Shopifyでオンラインストアを運営していると、出荷作業に手間やミスが発生し「もっと効率的に配送処理を行いたい」と感じることはありませんか?
配送ラベル機能を活用すれば、注文情報からワンクリックでラベルを発行し、配送業者への連携や追跡番号の通知まで自動化できます。国内外への発送にも対応できるアプリが豊富にそろっており、業務負担の軽減と顧客満足度の向上が期待できます。
本記事では、Shopifyにおける配送ラベルの基本から、作成方法、便利なおすすめアプリ、導入手順、運用時の注意点までを詳しく解説します。
目次
Shopifyの配送ラベルとは
配送ラベルが必要な理由
Shopifyで配送ラベルを作成する方法
Shopifyのおすすめ配送ラベルアプリ
Shopifyで配送ラベルを作成する際の注意点
Shopifyの配送ラベルに関するQ&A
Shopifyの配送ラベルとは
まず最初に、Shopifyにおける配送ラベルの基本情報を紹介します。
配送ラベルの定義
配送ラベルとは、商品の梱包(こんぽう)箱に貼付する「配送情報が記載されたラベル」のことです。
宛先や差出人情報、配送会社のバーコード・配送種別などが印字されており、配送会社が荷物を正確に仕分け・追跡するために使用されます。
ラベルの形式は配送会社によって異なりますが、基本的な構成要素は共通しています。配送ラベルを印刷して使用することで、手書きによる記入ミスや配送遅延を防止できます。
配送ラベルと送り状の違い
送り状とは、荷物の配送時に貼付される伝票であり、配送先住所や差出人情報、配送内容などが記載された書類を指します。
一般に「送り状」は配送ラベルより広い意味を持ち、配送ラベルを含めた出荷に関する書類全般をまとめて「送り状」と呼ぶケースも少なくありません。
そのため、Shopifyにおいて「送り状を印刷する」という操作は、実質的に「配送ラベルの印刷」と同義であると捉えて問題ないでしょう。
ただし、使用するアプリや配送業者によって用語の使い方に違いがある場合があるため、自社の配送フローに応じて適切に理解・運用することが大切です。
配送ラベルが必要な理由
配送ラベルが必要とされる主な理由は次のとおりです。
- 宛先ミス・誤配送を防ぐ
- 追跡番号により配送状況が可視化できる
- 大量発送時の業務負担を軽減できる
それぞれを解説します。
宛先ミス・誤配送を防ぐ
配送ラベルには、宛先の氏名や住所、電話番号などの情報が正確に印字されるため、手書き伝票に比べて記載ミスが起こりにくい点が大きなメリットです。
また、ラベルに印字されたバーコードやQRコードは、配送業者の端末で読み取られ、荷物の自動仕分けや配送ルートの最適化に活用されます。
追跡番号により配送状況が可視化できる
多くの配送ラベルには「追跡番号」が付与されており、これを活用することで発送から配達までの進捗(しんちょく)状況をリアルタイムで確認できます。
顧客にとっても、商品の現在地が把握できることは大きな安心材料です。特に高額商品や日時指定のある配送では、こうした可視化が信頼性の向上につながります。
さらに、万が一配送に遅れやトラブルが発生した際は追跡情報を基に迅速に状況を把握・対応できるため、問い合わせ対応の効率化にも役立ちます。
大量発送時の業務負担を軽減できる
1日に複数件の注文を処理する店舗にとって、手書きや手動入力による配送情報の記載は大きな負担です。
配送ラベルを活用すれば、注文情報を基にラベルを一括作成・印刷できるため、作業時間を大幅に短縮できます。
さらに、Shopifyでは専用アプリと連携することで、送り状の自動発行やプリンターとの接続もスムーズに行えます。
Shopifyで配送ラベルを作成する方法
Shopifyで配送ラベルを作成する主な方法は次のとおりです。
- 日本では標準機能はない
- 手書きで作成する
- テンプレートやラベル印刷ソフトを使う
- 配送業者の公式ツールを利用する
- アプリを使って自動作成する
それぞれの方法について解説します。
日本では標準機能はない
Shopifyには、受注データを基に配送ラベル(Shipping Label)を作成・印刷できる標準機能が搭載されています。ただし、この標準機能は日本では利用できません。
外部アプリの活用が前提となり、ヤマト運輸や佐川急便、日本郵便などの配送業者と連携して配送ラベルを作成する必要があります。
手書きで作成する
配送ラベルを作成する最もシンプルな方法は、宛名や住所を手書きで記入する方法です。荷物に直接書くか、ラベル用紙に手書きして貼付します。
取引件数が少ない場合は手軽に利用できますが、記載ミスが起こりやすく、誤配送や配達遅延などのトラブルにつながるリスクがあります。
また、バーコードや追跡番号を印字できないため、配送状況の可視化や業務効率化が図れない点も難点です。
テンプレートやラベル印刷ソフトを使う
配送ラベルを作成する方法として、テンプレートや専用ソフトを使う方法もあります。
ExcelやWordのテンプレートや「ラベル屋さん」などの作成ソフトを活用すれば、宛先や差出人情報を入力してラベル用紙に印刷できます。
手書きに比べて視認性が高く、見た目が整ったラベルを簡単に作成できる点が利点です。
この方法は、小規模なショップや副業レベルの運営には手軽で便利ですが、ShopifyなどのECプラットフォームと自動連携できない場合、毎回宛先情報を手入力する必要があります。
受注件数が増えると、入力ミスや作業の手間が大きくなるため、一定の発送量を超える場合には、自動化アプリの導入を検討するべきでしょう。
配送業者の公式ツールを利用する
配送ラベルを作成する手段として、各配送業者が提供する公式ツールを利用する方法もあります。
例えば、ヤマト運輸の「B2クラウド」や佐川急便の「e飛伝」、日本郵便の「ゆうプリR」などが代表的です。これらのツールは無料または低価格で提供されており、業務用として広く利用されています。
これらのツールでは、CSV形式でまとめた注文データを取り込むことで、配送ラベルを一括発行できる点が大きなメリットです。追跡番号やバーコードの自動印字にも対応しており、手作業によるミスを防ぎつつ、出荷業務の効率化を図れます。
Shopifyから出力した注文情報と各ツールとのフォーマット整合が必要ですが、中〜大規模の発送業務には非常に有効な方法です。
アプリを使って自動作成する
Shopifyと連携可能な専用アプリを活用し、配送ラベルを自動で作成する方法もあります。
受注情報を基にワンクリックで配送ラベルを発行でき、ヤマト運輸や佐川急便、日本郵便などの主要配送業者とAPI経由で直接連携可能です。そのため、従来のCSV出力や手動入力は基本的に不要となり、作業の手間を大幅に削減できます。
日常的に大量の発送業務を行うEC事業者にとって、業務の自動化と人的コストの最適化を実現できる、非常に効率的かつ実用的な手段といえるでしょう。
Shopifyのおすすめ配送ラベルアプリ
Shopifyで利用できる主な配送ラベルアプリは次のとおりです。
- プラスシッピング(PR)
- Ship&co
- Japan Order CSV
- easyLabel
- 配送マネージャー
それぞれの特徴を詳しく解説します。
プラスシッピング(PR)

プラスシッピングは、三井物産が開発したShopify専用の配送ラベル発行・管理アプリです。
Shopifyの管理画面と完全連携し、ヤマト運輸や日本郵便、佐川急便の送り状を最短3クリックで発行可能です。
このアプリの特徴は、月額利用料が無料であることと、配送会社との個別契約が不要である点です。アプリユーザー限定で提供される特別配送料金により、配送コストの削減が期待できます。
また、送り状の一括発行や配送日時指定機能、冷蔵・冷凍商品の対応など、EC事業者のニーズに応じた機能が充実しています。
配送業務の工数削減やコスト削減を目指すShopifyユーザーにとって、大変価値の高いアプリです。
Ship&co

Ship&coは、EC事業者向けのクラウド型配送ラベル発行・出荷管理ができるアプリです。
ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便に加え、DHL、FedEx、UPSなど国内外の主要配送業者とAPI連携が可能で、Shopifyをはじめ、AmazonやeBayなど複数のECプラットフォームともリアルタイムで注文情報を同期できます。
配送ラベルやインボイスの作成、追跡番号の自動反映、発送通知の自動送信といった一連の出荷業務を自動化でき、出荷作業時間を最大90%も削減可能です。
料金は月額1,100円(税込)からの定額制で、14日間の無料トライアルが利用可能です。
Japan Order CSV

Japan Order CSVは、Shopifyの注文情報をヤマト運輸(B2クラウド)、佐川急便(e-飛伝)、日本郵便、エコ配などの配送業者向けCSVに変換し、ワンクリックで出力できるアプリです。
Shift-JIS形式で文字化けせず、名姓の順序調整や都道府県名の整形にも対応しています。代引・クール便・配送日時の指定や送り状番号の自動反映、タグ出力制御、定期エクスポートなど、国内配送に特化した便利な機能を備えています。
無料の「Ecosystemプラン」と、最大2,500件の一括出力やカスタムフォーマット対応が可能な月額29.99ドルの「Complete Plan」があります。有料プランでは30日間の無料体験が利用可能です。
easyLabel

easyLabelは、日本郵便の国際配送サービスに対応した配送ラベル作成アプリです。Shopifyの管理画面内で操作が完結し、注文履歴から配送方法を選ぶだけで簡単にラベルを発行できます。
商品名やHSコード、注文数、価格、配送重量などを画面上で編集可能です。ラベルの分割作成やフルフィルメント処理、保険オプションの適用にも対応しています。
また、関連アプリ「easyRates」と連携すれば、顧客が選んだ配送方法を自動反映でき、出荷作業を効率化できます。
料金は月額14.90ドル(100ラベルまで)の「ライト」と、39.90ドル(300ラベルまで)の「ベーシック」、69.90ドル(無制限)の「プラス」の3プランがあり、7日間の無料体験が利用可能です。
配送マネージャー

配送マネージャーは、Shopifyの注文データを基に、ヤマト運輸や佐川急便、日本郵便の送り状CSVを出力できるアプリです。ネコポスやクリックポストにも対応しており、国内配送業務に幅広く活用できます。
追跡番号の一括取り込みと自動通知、配送日時の指定、営業日カレンダーの設定など、実務に直結する機能が充実しています。さらに、出力条件に応じたラベル出力ルールの作成や、注文一覧のフィルター機能も備えています。
月額9.90ドルで利用でき、30日間の無料体験が利用できます。
Shopifyで配送ラベルを作成する際の注意点
配送ラベル作成時に注意すべき点は次のとおりです。
- 宛先情報の確認を怠らない
- プリンター設定と用紙のズレに注意する
- 追跡番号の反映と顧客通知の確認する
それぞれを解説します。
宛先情報の確認を怠らない
配送ラベル印刷前に、宛先情報に誤りがないか必ず確認しましょう。
顧客側の入力ミスにより住所や郵便番号に不備があるケースは少なくありません。番地の抜けやマンション名の未記入、英数字の全角・半角ミスなどが原因で、配送不能や遅延が発生することがあります。
発送前には、住所・氏名・電話番号に誤りや抜けがないかを目視で確認し、不明点があれば顧客に確認を取るようにしましょう。
プリンター設定と用紙のズレに注意する
印刷前にレイアウトや余白設定を確認し、テスト印刷を行いましょう。
配送ラベルの印刷時、レイアウトのズレによりバーコードが切れたり宛名が見切れるなどの印刷ミスが発生することがあります。これが原因で、配送業者がバーコードを読み取れず荷物が返送されるケースもあります。
特にA-oneなどの専用ラベル用紙を使用する場合は、用紙サイズや余白設定を事前に確認し、必ずテスト印刷を行ってから本番印刷に進みましょう。
追跡番号の反映と顧客通知の確認する
配送ラベル発行後は、追跡番号が正しく反映・通知されているかを必ず確認しましょう。
追跡情報が未反映の場合、購入者が配送状況を確認できず、不安や問い合わせにつながる可能性があります。
多くの配送ラベルアプリは、追跡番号の自動反映やメール通知機能を備えていますが、設定ミスや通信エラーによって正常に連携されないケースもあります。実運用前にテスト注文で一連の流れを確認し、通知が正しく送信されるか、注文ステータスが「発送済み」になっているかをチェックしておきましょう。
Shopifyの配送ラベルに関するQ&A
最後に、Shopifyの配送ラベルに関するよくある質問とその回答を紹介します。
Shopify標準機能の配送ラベルの種類を知りたい
Shopifyの標準機能では、配送ラベルは「標準配送(7〜10日)」「優先配送(2〜3日)」「翌日配送(1営業日以内)」など、配達スピード別に複数の種類が用意されています。
また、ラベルごとに追跡番号の付与や配送保険の追加、署名確認や年齢確認などのオプションを選択可能です。
配送ラベルはどのタイミングで発行すれば良いか
注文の支払いが完了し、商品が発送可能な状態になったタイミングで配送ラベルを発行することが基本です。
Shopifyでは、支払いステータスを基に「支払い済み」の注文だけをフィルターで抽出し、一括でラベルを発行できます。
誤発送を防ぐために、配送ラベル発行前に必ず、商品と注文内容が正しく一致しているか、在庫が確保されているかなどを事前に確認しましょう。
海外配送にも同じ配送ラベルが使えるか
Ship&coなど一部の配送ラベルアプリは、国際配送にも対応しています。
ただし、海外配送では配送ラベルに加えてインボイス(税関申告書)の作成が必須になるケースが多く、商品名・価格・数量・重量・HSコード(関税分類番号)などの詳細情報が求められます。
使用する配送業者(日本郵便、DHL、FedExなど)の国際配送ルールを事前に確認し、必要書類の準備を整えてから出荷しましょう。