用すれば、必要な情報を入力するだけで規約の文章が自動生成され、テンプレートの構成や内容を確認できます。
それぞれの内容を見比べることで、自社の販売形態に合った利用規約の全体像を整理しやすくなります。
利用規約作成時の注意点
ここでは、利用規約を作成する際に注意すべきポイントについて解説します。
コピペ利用を避ける
テンプレートや他社サイトの利用規約をそのまま流用することは避けるべきです。内容が自社の実態と合っていない場合、トラブル時に適切な対応ができない可能性があります。
また、表現によっては法的に不適切となるケースもあるため、参考にする場合でも必ず内容を精査し、自社に合わせて修正することが重要です。
自社サービスに合わせて調整する
利用規約はテンプレートをそのまま使うのではなく、自社の販売条件や運用に合わせて調整する必要があります。
例えば、配送方法や返品条件、支払い手段などはストアごとに異なるため、それぞれの実態に沿った内容に具体化することが重要です。曖昧な表現を避け、判断基準が明確になるように設計します。
法律・業種ごとの要件を確認する
販売する商品や業種によっては、追加で記載すべき内容があります。例えば、酒類や医療機器などは販売に関する規制があるため、それに応じた表記が必要です。
また、サブスクリプションサービスやデジタル商品なども、通常の物販とは異なる条件を明記する必要があります。自社の事業内容に応じて、必要な要件を確認することが重要です。
法務関係その他のポリシー・規約
ここでは、利用規約と併せて設定しておくべきその他のポリシーについて解説します。
返金ポリシー
返金ポリシーは、返品やキャンセル、交換に関するルールを定めたものです。返品可能な期間や条件、送料負担、返金方法などを明確にすることで、トラブルの防止につながります。
特にECサイトでは問い合わせが発生しやすい項目のため、具体的かつ分かりやすい記載が重要です。
プライバシーポリシー
プライバシーポリシーは、個人情報の取り扱いについて定めるものです。取得する情報の種類や利用目的、管理方法などを明示します。
ユーザーの信頼に直結する要素であり、法令順守の観点からも必ず整備しておく必要があります。
配送ポリシー
配送ポリシーでは、送料や配送方法、配送日数などを定めます。地域ごとの送料や配送条件を明記することで、購入前の不安を解消できます。
配送に関する認識のズレはクレームにつながりやすいため、具体的な条件を明示することが重要です。
特定商取引法に基づく表記
特定商取引法に基づく表記は、日本のECサイトにおいて必須となる表示項目です。事業者情報や連絡先、販売条件などを明記する必要があります。
法令に基づく義務であるため、内容に漏れがないよう注意し、正確な情報を記載することが重要です。