Shopifyの「Shop Pay」ってよく見るけど、実際どういうもの?と疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
Shop Payは、Shopifyが提供するスムーズで安全な決済サービスです。購入者にとっては、情報の入力を省いてすばやく買い物ができ、事業者にとってはカゴ落ちを防ぎコンバージョンを高める大きな武器の一つです。
本記事では、Shop Payのメリットや導入方法などを詳しく解説します。
目次
Shop Payについて
Shop Payを導入するメリット【ストア】
Shop Payを導入するメリット【購入者】
Shop Payをストアが導入する方法
Shop Payを購入者が使う方法
Shop Payを導入するときの注意点
Shop Payの利用料金について
Shop Payに関するQ&A
Shop Payについて
まず、Shop Payの概要を説明します。
Shop Payとは
Shop Pay(ショップペイ)は、Shopifyに標準搭載されている公式のオンライン決済サービスです。
クレジットカードやデビットカードに対応しており、多様な支払い方法をスムーズに利用できます。
一度メールアドレスと電話番号を登録すれば、次回以降の購入時に住所やカード情報を入力する手間が省け、より簡単かつスピーディーに決済が完了します。
2017年のリリース以来(当時の名称はShopify Pay)、4,000万人以上がShopifyストアでShop Payを利用しており、利便性の高さから多くのユーザーに選ばれています。
Shopifyペイメントとの違い
似たものに「Shopifyペイメント」がありますが、Shop Payとは役割が異なります。両者の違いは次のとおりです。
- Shopifyペイメント:複数の決済方法をまとめて管理できる決済プラットフォーム
- Shop Pay:購入者の決済情報を保存し、支払いをスムーズにする決済サービス
Shopifyペイメントは、クレジットカード決済やApple Pay、Google Pay、Shop Payなどを一括で導入・管理できる公式の決済プラットフォームです。
一方、Shop Payはその中の一つの支払方法で、購入者が次回以降の支払いをより速く、簡単に完了できるようサポートするサービスです。Shopify以外の一部サイトでも利用できます。
Shop Payを導入するメリット【ストア】
Shop Payを導入することで、ストア側には次のようなメリットがあります。
- 導入コストがかからない
- カゴ落ちを防止できる
- 複数のプラットフォームで利用できる
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
導入コストがかからない
Shop Payは、追加費用なしで手軽に導入できる点が大きなメリットです。
初期費用や月額利用料は一切かからず、Shopifyストアに標準搭載されているため、余計なコストをかけずに利用できます。
また、Shopifyペイメントを有効化すれば、自動的にShop Payも利用可能となり、外部アプリのインストールや複雑な設定は不要です。
カゴ落ちを防止できる
Shop Payは、カゴ落ちの防止にも効果が期待できます。
Shop Payを導入すれば、購入者のクレジットカード情報や配送先を安全に保存し、次回以降の買い物をワンクリックで完了できます。
これにより、スマートフォンからの購入などで決済情報の入力を面倒に感じて離脱してしまうケースでも、スムーズに購入まで進めてもらえます。
複数のプラットフォームで利用できる
2025年6月現在、アメリカのみが対象ですが、Shop Payは外部サービスと連携できる点も大きなメリットです。
FacebookやInstagram、Googleなどを経由した販売に対応しており、Shopifyのオンラインストア以外のチャネルでも販路を拡大できます。そのため、さまざまな場面で購入者にアプローチの幅を広げやすいです。
今後、日本での提供開始にも期待が寄せられています。
Shop Payを導入するメリット【購入者】
Shop Payを利用する購入者側のメリットは次のとおりです。
- スピーディーな決済ができる
- セキュリティが高く、安心して使える
- 支払い方法を自由に選べる
それぞれを解説します。
スピーディーな決済ができる
Shop Payは、メールアドレスやカード情報、配送先などを一度保存すれば、次回以降の購入をワンクリックで完了できます。
これにより、チェックアウト処理が従来比で最大4倍速くなり、コンバージョン率も最大11%向上する傾向があります。
スピード感のある決済は、購入者のストレスを減らし、途中離脱の防止にもつながります。
出典:
セキュリティが高く、安心して使える
Shop Payは、セキュリティ面で安心して利用できる点が大きなメリットです。
カード情報や住所などの個人データは全て暗号化され、クレジットカード業界のセキュリティ基準(PCI DSS)を満たす安全なサーバーで管理されます。配送先情報や請求情報は、注文が発生したときにのみストアと共有される仕組みです。
さらに、パスキーや6桁のShop Payコードによる認証を採用しているため、不正利用や情報漏えいのリスクを最小限に抑えられます。
Shop Payをストアが導入する方法
ShopifyストアにShop Payを導入する手順は次のとおりです。
1. Shopifyペイメントを有効にする
2. 「Shop Pay」の項目にチェックを入れる
手順を詳しく解説します。
Shopifyペイメントを有効にする

Shop Payは、Shopifyペイメントを利用しているストアでのみ使用できます。
まず、Shopify管理画面の「設定」>「決済」からShopifyペイメントを設定しましょう。
銀行口座情報や事業情報を入力し、有効化を完了させてください。
「Shop Pay」の項目にチェックを入れる
Shopifyペイメントを有効化したら、設定画面を開きます。
設定画面を開いたら、「Shop Payを有効にする」というチェックボックスがあるため、チェックを入れましょう。
チェックを入れて保存すれば、購入者がShop Payを使ってスムーズに決済可能です。
Shop Payを購入者が使う方法
購入者がShopifyの決済方法としてShop Payを使う手順は次のとおりです。
1. Shop Payに登録する
2. 商品ページで「Shop Pay」ボタンを選択する
それぞれの手順を詳しく解説します。
Shop Payに登録する

購入者がShop Payを利用して決済するには、まずアカウント登録が必要です。
登録はShopアプリ、またはブラウザーの購入手続き画面から行えます。一度登録すれば、Shop Payに対応している全てのShopifyストアで自動的に情報が共有されます。
登録に必要なのは、メールアドレスや電話番号、名前、住所、クレジットカード情報です。なお、電話番号のみを登録した場合は、クレジットカード情報は保存されないため、購入のたびにカード情報の入力が必要です。
商品ページで「Shop Pay」ボタンを選択する
配送日時の指定がない場合は、わずか2ステップで購入できます。商品ページやカート画面に表示されている「Shop Pay」ボタンをクリックします。ボタンを選択すると、登録済みの名前、住所、カード情報などが自動で読み込まれ、注文確認画面に進みます。
なお、「Shop Pay」ボタンは、Shop Payが有効化されているShopifyストアにのみ表示されます。
配送日や時間帯の指定が必要な商品でも、Shop Payの決済フローはほとんど同じです。商品をカートに追加した後、通常の購入手続きと同じように希望日時を選択し、その後は登録済み情報が反映されたShop Pay画面で簡単に決済を完了できます。
Shop Payを導入するときの注意点
ShopifyにShop Payを導入する際の主な注意点は次のとおりです。
- 対応国を確認する
- 決済方法とターゲットに合わせて運用設計を考える
- デザインの一貫性を保つ
それぞれを詳しく説明します。
対応国を確認する
Shop Payを導入するには、自社の拠点が対応国にあることが前提条件です。
Shopifyは現在、Shop Payを利用できる国を22カ国に限定しており、その国に拠点がないと利用できません。日本は対応国に含まれているため、国内での導入に問題はありません。
ただし、今後拠点を海外に移す予定がある場合には、Shop Payが利用できなくなる場合があるため、注意が必要です。
決済方法とターゲットに合わせて運用設計を考える
Shop Payを導入する前に、自社ストアで提供したい決済方法の種類と、想定するターゲット層の購買傾向を明確にしておくことが大切です。
Shopifyは、エクスプレスチェックアウト機能によって、購入者がよく利用する決済手段(Shop Pay・Apple Pay・Google Payなど)が自動的に画面上に表示されます。
そのため、「Apple Payをメインに使ってほしい」といった明確な意図がある場合は、表示順や導線の設計、ボタンの配置、使用デバイスの傾向を事前に考慮しましょう。
デザインの一貫性を保つ
Shop Payを導入する際は、ブランド全体のデザインとの統一感も重視すべきです。
Shop PayはShopify標準のチェックアウト画面を使用するため、ストア独自のトーンやデザインと雰囲気が異なる場合があります。特に、高価格帯の商品や世界観を重視するD2Cブランドにとっては、体験の一貫性が購買意欲に影響するケースも少なくありません。
導入前にチェックアウト画面のデザインや導線を確認し、必要に応じてUIを調整しましょう。
Shop Payの利用料金について
Shop Payの初期費用や月額料金は無料です。
ただし、決済を行う際には、Shopifyペイメントの決済手数料が発生します。決済手数料は、Shopifyの料金プランに応じて異なります。
|
Basic |
Grow |
Advanced |
Plus |
国内カード |
3.55% |
3.4% |
3.25% |
2.9% |
国際カード |
3.9% |
3.85% |
3.8% |
3.75% |
具体的な決済手数料や支払い方法ごとの料金は、Shopify管理画面の「設定」>「Shopifyペイメント」から確認できます。利用するプランや決済方法によって料率が異なるため、導入前に自ストアの料金設定を必ず確認しましょう。
Shop Payに関するQ&A
最後に、Shop Payに関するよくある質問とその回答を紹介します。
Shop Payを登録した覚えがない場合の対処法はどうすべきか
Shop Payは、Shopifyストアでの購入時に登録を促す画面が自動で表示される仕組みです。購入手続きの際に、メールアドレスや電話番号を入力すると、そのまま登録につながる場合があります。
特に初回購入時に「次回の決済を簡単にする」といった案内やSMS認証が表示され、それに同意すると自動的にShop Payに情報が保存されます。そのため、「登録した覚えがない」と感じる方の多くは、購入時に意識せず登録しているケースがほとんどです。
もし第三者による不正利用が疑われる場合は、すぐにShopifyサポートへ問い合わせて確認してください。
Shop Payでコンビニ払いはできるか
Shop Payはコンビニ払いに対応していません。
Shop Payは、クレジットカードやデビットカードに特化したサービスです。
コンビニ払いをご希望の場合は、KOMOJU(コモジュ)などの外部の決済サービスを導入する必要があります。
Shop Payのアカウントを削除するにはどうすべきか
Shop Payの登録情報は、アカウント設定から簡単に削除できます。
Shop Payの管理ページにログインし、「アカウントの設定」を選択したら、「アカウントの削除」を選択します。
アカウントを削除すると全ての情報が消えてしまうため、注意しましょう。