Shopifyで複数の配送業者を使いたいけど、どう設定すれば良いのか分からない…そんな悩みを抱えていませんか?
設定を誤ると送り状の発行が面倒になったり、送料負けで利益が出なくなる恐れがあるため注意が必要です。
本記事では、Shopifyと配送業者をスムーズに連携する方法をはじめ、業務効率化につながるおすすめアプリなどを分かりやすく解説します。
目次
Shopifyでの配送業者選びが重要な理由
Shopify配送業者の種類と特徴【日本】
Shopify配送業者の種類と特徴【海外】
Shopify配送業者の選び方のポイント
Shopifyおすすめ配送業者連携アプリ
Shopifyの配送業者に関するQ&A
Shopifyでの配送業者選びが重要な理由
Shopifyでストアを運営する上で、配送業者の選定が重要な理由は次のとおりです。
- カートの離脱を防げる
- リピーターを獲得しやすくなる
- 業務効率を向上できる
それぞれを解説します。
カートの離脱を防げる
配送料や配送日数は、購入意思決定の最終段階において大きな影響を及ぼす要素の一つです。Shopifyで配送業者を適切に選定することは、カート離脱の防止に寄与します。
たとえ商品自体に魅力があっても、送料が過度に高額であったり、配送に長期間を要したりする場合、購入を見送る顧客は少なくありません。
例えば、実際に購入したい商品より配送料が高ければ、価格の不均衡により購入を控える傾向が顕著に見られます。
リピーターを獲得しやすくなる
配送業者の品質は、顧客満足度の向上とリピート購入の促進に直結します。
配送の迅速性や正確性、梱包(こんぽう)状態の良好さなどは、顧客が受け取る際の体験に強い印象を与え、ストア全体の評価にも影響を及ぼします。
例えば、注文から2日で丁寧に商品が届いたストアと、5日後に破損した状態で届いたストアでは、次回以降の購入先として選ばれる可能性に大きな差が生じるのは明らかです。
業務効率を向上できる
適切な配送業者を選定することで、出荷業務全体の自動化と効率化を実現できます。
ShopifyとのAPI連携に対応した業者であれば、受注データの取得から配送ラベルの発行、さらには追跡番号の自動通知まで、複数の工程を一元管理できます。
連携アプリを活用することで、注文一覧のCSV出力や手入力作業が不要となり、作業工数の削減や人的ミスの予防に貢献します。
Shopify配送業者の種類と特徴【日本】
Shopifyで利用できる日本の主な配送業者は次のとおりです。
それぞれの特徴を詳しく解説します。
ヤマト運輸
ヤマト運輸は、日本全国に張り巡らされた配送網と高いサービス品質で広く支持されている大手宅配業者です。ネコポスやクール宅急便など、多彩な配送手段に対応しており、アパレル・雑貨・食品などを扱う中小規模のECストアに特に適しています。
Shopifyとの連携アプリを活用することで、注文情報を基に送り状を自動で発行したり、追跡番号を自動反映したりと、発送業務の効率化が図れます。
法人契約によって送料割引が適用されます。
佐川急便
佐川急便は、大型商品や重量物の輸送にも対応できる配送インフラを持ち、BtoB配送や大量出荷を前提としたストアに適しています。飛脚宅配便やラージサイズ便など多様な配送オプションを提供しています。
Shopifyとは直接のAPI連携はありませんが、注文データをCSV形式で出力し、佐川の送り状発行ソフトに取り込むことで運用が可能です。
契約内容によって送料の優遇が受けられます。
日本郵便
日本郵便は、全国の郵便局ネットワークを生かした信頼性の高い配送を提供する公共系業者です。ゆうパックの他、クリックポストやレターパックなどの小型便にも強みを持ち、コストを抑えた発送を希望するストアに適しています。
Shopifyとの直接連携はないものの、外部アプリを通じて送り状の発行や送料計算の自動化が可能です。
個人事業主および法人向けに、発送量に応じた料金割引制度が提供されています。
西濃運輸
西濃運輸は法人向け配送を得意とする物流会社で、カンガルー特急便やミニ便など多彩なサービスを展開しています。特にBtoB取引や大型商品、高頻度出荷のある事業者に向いています。
Shopifyとの直接連携機能はありませんが、CSV形式で注文データを出力し、西濃の送り状作成システムに取り込むことで運用が可能です。
契約内容に応じて送料の優遇が受けられます。
Shopify配送業者の種類と特徴【海外】
Shopifyで利用できる海外の主な配送業者は、次のとおりです。
それぞれの特徴を分かりやすく解説します。
DHL
DHLはドイツに本社を構える国際物流のリーディングカンパニーです。220以上の国と地域に配送網を持ち、スピードと通関処理能力に優れています。
世界規模で展開されるEコマースにおいて高い信頼性があり、越境ECを本格化させたい中〜大規模のストアや、ヨーロッパ圏への輸出比率が高いストアにおすすめです。また、化粧品やアパレル、精密機器などの確実な配送を求める商材にも適しています。
Shopifyとはアプリを通じて連携でき、送り状発行・追跡番号の自動反映・送料計算の自動化など業務効率化が可能です。
FedEx
FedExはアメリカに本社を置く世界的な配送業者です。航空ネットワークを生かした高速配送と、安定したトラッキング機能に定評があります。
アメリカを中心に海外展開をしているストアや納期厳守が重要な高単価商品を扱う事業者におすすめです。
Shopifyとはアプリを通じて連携でき、送り状の自動発行や送料の見積もり、追跡番号の反映ができる他、ビジネスアカウントを活用すれば料金面での優遇も受けられます。
EMS(国際スピード郵便)
EMSは日本郵便が提供する国際速達サービスです。比較的リーズナブルな料金で世界120以上の国と地域に対応しています。
越境ECをこれから始めたい小規模なストアや手軽に海外発送を試したい個人事業主におすすめです。特に雑貨や書籍、アクセサリーなど小型・軽量の商品の発送に適しています。
CSVデータを「ゆうプリR」などの外部ツールを取り込むことで送り状発行などの業務効率化が可能です。
Shopify配送業者の選び方のポイント
Shopifyで配送業者を選ぶときのポイントは、次のとおりです。
- 配送対象エリアを明確にする
- 送料負けを避ける
- 配送スピードと信頼性を重視する
それぞれを解説します。
配送対象エリアを明確にする
配送業者を選ぶ際は、まず自社の配送対象エリアを明確にし、それに適した業者を選定することが重要です。
配送エリアによって利用可能な業者や料金体系が異なるため、対象地域に合致しない業者を選ぶと、無駄なコストや配送遅延を招く可能性があります。
国内配送を主とするストアであれば、日本郵便やヤマト運輸、佐川急便といった国内大手業者が取り扱いやすく、コストパフォーマンスにも優れています。
一方、越境ECを展開する場合には、DHLやFedEx、EMSといった国際配送に強い業者を選ぶことで、信頼性の高い海外発送が実現できます。
送料負けを避ける
商品価格に対して送料が過剰にならないよう、配送コストとのバランスを重視して業者を選定することが不可欠です。
いわゆる「送料負け」が発生すると、販売を続けても利益が残らず、事業の持続性に悪影響を及ぼします。
特に低単価の商品や軽量の雑貨を扱うストアでは、送料が商品原価を上回るケースも見られ、配送手段の選定が利益率に直結します。
配送スピードと信頼性を重視する
配送スピードや信頼性を重視して、顧客満足度を高められる業者を選ぶことも重要です。配送日数や追跡機能の正確さ、再配達への対応、破損・紛失時の補償制度など、複数の観点から業者の対応力を評価しましょう。
たとえ商品が高品質であっても、配送が遅延したり商品が破損して届いたりするようでは、顧客の信頼を損なうリスクがあります。
特に高価格帯の商品やギフト用途の商品を扱うストアにおいては、配送品質がそのままブランドの評価に直結します。
Shopifyおすすめ配送業者連携アプリ
ShopifyではCSV、APIを活用し個別に配送業者と連携できますが、かなり手間がかかります。複数の主要配送業者を一元管理できる外部アプリを使うことが、最も効率的かつ現実的な選択肢です。
多くのアプリでは、送り状の自動発行や追跡番号の自動反映、送料計算、出荷通知の自動送信なども可能です。
Shopifyで利用できるおすすめの配送業者連携アプリは、次のとおりです。
- プラスシッピング(PR)
- 配送日時指定.amp
- Ship&co
- ShipStation
それぞれの特徴を分かりやすく解説します。
プラスシッピング(PR)

プラスシッピングは、Shopifyの管理画面上で送り状の発行から送料の支払いや発送完了通知までを完結できる配送業務効率化アプリです。低コストかつ高機能な配送体制を整えたいストアにおすすめです。
ヤマト運輸や日本郵便、佐川急便に対応しており、個別契約がなくてもShopifyユーザー限定の特別配送料を利用できます。注文情報と連携しており、最短3クリックで送り状を発行できます。また、配送日時指定や一括印刷、追跡番号の自動反映など出荷業務の自動化が可能です。
アプリは無料でインストールでき、サブスクリプション費用はかかりません。
配送日時指定.amp

配送日時指定.ampは、Shopifyストアに配送日時指定機能を追加するなど、顧客満足度と業務効率を向上させるアプリです。食品などの受け取りタイミングが重要な商品を扱うストアにおすすめです。
ヤマト運輸や佐川急便、日本郵便など、日本の主要配送業者に対応しており、ストアの休業日や締め時間の設定が可能です。また、商品タグやカート内商品の条件によって配送希望日を指定できないように設定できます。
料金プランには月額9.80ドルの「NORMALプラン」と月額19.80ドルの「ADVANCEDプラン」があります。いずれも14日間の無料体験が利用可能です。
Ship&co

Ship&coは、国内外の発送業務を効率化する出荷管理アプリです。複数のEC店舗や配送業者を一元管理したい事業者や越境ECを展開するストアにおすすめです。
ヤマト運輸や佐川急便、日本郵便、DHL、FedEx、UPSなど主要な配送業者に対応し、送り状やインボイスの発行、送料比較、追跡番号の自動同期などを一括で管理できます。注文データはリアルタイムで同期され、最短1〜2クリックで送り状の発行が可能です。
料金は発送件数に応じた月額定額制で、1,100円(税込)から利用可能です。14日間の無料体験が利用可能です。
ShipStation

ShipStationは、国内外の複数チャネルでの注文管理と配送業務を効率化する、クラウド型の出荷管理アプリです。AmazonやeBay、Etsyなど300以上の販売チャネルとの連携が可能で、越境ECを含む中〜大規模事業者に最適です。
UPSやUSPS、DHL Expressなど主要な配送業者に対応しており、割引料金で国内外の配送ラベルを発行できます。注文の自動同期や出荷の自動化、ラベルの一括印刷、追跡番号の自動反映、返品対応、関税書類の電子化など、多機能なワークフローでフルフィルメント業務を大幅に効率化できます。
料金プランは月額9.99ドルの「Starter」をはじめ、月額29.99ドルの「Growth」、月額99.99ドルの「Scale」、月額399.99ドルの「High-Volume」があります。全ての有料プランで30日間の無料体験が利用可能です。
Shopifyの配送業者に関するQ&A
最後に、Shopifyの配送業に関するよくある質問とその回答を紹介します。
Shopifyの標準機能だけで送り状は発行できるか
Shopifyの標準機能では、送り状の自動発行はできません。
送り状を作成するには、ヤマト運輸の「B2クラウド」や日本郵便の「ゆうプリR」などの外部ツールを使うか、Shopifyと連携可能なアプリを導入する必要があります。
出荷件数が少ない場合は外部ツールでも対応できますが、日常的な業務効率を考えると、連携アプリの活用がより現実的です。
複数の配送業者を同時に使うことはできるか
Shopifyでは複数の配送業者を同時に使えます。
ただし、Shopifyの標準機能では配送業者ごとの細かい条件設定はできません。そのため、実際にはShopifyと連携できる外部アプリを活用することが一般的です。
外部アプリを使えば、ヤマト運輸や佐川急便、日本郵便、DHL、FedExなど、国内外の複数業者の送り状を一元管理できる他、注文情報の自動取得や追跡番号の自動反映にも対応しています。
無料で使える配送連携アプリはあるか
無料で使える配送連携アプリは、いくつかあります。
例えば、前述した「プラスシッピング」は月額・初期費用共に無料です。ヤマト運輸や佐川急便、日本郵便に対応しています。送料のみが実費となり、コストを抑えながら配送業務を効率化したいストアに最適です。