ShopifyでECサイトを構築しているものの、「思うように商品が売れない」というお悩みをお持ちの方もいるでしょう。ECサイトの売上を伸ばすためには、売上の仕組みを理解し、適切な対策を講じる必要があります。Shopifyは使い方が非常に簡単なサービスですが、売るためにはもちろん努力が必要です。
そこで本記事では、ECサイトの「売れない原因と対策」をご紹介します。ShopifyでのECサイト運営で売上に関する課題を抱えている方は、ぜひ解決のヒントとしてご覧ください。
1.Shopifyを使うと商品が売れない?
結論からお伝えすると、「ShopifyでECサイトを運営すると商品が売れない」ということはありません。ShopifyはECサイトを簡単に構築するためのシステムに過ぎないので、Shopifyを使用していることと商品が売れないことには直接的な関係がありません。
では、ECサイトで商品が売れない理由は何なのでしょうか。ECサイトの売上がどのように算出されるのか、その仕組みを把握することで、売れない理由が見えてきます。
【ECサイトの売上を導くための計算式】
アクセス数×購入率×平均客単価=ECサイトの売上
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上記の計算式には「アクセス数」「購入率」「平均客単価」という指標が用いられていますが、それらの数字が思わしくなければ、それだけECサイトの売上も伸び悩むということです。裏を返せば、それぞれの指標を高める対策・改善を行えば、Shopifyを利用しているかどうかにかかわらず、売上を伸ばすことができるということになります。
【補足】Shopifyで売れないものもある
「売れにくい」のではなく、Shopifyで売れない商品もあります。基本的に法令に違反していない商品でなければ、Shopify上で販売することは可能ですが、各決済会社がその商品の販売を許可するのかは別の話です。
Shopifyペイメント(Shopifyのクレジットカード決済)を使えない商品も数多くありますので、こちらの利用規約をよくご確認ください。なお、Shopifyペイメントでは販売できない商品も他社の決済代行サービスでは販売できるものもありますので、KOMOJUやSBPSなどの決済代行サービスにお問い合わせするのもおすすめします。
2.Shopifyで商品が売れない原因とは?
Shopifyで「売れない」と感じている事業者の方は、下記の項目に心当たりはないでしょうか?
【商品が売れない原因】
- 商品の需要がない
- 集客力が低い
- ECサイトが使いづらい
- カゴ落ちが多い
- リピーターが少ない
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これらに一つでも当てはまっている場合は、商品が売れづらい状態にあると言えます。以下で、それぞれの原因について見ていきましょう。
商品の需要がない
これは当たり前のことですが、そもそも需要がなければ商品は売れません。また、例え需要があっても、他社製品・サービスと比べて「品質が低い」「価格が高い」「送料が高い」「サポートが不十分」などの理由で売れないこともあります。
集客力が低い
ECサイトの売上を導き出す計算式に当てはめて考えると、アクセス数が少なければ、購入率と平均単価を上げるほか売上を伸ばす方法はありません。ECモールであればある程度のアクセスは見込めますが、ShopifyでオリジナルのECサイトを立ち上げた場合は、独自に集客施策を講じる必要があります。
ECサイトが使いづらい
ECサイトの使いづらさも、商品が売れない原因のひとつです。例えば、ECサイトが下記のような状態にある場合は、顧客が「使いづらい」と感じる可能性が高まります。ブランド力をすでに持っているブランドの場合は商品の説明がなかったりしても売れることはよくありますが、一般的に知名度がない商品の場合は商品の魅力やメリットなどをしっかり表現する必要があります。自分だけでなく他者の目も入れながら、以下の点を確認してみましょう。
- 商品を見つけづらい
- 商品の説明がない
- 商品の魅力が伝わる画像がない
- レビューがない
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カゴ落ちが多い
顧客がせっかく商品をカートに入れてくれたのに決済に至らない、いわゆる「カゴ落ち」の多さも、売上が伸びない原因と言えます。例えば、下記のような場合はカゴ落ちする可能性が高くなります。
- 決済画面で初めて送料がわかる
- 送料が高すぎる
- 使いたい決済手段に対応していない
- サイトのデザインが怪しい
- 購入完了までの必須入力項目が多すぎる
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リピーターが少ない
新規顧客の獲得ももちろん大事ですが、それと並行してリピーターを獲得する施策を打たなければ、中長期的に売上を伸ばすことは難しいと言えます。仮に、新規顧客の獲得にコストをかけられなくなった場合、リピーター獲得施策を講じていなければ、急激な売上の減少につながる恐れもあります。
3.Shopifyで商品が売れない場合の対策とは?
ここからは、上述した「売れない原因」への対策をご紹介します。
下記の各施策をしっかり見直すことが重要ですが、すべてを自前でやるのはとても難しいという方は、Shopifyのプロにお願いするのも手です。日本にはShopifyパートナーと呼ばれるやECのマーケティングに特化した制作会社もたくさん存在しています。こちらのShopifyエキスパートのリストをぜひ参考にしてみてください。
商品を見直す
競合製品・サービスと比較し、機能面・デザイン面・価格面で改善できることがないか見直します。また、一般的にECサイトで売れやすいと言われる下記のような商品を把握し、改善の方向性を検討することもポイントです。
【ECサイトで売れやすい商品】
- 重い/運びにくい商品
- 日用品、生活必需品
- まとめ買いできる商品
- 実店舗で購入しづらい商品
- 定期購入できる消耗品
- ECサイトでしか手に入らない限定商品
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集客力を高める
ECサイトへのアクセス数を増加させるために取れる施策は、大きく「Web広告を打つ」「SEO対策を行う」「SNSを運用する」の3つです。
Web広告を打つ
特に「今すぐ商品を求めているターゲット」に対しては、Web広告による訴求が有効です。Web広告には「リスティング広告」「ディスプレイ広告」「SNS広告」「アフィリエイト広告」「動画広告」「インフィード広告」などの手法があるため、ターゲットとなるユーザーの特性や商品の特徴に合わせて、適切な広告タイプを選ぶことがポイントです。
SEO対策を行う
ユーザーが特定のキーワードを検索エンジンで検索した際、自社/自身のページを上位表示させるための「SEO対策」は、ECサイトのアクセス増につながる施策です。検索エンジンが正確に評価できるサイト構造で、検索エンジンとユーザーの双方から評価されるコンテンツを制作することで、SEO効果を高めることができます。
SNSを運用する
最近ではSNSを参考に商品を購入するユーザーも多いため、SNSの運用と適切な対策は、アクセス数と購買意欲を高めるための重要な取り組みと言えます。主なSNS媒体だけでも「Instagram」「X(旧:Twitter)」「Facebook」「LINE」「YouTube」などいくつかの種類があるので、それぞれの媒体の特徴を把握したうえで、ユーザーの特性や商品との相性を考慮し、活用する媒体を選ぶとよいでしょう。
ECサイトを改善する
ECサイトの使いづらさを改善することも、売上を伸ばすための欠かせない取り組みです。ここでは、改善を行うための視点として「商品を見つけやすくする」「商品の魅力が伝わる工夫をする」「口コミ・レビューを掲載する」の3点をご紹介します。
商品を見つけやすくする
ECサイト上で商品を羅列するのではなく、カテゴリ・価格帯・サイズ・カラーなどで分類しておくと、ユーザーが欲しいものを探しやすくなります。検索窓を設けて、ユーザーがフリーワードで検索できるようにすることもポイントです。
商品の魅力が伝わる工夫をする
商品の魅力を伝えるためには、商品ページで紹介するテキスト・画像・動画などを充実させる必要があります。ターゲットとしているユーザーはテキストで情報を収集したいのか、画像や動画などで視覚的に商品を知りたいのか、そうした特性を考慮しながら改善するポイントを定めるとよいでしょう。これはECサイトに対するユーザーの満足度と商品の購買意欲を高めるための重要な取り組みです。
口コミ・レビューを掲載する
購入者が投稿した口コミやレビューを参考にするユーザーは少なくありません。ポジティブな内容が掲載されていれば、購入に至る可能性も高めることができます。
ただし、ポジティブな口コミ・レビューばかり掲載していると、いわゆるサクラや自作自演を疑われ、逆に購買意欲を低下させる恐れもあるため、投稿内容は精査する必要があります。Shopifyではアプリを使うことでかんたんに導入することができます。
カゴ落ち対策をする
カゴ落ちを防ぐための対策としては、「できるだけ入力項目を減らしてユーザーにストレスがかからないようにする」「幅広い決済手段に対応することで離脱を防ぐ」などが考えられます。また、決済画面に移動する前に、送料や手数料など、ユーザーが負担しなければならないコストを明示しておくことも大切です。Shopifyで利用できる決済手段はこちらのShopify ペイメントおよび決済方法一覧の記事をご確認ください。
リピーターを増やす
新規顧客の獲得と並行してリピーターを増やす施策を講じれば、さらなる売上の向上が期待できます。リピーターを増やすためにできる取り組みとしては、「メールマーケティングを行う」「同梱物を工夫する」「紙媒体も併用する」の3つが挙げられます。
メールマーケティングを行う
商品の購入者や会員登録したユーザーに対し、メルマガの定期配信を行うことでリピーター化が期待できます。メール配信のタイミングは、注文の多い曜日・時間帯とし、目を引く魅力的なメール件名にすることで開封率を高めることができます。
また、一斉配信のメルマガだけでなく、ユーザー一人ひとりの特性に合わせたステップメール(商品購入に至るまでのストーリーを設計し、数回に分けて送付するメール)や、セグメントメール(例えば誕生日にクーポンを配信するように、ユーザーの特性に応じて送付するメール)を送ることも、リピート率を高めるためのポイントです。
同梱物を工夫する
商品だけでなく、例えば感謝状を一緒に送ることで、ストアに対して良い印象を持ってもらうことができます。また、クーポンや商品のチラシなどを同梱することで、新たな購買意欲を喚起することも期待できます。
紙媒体も併用する
ECサイト内でのコミュニケーションやメールマーケティングだけでなく、カタログやクーポン付きバースデーカードなどをDMで送付することも、リピーターを増やすためにできる工夫と言えます。この工夫によって、Web以外のタッチポイントが増え、競合他社との差別化も期待できます。
ただし、ネット利用に慣れ親しんでいる層をターゲットとしている場合は、かえってセールス感が強く出てしまう可能性もあるため注意が必要です。
実店舗を活用する
ECサイトと並行して実店舗をお持ちの方は実店舗を活かした施策を実行するのも良いでしょう。例えば、お客様にネットショップのクーポンを渡すであるとか、Shopify POSを使って、実店舗とネットショップに横断するポイントシステムの導入や、店舗受け取りの機能追加など、リアルのお客様が便利に思えるような機能を追加するのも良いでしょう。
4.まとめ
今回は、ECサイトで商品が売れない原因と対策をご紹介しました。ただし、対策を講じたくても、その他の業務に時間が取られて実現できないというケースもあるでしょう。その代表が「配送業務」です。特に個人や少人数でECサイトを運営している場合、「送り状の発行を手書きで行っているため業務を圧迫している」という方も多いのではないでしょうか。
そこでおすすめなのが、プラスシッピングという配送アプリ。Shopify上で送り状を簡単に印刷・購入できるほか、個別運賃契約なしで配送業者の配送料を特別料金で利用できます。月額料金も無料で使えるので、配送業務のお困りごとを抱えている方は、ぜひ導入をご検討ください。