Shopifyでオンラインストアを構築する際、「テーマ選びで迷っている」「無料と有料の違いがよく分からない」と感じていませんか?
テーマは、ストアのデザインや機能性を左右する重要な要素です。見た目の美しさだけでなく、ユーザー体験や売り上げにも大きく影響します。
本記事では、Shopifyテーマの基礎知識から、無料・有料テーマの違い、テーマ選びのポイント、導入・カスタマイズ・言語設定まで、初心者でも分かりやすく解説します。
目次
Shopifyテーマとは
Shopifyでテーマを選ぶときのポイント
購入率・リピート率を高めるアプリの機能
Shopifyおすすめテーマ5選【無料】
Shopifyおすすめテーマ8選【有料】
Shopifyテーマの設定方法
Shopifyテーマの変更方法
Shopifyのテーマに関するQ&A
Shopifyテーマとは
まず始めに、Shopifyテーマとは何か、その概要について紹介します。
Shopifyテーマの概要
Shopifyにおける「テーマ」とは、オンラインストア全体のデザインや操作性を決定付けるテンプレートを指します。
トップページや商品一覧、カート画面など、訪問者が目にする全てのページの見た目や使い勝手は、選択したテーマによって大きく左右されます。
Shopifyの公式テーマストアには、業種や目的に応じた多彩なデザインがそろっており、自社ブランドに合ったストアを手軽に構築できます。
2025年7月時点で、テーマストアには無料テーマが24種類、有料テーマが246種類公開されています。
無料テーマと有料テーマの違い
Shopifyのテーマには、「無料」と「有料」の2種類があります。それぞれにメリット・デメリットがあり、目的やストアの規模によって使い分けることが大切です。
無料テーマは、初期費用がかからない点が最大の魅力です。シンプルで使いやすく、必要最低限の機能がそろっています。これからストアを始める方や小規模なストアにおすすめです。
一方の有料テーマは、より洗練されたデザインと豊富な機能を備えています。カスタマイズ性が高く、テーマ提供元からのサポートを受けられる点が大きな利点です。商品点数が多いショップやブランドの世界観を重視するストアに適しています。
公式テーマとサードパーティ製テーマの違い
Shopifyのテーマは、公式テーマとサードパーティ製テーマの二種類に分かれます。公式テーマはShopifyが審査したもので、Shopify公式のテーマストアに掲載されており、品質や安全性が高く、最新機能への対応やサポートも充実しています。初心者や安定性を重視する店舗に適しています。
一方、サードパーティ製テーマは外部の開発者によって提供されており、デザインや機能に独自性があります。これらはShopify公式テーマストアではなく、ThemeForest(テーマフォレスト)のようなマーケットプレイスで公開されていることが一般的です。ただし、品質やサポート体制は提供元によって異なるため、導入時にはレビューや実績を十分に確認することが重要です。ニーズに応じて、信頼性と自由度のバランスを見極めて選びましょう。
Shopifyでテーマを選ぶときのポイント
Shopifyでテーマを選ぶときのポイントの主な観点は次のとおりです。
- ストアのコンセプトとターゲット
- 機能
- スマホ・日本語への対応
- カスタマイズ・拡張性
- 信頼できる提供元
それぞれを詳しく解説します。
ストアのコンセプトとターゲット
Shopifyのテーマは、ストアの目的や業種に応じて設計思想が異なります。ファッションや飲食、家具、雑貨など、それぞれの商品ジャンルに適したレイアウトやビジュアル構成が用意されています。
例えば、アパレル系ならモデル写真を大きく見せるスライダー付きのデザインが効果的で、食品関連ではストーリーページやレビュー機能を活用することでブランドの魅力を引き出せます。自社の商品や販売戦略にマッチしたテーマを選ぶことが、ブランディングと売り上げ向上の鍵です。
機能
テーマにどのような機能が搭載されているかも、選定の重要な基準です。
商品フィルターやクイック購入、FAQページ、レビュー投稿、スライダー、キャンペーンのカウントダウン表示、動画埋め込みといった機能は、商品や業種によって必要性が異なります。
また、商品数が多い店舗では、カテゴリー分けや絞り込み機能が不可欠です。自社にとって本当に必要な機能がそろっているかを見極めることが大切です。
スマホ・日本語への対応
現在のECサイト利用者の多くはスマートフォン経由でアクセスしています。そのため、スマホ表示で操作性に問題がないかは必ずチェックしましょう。
例えば、スマホでボタンが小さすぎたり、画像が崩れて表示されるテーマは離脱率が高い傾向があります。
また、日本語対応も見逃せません。無料テーマの多くは日本語対応していますが、有料テーマでは対応言語が限られている場合があるため、事前に確認が必要です。
カスタマイズ・拡張性
ストアの運営を続けていく中で、デザインやレイアウトを変更したくなる場面は少なくありません。そうした際に、カスタマイズ性の高いテーマであれば柔軟に対応できます。
独自のLPを作成したり、商品ページの構成を調整したりできるテーマは、プロモーション施策の幅を広げてくれます。
ただし、設定項目が多すぎるテーマは管理負荷が大きくなるため、社内のリソースと照らし合わせて選ぶと良いでしょう。
信頼できる提供元
最後に、テーマの提供元とサポート体制も確認しておきましょう。
Shopify公式テーマストアに掲載されているテーマは、Shopifyの審査を通過しており、品質やアップデートの面で安心感があります。
一方、ThemeForestのような外部マーケットプレイスでは、より独自性の高いテーマが多く見られますが、サポートやメンテナンスは開発元に依存します。
不具合が起きたときに迅速に対応してもらえるかどうか、レビューやサポート内容を事前にチェックしておくことが重要です。
購入率・リピート率を高めるアプリの機能
Shopifyテーマを選ぶ際は、販促活動に役立つ機能が備わっているかどうかを確認することが重要です。ここでは「購入率・リピート率を高めるアプリの機能」を、次の五つのカテゴリーに分けてご紹介します。
- 集客と再訪問を促す機能
- 商品発見と購入意欲を高める機能
- 客単価アップを促す機能
- 購入率を高めるUI・UX支援機能
- リピート購入と顧客育成を支援する機能
集客と再訪問を促す機能
Shopifyテーマには、サイトへのアクセス数や再訪問を促進するための機能が備わっています。
例えば、告知バナー(アナウンスメントバー)を活用すれば、新商品やセールの情報を目立つ位置に表示でき、訴求力が高まります。
また、Instagramの投稿を埋め込めるテーマであれば、SNSとの連動によってブランドの世界観を伝えやすくなり、ファンの再訪を促せます。
さらに、SEO対策に役立つ「パンくずリスト」やブログ機能など、検索流入に強い設計も重要なポイントです。
商品発見と購入意欲を高める機能
ユーザーが目的の商品にスムーズにたどり着き、購入を検討しやすくなるための機能もテーマ選定時の要素です。
フィルターや並び替え機能を使えば、価格帯やカテゴリーで絞り込みができ、検索性が向上します。
さらに、レビュー表示機能やFAQセクションの設置によって、ユーザーの疑問を解消しやすくし、購入意欲を高めます。
また、商品に「SALE」「NEW」などのラベルを自動表示できる機能は、視覚的な訴求にも効果的です。
客単価アップを促す機能
1人当たりの購入金額を増やすには、関連商品やセット販売を自然に提案できる機能が有効です。
例えば、商品詳細ページに「おすすめ商品」や「関連商品」を表示することで、「ついで買い」につなげられます。
さらに、プロモーションバナーやポップアップで「まとめ買い割引」などのオファーを提示すれば、ユーザーはよりお得感を感じ、客単価の向上が期待できます。
購入率を高めるUI・UX支援機能
スムーズな購買体験を提供するには、ユーザーインターフェースや操作性が洗練されていることが不可欠です。
多くのShopifyテーマはモバイルファーストで設計されており、スマートフォンでも直感的に使える工夫がされています。「今すぐ購入」ボタンや、ページをスクロールしても追従するカートボタンなど、迷わず購入に進める設計が施されているか確認しましょう。
また、クイックビュー機能を備えたテーマなら、詳細ページに遷移せずに情報確認ができ、離脱を防ぎます。
リピート購入と顧客育成を支援する機能
購入後のフォロー施策も売り上げの継続性を左右する重要なポイントです。
レビュー依頼ブロックや再購入ボタンを備えたテーマを使えば、顧客とのつながりを保ちやすいです。
また、Shopify Emailなどのアプリと連携しやすいテーマを選べば、ストアのデザインに合わせた統一感のあるフォローメールを送信でき、信頼感や満足度の向上につながります。LTV(顧客生涯価値)を意識したストア運営の基盤としても、テーマの機能性は見逃せません。
Shopifyおすすめテーマ5選【無料】
Shopifyの公式無料テーマの中で、特におすすめのテーマは次のとおりです。
- Dawn
- Savor
- Tinker
- Dwell
- Crave
それぞれのテーマの特徴を解説します。
Dawn

Dawnは、シンプルで美しいデザインと高い柔軟性を兼ね備えたShopify公式無料テーマです。
ファッションや雑貨、アート、ライフスタイル商品など、ビジュアル要素を重視するストアにおすすめです。また、設定がシンプルなため、初心者が最初に選ぶテーマとして非常に適しています。
基本機能は、大型のメディア表示が可能な商品ページや柔軟なセクション構成、シンプルで直感的なナビゲーション設計などです。特に画像や動画の配置自由度が高く、視覚的に魅力を伝えたいビジュアルストーリーテリングに対応している点が魅力です。
Savor

Savorは、感覚に訴える鮮やかなビジュアルが魅力のShopify公式無料テーマです。
食品やスイーツ、ドリンク、オーガニック製品など、素材やこだわりを伝えたい食関連のストアに特におすすめです。
基本機能としては、視覚的インパクトを重視したフルワイド画像表示と原材料や特徴を分かりやすく伝える柔軟な商品レイアウトが特徴です。
また、ストーリーテリングを意識したセクション構成や、モバイルに最適化された高速表示設計、直感的な操作を可能にするユーザー体験の工夫も充実しています。
Tinker

Tinkerは、見やすく整理されたデザインと、迷わず操作できるメニュー構成が魅力のShopify公式無料テーマです。
商品点数が多いストアやコンセプトを丁寧に伝えたい手作りの商品を取り扱うストアに適しています。
顧客がスムーズに商品を探せるよう設計されたカテゴリーナビゲーションや、整った製品グリッド、そしてユニークな「弁当スタイル」のコレクションカードが特徴です。
また、商品やブランドのストーリーを伝えるためのビデオブロックも豊富に用意されており、視覚的に魅力を伝えられます。
Dwell

Dwellは、ナチュラルで落ち着いた雰囲気と、丁寧に作り込まれたビジュアル設計が魅力のShopify公式無料テーマです。
ホームグッズやギフト、手作りの商品など「人の暖かさ」が伝わる商品を取り扱う商品に適しています。
基本機能としては、豊富な商品を美しく並べられるギャラリー表示と、目的の商品を見つけやすくする縦型フィルター機能が備わっています。
また、メガメニューやページをまたがずにコレクションへアクセスできる呼び出し機能も搭載しており、顧客の回遊性と発見を高める構造です。
Crave

Craveは、ポップで元気な印象を与える、遊び心あふれるデザインが特長のShopify公式無料テーマです。
スナックやドリンク、コスメ、雑貨などカジュアルで日常使いされるアイテムを扱うストアにおすすめです。特に、スマートフォン経由でのアクセスが多いストアに適しています。モバイルに最適化されたレイアウトにより、外出先からスムーズに購入可能です。
基本機能としては、モバイルフレンドリーな構成とダイナミックなチェックアウト導線、そしてビジュアルを自由にアレンジできる柔軟なカスタマイズ機能が備わっています。
デザイン初心者でも直感的にストアの世界観を表現できます。
Shopifyおすすめテーマ8選【有料】
Shopify公式の有料テーマの中から、おすすめの八つを紹介します。有料テーマは一度買い切りとなり、購入後は追加料金なしに永久に利用できます。
Local

Localは、飲食店や食品関連の実店舗とオンライン販売を両立するために設計されたテーマです。
店舗ロケーターや動的マップ、原材料アイコン、栄養情報など、業界特化の機能が充実しています。また、クロスセルやクイック購入、年齢制限ポップアップにも対応し、ユーザーの購買導線を強化できます。
料金は360ドルです。
Startup

Startupは、D2Cブランドや小規模ストア向けに開発されたテーマで、テクノロジーやトラベル、衣類、ホーム用品といった業種別スタイルが用意されています。
クイックビュー機能や高速セットアップが備わっており、技術知識がなくてもスムーズに導入可能です。モジュラーデザインと豊富なカスタマイズオプションにより、ブランド色を簡単に反映できます。
料金は100ドルです。
Impulse

Impulseは、ファッションやプレミアムブランドに適したモダンでミニマルなデザインが特徴です。
大型フルスクリーン画像や、パララックス効果、動画埋め込みなどビジュアル要素が豊富で、視覚的な訴求力があります。さらに、商品クイックビューやプロモーション機能のおかげで購買動線も最適化されています。
料金は400ドルです。
Prestige

Prestigeは、ラグジュアリーブランド向けに設計された高級感あふれるプレミアムテーマで、ハイレゾ画像やエディトリアルコンテンツの統合が可能です。
メガメニューやクイックオーダーリスト、カラースウォッチなど販促を強化する機能が備わっています。また、複数言語・通貨対応やアプリとの互換性も高く、成長するブランドに最適です。
料金は400ドルです。
Impact

Impactは、中〜大規模ストア向けに設計されたテーマで、ブランドストーリーやビジュアル重視の構成に優れています。
固定カートボタンや商品ホットスポット、クイック購入などコンバージョン重視の要素が多数組み込まれています。カスタマイズ性と機能性の面で投資価値が高いテーマです。
料金は400ドルです。
Symmetry

Symmetryは、大規模ストアや多品目展開のブランドに適した高機能テーマです。
豊富なドラッグ&ドロップ対応セクションや強力な商品フィルターにより、柔軟なレイアウト構成とスムーズな商品発見を実現します。ビジュアルストーリーテリングに特化した設計で、ルックブックや動画などの表現力にも優れています。洗練されたデザインと高度な機能性を兼ね備えた、バランスの取れたテーマです。
料金は380ドルです。
Be Yours

Be Yoursは、ファッション系ブランド向けのオールラウンダーなテーマで、シンプル・ミニマル路線から多機能構成まで幅広く対応します。
FAQページやカウントダウン、クロスセル、ポップアップなどマーケティング施策に便利な機能がそろっています。RoarTheme社の手厚いサポートも評価が高く、導入後も安心です。
料金は320ドルです。
Pipeline

Pipelineは、モジュラー設計によるストーリーテリング重視のミニマルテーマです。
マルチカラムメニューやクイックビュー、パララックススクロールなど機能面も充実しており、ブランド感と操作性の両立が可能です。最新バージョンでは画像バナーやホットスポットなどインタラクティブな演出セクションが追加され、柔軟性が高まっています。
料金は360ドルです。
Shopifyテーマの設定方法
Shopifyのテーマを設定する手順は次のとおりです。
1. 管理画面からテーマ設定画面にアクセスする
2. テーマを探す
3. テーマの詳細を確認して追加する
4. テーマを公開して適用する
それぞれの手順を解説します。
管理画面からテーマ設定画面にアクセスする

Shopifyの管理画面にログインしたら、左側メニューの「オンラインストア」→「テーマ」を選択します。ここから現在使用中のテーマや新しいテーマの設定画面にアクセスできます。
テーマを探す

「テーマライブラリ」内にある「テーマを探す」ボタンから、Shopifyテーマストアにアクセスできます。ここで無料・有料テーマを業種や機能などで絞り込んで検索できます。
テーマの詳細を確認して追加する

気になるテーマをクリックすると、デモ画面や対応機能、レビューなどの詳細が確認できます。問題なければ「テーマを試す」ボタンでライブラリにインストールします。
テーマを公開して適用する

追加したテーマは「テーマライブラリ」に保存されます。必要に応じてカスタマイズを行い、「メインテーマとして設定」をクリックすると、新しいテーマが公開されます。
Shopifyテーマの変更方法
Shopifyで使用中のテーマから別のテーマに変更する方法を紹介します。
管理画面内の「テーマ」から変更したいテーマを選択する

Shopifyのテーマを変更するには、まず管理画面にログインし、左側のメニューから「オンラインストア」→「テーマ」をクリックします。
「テーマ」ページでは、現在使用しているテーマが表示されます。新しいテーマに変更する場合は、「テーマストアにアクセス」から好みのテーマを選びます。
テーマを追加すると、「テーマライブラリ」に表示されます。変更したいテーマの「メインテーマとして設定」をクリックすれば、新しいテーマがストアに反映されます。
Shopifyテーマ変更時は特にモバイル対応に注意
Shopifyのテーマを変更する際は、いくつかの注意点があります。
まず、新しいテーマがモバイルフレンドリーであることを確認しましょう。モバイル対応が不十分だと、ユーザー体験やSEOに悪影響を及ぼす可能性があります。
また、商品ページやメニューの表示が見やすく使いやすいかも事前に確認が必要です。
さらに、Shopifyのテーマは多くが英語で提供されているため、必要に応じて日本語への翻訳や設定調整を行いましょう。
Shopifyのテーマに関するQ&A
最後に、Shopifyのテーマに関するよくある質問とその回答を紹介します。
Shopifyテーマはカスタマイズできるか
Shopifyのテーマは、テーマエディタを使ってレイアウトや色、フォント、画像などを自由にカスタマイズできます。
セクションやブロックを追加・編集することで、ブランドに合ったデザインに調整可能です。
さらに、HTML・CSS・Liquidの知識があればコード編集も行えます。カスタマイズ前には、必ずテーマを複製してバックアップを取ることがおすすめです。
Shopifyのテーマは言語変更できるか
Shopifyのテーマは言語の変更が可能です。管理画面の「設定」→「言語」から日本語などに切り替え可能です。特に、Shopify公式無料テーマは全て日本語の言語ファイルを備えており、簡単に日本語表示へ対応できます。
日本語ファイルが含まれていない場合は、翻訳アプリの利用や手動での日本語入力といった方法で対応が必要です。
無料テーマと有料テーマはどちらを選ぶべきか
無料テーマと有料テーマは、ストアの目的や規模に応じて選ぶことが基本です。
無料テーマは初期コストがかからず、日本語対応やモバイル最適化もされているため、初心者や小規模ストアに最適です。
一方、有料テーマはデザインや機能の自由度が高く、ブランドイメージを重視する中〜大規模ストア向けです。
まずは無料テーマから始め、必要に応じて有料テーマに切り替えることもおすすめです。