Shopifyで運営しているネットショップの配送方法は、設定やアプリの導入によって自由にカスタマイズすることができます。顧客のショッピング体験を向上させるだけでなく、事業者の配送業務の効率化にもつながるので、もしデフォルト設定のまま利用していたら、それは非常にもったいないです。
そこで本記事では、主にShopifyにおける配送設定の方法やおすすめのアプリをご紹介します。配送設定の方法についてはシーン別に解説しているので、ニーズに合わせてご覧いただき、ぜひShopifyの運営に役立ててください。
1. Shopifyの配送にはどんな特徴がある?
Shopifyは世界中で利用されているECプラットフォームで、非常に簡単に誰でもネットショップを作成し使うことができます。同時に様々な事業者の配送業務に対応できるように設計されています。Shopifyの配送方法の特徴としては、下記の3点が挙げられます。
- 海外にも発送できる
- アプリで配送業務を効率化できる
- 店舗受取やデリバリーが選べる
以上の内容をそれぞれ詳しく見ていきましょう。
海外にも発送できる
Shopifyは標準機能として海外発送向けの設定が可能です。世界中で使われているECプラットフォームだからこそ、海外対応もばっちりです。各国の税制や法律にも対応しているプラットフォームで、多言語でストアを展開することができ、複数の決済方法にも対応していることから、越境ECにも向いています。
日本国内では、「プラスシッピング」というShopifyの配送注文サービスを使うことで、日本の主要な配送業者を一括利用可能で送り状を発行できます。「プラスシッピング」は、Shopify内で配送業者との申し込みがオンラインで完結する唯一のアプリとして人気で、まだ配送業者との個別契約が完了していない事業者や、複数の配送会社を利用したい事業者におすすめです。以下が2024年4月現在で利用可能な配送会社です。
配送業務のお悩みをまとめて解決するアプリ「プラスシッピング」なら、日本国内の主要な配送業者と連携しているため、送り状の発行がカンタンです。
アプリで配送業務を効率化できる
Shopifyには数多くのアプリがありますが、配送業務に役立つものも豊富に用意されています。機能や料金はアプリによって異なるため、自社/自身の「業務の実情」や「実現したいこと」に合わせてアプリを選ぶことで理想のかたちにカスタマイズでき、業務効率化を図ることができます。
おすすめのアプリは本記事の「3. Shopifyの配送業務に役立つアプリ7選」で後述しているので、そちらもぜひチェックしてみてください。
店舗受け取りやデリバリーが設定できる
配送業者を利用した通常の商品のお届けだけでなく、顧客自身が店舗で商品を受け取れるようになるBOPIS機能を導入できたり、近くのお届け先では事業者自身で商品をデリバリーしたりと、さまざまなお届け方法を設定することができます。
配送を希望しない顧客への店舗受取サービスの提供は事業者のコスト削減につながるうえ、さまざまな商品のお届け方法を提供することで顧客の選択肢が増え、ショッピング体験の向上にも貢献します。
2. Shopifyの配送設定の方法
配送に関する設定は、管理画面の「配送と配達」から行えます。
以下、シーン別に設定方法をご紹介していきます。
注文額に応じて送料を設定するには?
ここでは、下記を想定して設定方法を解説します。Shopifyを使っているネットショップでもよく見かける送料設定です。
例:
・注文金額¥10,000未満の場合は送料¥1,000
・注文金額¥10,000以上の場合は送料無料
としたい場合
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まず、「一般設定」をクリックします。
通常配送の横にある「・・・」をクリックし、「送料を編集する」をクリックします。
次に表示された画面の価格に「¥1,000」と入力します。それから「注文額に基づく」にチェックを入れ、「最低価格」に「¥0」、「最高価格」に「¥9,999」と入力。さらに「料金の名前」には事業者が整理しやすい「通常配送」などの任意の名称を入力し、「完了」をクリックします。
以上の対応で¥10,000未満の送料を設定できたので、次は送料無料の設定を行います。
まずは先ほど入力した任意の名称「通常配送」の下にある「送料を追加する」をクリック。
「一定料金を利用」にチェックを入れ、「料金の名前」には事業者が整理しやすい「送料無料」などの任意の名称を入力します。価格には「¥0(無料)」と入力し、「注文額に基づく」にチェックを入れ、「最低価格」に「¥10,000」と入力し、「完了」をクリックします。
以上の対応で、注文額に応じた送料の設定は完了です。
配送エリアごとに送料を設定するには?
ここでは、下記の場合を想定して設定方法を解説します。
例:
・注文金額¥10,000未満の場合、通常の送料は¥1,000
・北海道と沖縄の送料は、別料金(注文金額¥10,000未満の場合は送料¥1,500)
としたい場合
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まず、「国内配送」という文字の右にある「・・・」をクリックし、「ゾーンを編集する」を選択します。
「47個中47の都道府県」の中にある北海道と沖縄のチェックを外し、「エリア名」には「国内配送(離島以外)」のように、事業者が整理しやすい名称を入力して、「完了」をクリック。
次に「エリアを作成」をクリックし、沖縄と北海道の送料を作成していきます。
「エリア名」には「国内配送(北海道・沖縄)」のように、事業者が整理しやすい名称を入力して、「完了」をクリック。
その後、「注文額に応じて料金を設定する方法」と同じように対応すると、下記画面のように設定できます。
商品の重量に応じて送料を設定するには?
海外に配送する際に配送する会社が重量別で送料が異なる場合は、正確な送料を設定するときに重量に基づく送料の設定が必要です。このとき、商品の正確な重量を入力しなければならない点に注意しましょう。
ここでは、中国向けに越境ECを行うことを想定し、手順を紹介していきます。なお、料金設定は、日本郵政が提供している国際小包の第1地帯の料金を用いることにします。
【料金表(国際小包:第1地帯)】
重量
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料金
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1.0kgまで
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2,050
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2.0kgまで
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2,750
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3.0kgまで
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3,450
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4.0kgまで
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4,150
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5.0kgまで
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4,850
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配送画面の「国際」の右にある「・・・」をクリックし、「ゾーンを編集する」を選択します。
中国にチェックをつける必要があるのですが、デフォルトで中国は配送エリアに指定されていないので、「マーケットに国/地域を追加する」をクリックします。
マーケット画面から「マーケットを追加」をクリックし、マーケット名を入力し、中国を選択して「マーケットを追加」を押します。
これで、中国を送料のゾーンとして選択できる状態になったので、次は送料を設定します。
「配送と配達」の画面に戻り、「国際」の右にある「・・・」→「ゾーンを編集する」を選択して、表示される画面から、中国を選択します。
次に、「国際配送」の下にある「送料を追加する」をクリックし、ゾーンごとに送料を設定していきます。
このとき、「料金の名前」には事業者が整理しやすい「Standard」のような任意の名称を記入します。
「価格」と「最大重量」は、日本郵政の料金表にある重量と料金を確認しながら記入します。日本郵政の料金表に対応した送料をひとつず設定していくと、下記画面のように重量に基づく送料を設定できます。
商品サイズごとに送料を設定するには?
Shopifyでは商品ごとの送料を設定できます。その機能を利用すればサイズごとに送料を設定することもできるので、ここではその手順をご紹介します。
なお、この設定を行うことで、配送業者が用意しているサイズごとに、異なる価格を請求することも可能です。
まず、「配送と配達」の画面にある「カスタム配送料」の中にある「新しいプロファイルを作成する」をクリックします。
「名前」には、事業者が整理しやすい任意の名称(サイズによる分類など)を入力し、「商品管理」から適用したい商品を追加します。
次に「エリアを作成」をクリックし、グループにしたい数だけ、エリアと料金の組み合わせを作っていきます。すると、下記画面のように設定できます。
さらに詳しい配送方法の設定方法はこちらをご覧ください。
配送日時指定を可能にするには?
Shopifyには、お客様が配送日時を指定できるように設定するための機能がデフォルトで用意されていません。そのため、下記いずれかの方法を取る必要があります。
事業者自身でコードを編集する
Shopifyテーマのコードを編集することで、顧客による日時指定が可能になります。シンプルな手順は下記のとおりです。
1.管理画面の「オンラインストア」→「テーマ」→「・・・」→「コードを編集」を選択する
2.「theme.liquid」にjQueryを追加する
3.配送日時指定のスニペットを作成する
4.3で作成したスニペットをカートページに埋め込む
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配送日時指定を可能にするアプリを利用する
Shopifyには、プログラミングの知識がなくとも配送日時指定を可能にするアプリが豊富に存在します。そのため、プログラミングに自信がない場合はアプリの利用がおすすめです。
配送業務のお悩みをまとめて解決するアプリ「プラスシッピング」なら、配送日時指定機能を無料でご利用いただけます。配送業務を効率化する機能が集約されているので、機能に応じてアプリを使い分ける必要もありません。
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発送通知を設定するには?
Shopifyにはデフォルトで発送通知機能が備わっており、出荷が完了すると顧客にメールが送信されます。メール内容のテンプレートも用意されていますが、変更したい場合は下記の手順で編集することが可能です。
まず、管理画面の「設定」の「通知」をクリックすると表示される「お客様通知」をクリックします。
次に、「注文の確認」をクリックします。
右上の「コードを編集」をクリック。
下記のメール編集画面でメールの件名と本文を編集できます。このとき、HTMLの知識がない方はコードは崩さないように注意しましょう。文面のみを入れ替えるだけで問題ないです。
3. Shopifyの配送業務に役立つアプリ7選
ここでは、Shopifyの配送業務を効率化したり、顧客に選択肢を提供したりするのに役立つ配送アプリを7つ紹介します。
Shopifyの配送業務はこれで解決!送り状の発行・注文、配送日時指定機能、配送会社の契約などが全て統合された国内唯一の配送注文アプリです。アプリは月額料金が無料で利用できます。発送量が少ない事業者でも配送業者との個別契約なしで、通常の配送料よりも割引されたShopify事業者限定の特別料金で商品を発送できるShopify唯一の送料アプリでもあります。配送料のお支払いは管理画面内でクレジットカード決済ができ、インボイス制度にも対応しています。
CC配送日時指定
配送日時指定機能のあるアプリです。商品ごとの発送タイミングや表示を細かく設定することができます。店舗受取などにも柔軟に対応しており、発送に関するお悩みを解決してくれます。
<アプリの追加はこちら>
AnyGift
住所を知らずにギフトを送る「eギフト機能」を、ノーコードで簡単にショップに追加できるアプリです。月額$19のSTANDARDプランでは基本機能が利用可能で、上位プランでは追加機能やカスタマイズ性が選べ、よりパーソナライズされたeギフト機能を導入できます。
<アプリの追加はこちら>
Quick Order Printer
日本独自の領収書や納品書、請求書、見積書の出力・印刷が可能なアプリです。帳簿印刷に加え、配送用のCSVデータのダウンロード機能も提供されています。
<アプリの追加はこちら>
Ship&co
最古参のShopify事業者であるBento&coが開発したアプリで、各社の送り状を簡単に発行できます。BASEやeBayなどとの連携も可能で、異なるプラットフォームでショップを運営していても、Ship&coで一元管理ができます。
<アプリの追加はこちら>
配送日時指定.amp
Shopifyに配送日時指定機能を追加できるアプリです。ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便に加え、福山運輸と西濃運輸のフォーマットにも対応。さらに「置き配」にも対応しています。
<アプリの追加はこちら>
easyRates
日本郵便の料金や配送の設定が簡単に行えることを特徴としたアプリです。配送先住所と注文商品に基づき、常に最新の日本郵便国際配送サービスの配送料金を自動計算してくれます。
<アプリの追加はこちら>
4.Shopifyで配送ポリシーは設定すべき?
日本でECサイトを運営する場合、「特定商取引法に基づく表記」をサイト上に掲載する必要があります。これは特定商取引法で定められた義務なので、必ず該当するページを作らなければなりません。
ただし、そのページの中に「配送」にまつわる事項を含めれば、「配送ポリシー」を独自に準備する必要はありません。
なお、Shopifyには「特定商取引法に基づく表記」のテンプレートが用意されているので、それを利用すれば簡単に記述できます。手順は下記の通りです。
1.管理画面の「設定」をクリック
2.「ポリシー」をクリック
3.画面右側を最下部までスクロールすると「特定商取引法に基づく表記」の欄があるので、その中の「テンプレートから作成する」をクリック
4.内容を編集する
5.保存をクリック
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上記の手順で特定商取引法に基づく表記がチェックアウト画面のフッターに自動でリンクされます。あとは、ストアのフッターメニューにも特定商取引法に基づく表記を掲載すれば、対応は完了です。
5.まとめ
今回は、主に各種配送の設定方法をシーン別にご紹介しました。場合によっては多少手間のかかる作業となりますが、日々のShopify運営を効率的に行い、顧客のショッピングを向上させるためにも、できるだけ早期に設定を済ませておきたいところです。
Shopifyの配送は自由にカスタマイズできますが、同時に配送業務のオペレーションが複雑にならないようにすることも、業務効率化のカギと言えるでしょう。そこで役立つのがプラスシッピングという配送アプリ。送り状の発行や配送日時指定機能がついているほか、複数の送り元にも対応。さらに、個別運賃契約なしで配送業者の配送料を特別料金で利用できます。月額料金も無料で使えるので、配送業務のお困りごとを抱えている方は、ぜひ導入をご検討ください。
また、以上の設定をすべて外部のプロにお任せしたい場合は、Shopifyパートナーやエキスパートに頼むのも良いでしょう。こちらの記事ではShopifyパートナーについても解説しているのでぜひご覧ください。