Shopifyパートナーとは、Shopify公式のパートナープログラムに参加し、ストア構築やデザイン、アプリ開発、マーケティング支援など、Shopifyに関わる幅広いサービスを提供する専門家・企業のことです。
本記事では、Shopifyパートナーの仕組みや種類、ランク制度、具体的なメリット、著名な国内パートナーの紹介、さらには禁止事項まで、これからパートナー活用や登録を検討している方に向けて、分かりやすく解説します。
目次
Shopifyパートナーとは
Shopifyパートナーを活用するメリット
Shopifyパートナーのトラック(種類)
Shopifyパートナーのランク
著名な国内のShopifyパートナー
Shopifyパートナーになるメリット・できること
Shopifyパートナーになる方法
Shopifyパートナーの禁止事項
Shopifyパートナーに関するQ&A
Shopifyパートナーとは
Shopifyパートナーとは、Shopifyの公式パートナープログラムに参加し、Shopify関連のサービスやソリューションを提供する個人・企業のことです。ストア構築やデザイン、アプリ開発、マーケティング支援、越境ECサポートなど、Shopifyを活用したビジネスを総合的に支援するプロフェッショナル集団といえます。
以前のShopifyパートナープログラムでは「Shopifyエキスパート」と呼ばれる制度が存在し、優れたパートナーを認定する形がとられていましたが、この制度は2023年に終了しています。また、従来あった「パートナーランク」も見直され、現在はより明確なトラック制(サービストラック・テクノロジートラック)と階層制度が導入されています。
現在の制度では、パートナーはサービス内容に応じて「サービストラック(ストア構築・運用支援など)」または「テクノロジートラック(アプリ・統合開発)」に分類され、それぞれに階層(選択・プラス・プレミア・プラチナ)が設けられています。特にテクノロジートラックは招待制であり、実績や技術力、マーケットへの影響力が評価基準です。
Shopifyパートナーを活用するメリット
Shopifyパートナーを上手に活用することで、ショップ運営の質や効率が大きく向上します。Shopifyパートナーを活用するメリットは、次のとおりです。
- 専門知識と最新ノウハウが得られる
- ショップ構築・運用が圧倒的に効率化できる
- 売り上げアップや集客施策を強化できる
- 越境ECや特殊なニーズにも対応できる
- Shopify公式の信頼性と安心感が得られる
それぞれ重要なメリットを分かりやすくご紹介します。
専門知識と最新ノウハウが得られる
Shopifyパートナーは、Shopifyの仕組みや仕様を深く理解しているだけでなく、日々の運用を通じて最新の技術やトレンドを把握しています。自社だけでは見落としがちな重要な情報も、パートナーを通じて的確にキャッチアップできます。
特に、ストア構築やデザイン、アプリ導入、越境EC対応といった専門領域では、プロの知識を活用することで、無駄のない高品質なストア構築が実現できます。
ショップ構築・運用が圧倒的に効率化できる
Shopifyでのストア構築は、デザインカスタマイズ、アプリ選定、配送設定など、多岐にわたる工程が伴います。これらをShopifyパートナーが代行・支援することで、立ち上げまでの時間を短縮でき、担当者の負担を大幅に軽減できます。
特に初めてShopifyを導入する企業や、短期間での公開を目指す場合には、Shopifyパートナーの支援により、作業の漏れやミスを防ぎながら、スムーズな立ち上げが可能です。限られた社内リソースをコア業務に集中させる上でも、有効な手段です。
売り上げアップや集客施策を強化できる
Shopifyパートナーの中には、SEO対策、SNS運用、広告運用、メールマーケティングなど、販促領域に特化したプロが多数在籍しています。自社のみでは実行が難しい戦略的な施策も、専門的な知見に基づいたサポートによって、効果的に展開できます。
売り上げアップに直結する広告の最適化やリピーター獲得施策、ターゲット層に応じたメディア戦略など、ビジネスの成長段階に応じた施策を実行する上で、パートナーの存在は非常に心強い味方です。
越境ECや特殊なニーズにも対応できる
Shopifyは柔軟性の高いプラットフォームですが、標準機能だけでは対応が難しいケースも少なくありません。Shopifyパートナーは、BtoB販売、定期購入、複雑な在庫管理、API連携など、独自要件に対応したソリューションを提案できます。
また、越境ECに強みを持つパートナーであれば、言語、通貨、決済、配送の各種設定に加え、各国の商習慣や法規制にも配慮した構築・運用が可能です。
Shopify公式の信頼性と安心感が得られる
Shopifyパートナーは、Shopify公式のパートナープログラムに登録し、基準をクリアした事業者だけが名乗れる制度です。実績やスキルに応じたランク制度もあるため、信頼性の高いパートナーを見極めやすい点が特徴です。
Shopifyの公式パートナーを活用することで、サービス品質やサポート体制の安心感が得られ、トラブル時にも適切な対応が期待できます。
Shopifyパートナーのトラック(種類)
パートナープログラムは大きく分けて、次の二つのトラックに分かれています。
それぞれのトラックを解説します。
サービスパートナー
サービスパートナーは、エージェンシーや、コンサルタント、システムインテグレーターなどが対象の公開プログラムです。
主に、Shopifyストアの構築支援や、デザイン、カスタマイズ、マーケティング、越境ECサポートなど、ショップ運営を総合的にサポートする事業者が参加しています。
テクノロジーパートナー
テクノロジーパートナー(技術パートナー)は、Shopify向けアプリの開発・提供を行う、独立系ソフトウエアベンダーやアプリ開発企業を対象とした、招待制のプログラムです。
Shopifyアプリストアで提供されている多くの便利な機能や拡張機能は、この技術パートナーが開発しています。
Shopifyパートナーのランク
前述したサービスパートナーには四つの、テクノロジーパートナーには三つのランクが設けられています。ここではランクについて解説します。
サービスパートナーの4ランク

サービスパートナーは、次の4段階のレベルが設定されています。
- 選択:中小規模店舗への支援実績があるパートナー
- プラス:Shopify Plus 対応店舗への導入・支援実績があるパートナー
- プレミア:高パフォーマンス・大規模店舗への支援実績を持つパートナー
- プラチナ:Shopifyから高く評価される、グローバル規模のパートナー
新規登録パートナーは「Registered(登録済み)」です。登録済みレベルは、Shopifyパートナープログラムに参加した時点で誰でも属するベースラインの階層です。そこから商業的成果や資格取得状況に応じて「Select」→「Plus」→「Premier」→「Platinum」へ昇格します。
テクノロジーパートナーの3ランク

テクノロジーパートナーは、次の3段階のレベルが設定されています。
同じく、新規登録パートナーは「Registered(登録済み)」からスタートします。テクノロジーパートナーのランクは「Plus」と「Premier」、「Platinum」の3階層構造です。
上位ステータスは、Shopifyからの招待制となり、マーケットへの影響力や商業インパクト、技術統合の実績などが評価の対象です。
著名な国内のShopifyパートナー
著名な国内のShopifyパートナーは、次のとおりです。Shopify公式のパートナーディレクトリにて確認できます。
- アートトレーディング株式会社
- 世界へボカン株式会社
- 株式会社R6B
- 株式会社ウェブライフ
- 株式会社ハックルベリー
- トランスコスモス株式会社
- コマースメディア株式会社
7社それぞれの特徴を紹介します。
アートトレーディング株式会社

ShopifyでのECサイト構築を考えているなら、アートトレーディング株式会社がおすすめです。
同社の最大の強みは、ECサイトの新規構築だけでなく、その後の運営、物流、カスタマーサポートまでを一貫してサポートできるワンストップ体制にあります。
EC事業はサイトを作るだけでは成功しません。商品登録、決済設定、顧客対応、発送など、運営に関わる多くの業務があり、これらを別々に外注すると手間もコストもかかります。
アートトレーディングではこれらすべてを一括して対応できるため、事業者は本来注力すべき商品や戦略に集中できます。
また、15年以上にわたる経験と200社以上の支援実績に基づき、各企業の課題に合わせた経営視点での提案が可能。単なる構築業者ではなく、「一緒に売れる仕組みをつくる伴走型パートナー」として、多くの企業から支持を集めています。
世界へボカン株式会社

世界へボカン株式会社は、日本でも有数の越境ECのスペシャリストとして、中小企業から大企業まで多くの日本企業の海外進出を支援しています。
海外のマーケティングやSEO事情に詳しいマーケターが数多く在籍しており、クライアントのニーズに合った施策を実行できることで知られています。
Shopifyのマーケティングエキスパートとして、Shopifyの日本進出以降、越境ECの最前線で活躍しています。
株式会社R6B

株式会社R6Bは、475サイト以上の構築実績を誇る、日本最大級のShopify専業エージェンシーです。
サイト設計から、UI/UXデザイン、フロント・バックエンド開発、アプリ開発、運用支援までをワンストップで提供しており、Shopify Plusを活用した大規模構築にも対応しています。
2020年にShopify Expertsに認定されて以降、「Shopify Best Agency Partner of the Year Japan」を3度受賞しています。さらに2025年には、日本初かつ唯一の「Shopify Platinum Partner」および「Klaviyo Platinum Advisor」に認定されました。
株式会社ウェブライフ

株式会社ウェブライフは、2016年からShopify構築事業を開始し、2021年にはShopify Plus Partner of the Yearを受賞した実績あるパートナー企業です。多岐にわたる有名ブランドのShopifyサイトを手がけています。
独自開発のShopifyアプリ「BiNDec」を軸に、EC構築から運用、成長支援までワンストップで提供しています。累計で350店舗以上の実績があり、スピーディな導入と保守コストの最適化が強みです。
株式会社ハックルベリー

株式会社ハックルベリーは、Shopify公式アプリ「定期購買アプリ」などを開発する、日本の代表的なテクノロジーパートナーです。
日本市場に合ったアプリや機能拡張を手がけ、ストア運営の利便性を高めるソリューションを提供しています。
また、アプリ開発だけでなく、Shopify構築やECコンサルティングも行っており、日本のEC事業者の課題を実務レベルで理解したきめ細かなサポートが魅力です。
トランスコスモス株式会社

トランスコスモス株式会社は、Shopifyを活用したECサイト構築から運用、集客、カスタマーサポートまでを包括的に支援する総合ECパートナーです。
大手企業を中心とした豊富な導入実績があり、戦略立案からサイト開発、フルフィルメント、CRM運用、越境EC対応までワンストップで提供しています。
Shopify公式パートナーとして認定されており、自社でのShopifyアプリ開発も手がけるなど、高度な技術力と運用ノウハウを強みに持っています。BPOやデジタルマーケティング領域での長年の実績を生かし、ECビジネスの成長を多角的にサポートしています。
コマースメディア株式会社

コマースメディア株式会社は、Shopifyを活用したEC構築を専門とする国内Shopifyパートナー企業です。
自社での豊富な構築・運用経験を基に、EC戦略立案、サイト設計、開発、マーケティング支援までを一貫して提供しています。
Shopify公式パートナーとして認定されており、中小規模から大規模事業者まで幅広く対応しています。特に、BtoC向けD2Cブランドやメーカー直販の構築支援に強みを持ち、事業成長を見据えたEC構築・運用支援を行っています。
Shopifyパートナーになるメリット・できること
Shopifyパートナーになることで、単なるストア運営だけではなく、Shopifyに関連するビジネスを幅広く展開するチャンスが得られます。
Shopifyパートナーになるメリットは、次のとおりです。
- Shopifyから収益が得られる
- 実績に応じたランク認定・信頼を獲得できる
- アプリやテーマの開発にAPIを利用できる
- Shopifyパートナー専用の管理画面を利用できる
- Shopify公式リソースやサポートを活用できる
それぞれを詳しく解説します。
Shopifyから収益が得られる
Shopifyパートナーになると、ストア構築や、アプリ・テーマ開発、Shopifyの紹介などを通じて、Shopifyから正式な報酬を受け取れます。
特に、開発ストア経由で有料プランへ移行したストアに対しては、継続的な紹介報酬(収益シェア)が発生します。これにより、単発の案件にとどまらず、ストック型の収益モデルを構築できます。
実績に応じたランク認定・信頼を獲得できる
Shopifyパートナーになると、実績やスキルに応じた公式のランク認定を受けられます。上位ランクになるほどShopify公式からの信頼度が高まり、顧客や企業からの安心感や評価にもつながります。
また、認定ロゴを自社サイトや営業資料に掲載できるため、公認パートナーであることを視覚的に訴求でき、ビジネスチャンスの拡大にも寄与します。
アプリやテーマの開発にAPIを利用できる
Shopifyパートナーには、Shopifyが提供する各種APIや開発者向けリソースへのアクセス権が付与されます。これにより、独自アプリやテーマの開発、高度なカスタマイズ、外部サービスとの連携が可能です。
アプリやテーマをShopifyアプリストアやテーマストアで公開すれば、販売を通じて直接収益を得られます。技術力を生かすことで、他社との差別化や高単価案件の獲得にもつながります。
Shopifyパートナー専用の管理画面を利用できる
Shopifyパートナーに登録すると、専用の管理画面(パートナーダッシュボード)を利用できます。管理画面では、開発ストアの作成や、顧客ストアの一元管理、アフィリエイトリンクの生成、アプリ・テーマの提出・管理などが効率的に行えます。
開発ストアで構築を行う場合、無料期間に制限がなく(通常は14日間)、納品前のShopify月額料金が発生しません。また、開発ストアの作成数にも上限がないため、複数案件を同時並行で進められます。
Shopify公式リソースやサポートを活用できる
Shopifyパートナーは、最新の製品情報や技術ドキュメント、トレーニングコンテンツ(Shopifyパートナーアカデミー)にアクセスできます。
さらに、パートナー専用の開発用ストアや優先サポート体制も用意されており、案件対応時の不明点やトラブルにも安心して対処できます。
これにより、クライアントに対して常に高品質なサービスを提供する体制を整えられます。
Shopifyパートナーになる方法

Shopifyパートナーへの登録は、オンライン上で完結し、特別な資格がなくても申請できます。個人・法人を問わず、誰でも無料で参加可能です。
まずは、Shopifyパートナープログラム専用サイト(https://partners.shopify.com/)にアクセスし、「パートナーアカウントの作成」から必要事項を入力してアカウントを登録します。登録が完了すると、専用の管理画面であるパートナーダッシュボードにログインできます。
ダッシュボードからは、開発ストアの作成や、アフィリエイトリンクの発行、アプリやテーマの開発・管理など、パートナーとしての各種活動を始められます。また、活動内容や実績に応じて、「サービストラック」や「テクノロジートラック」などの公式制度に参加でき、条件を満たすことで上位ランクの認定対象にもなります。
Shopifyパートナーとしてのキャリアは、登録というシンプルなステップからスタートできます。まずは一歩を踏み出し、専用リソースや機能を活用しながら、ビジネスの幅を広げていきましょう。
Shopifyパートナーの禁止事項
Shopifyパートナーは、ブランド保護・マーチャント保護・技術面の適切な利用という三つの観点から、明確な禁止事項が定められています。これらを順守することで、Shopifyエコシステム全体の信頼と健全性が保たれています。
Shopifyブランドに関する不適切な表現・利用
無許可のプレスリリース・記事発表の禁止
Shopifyに関するプレスリリースや対外的な記事を発表する際は、事前にShopify Japanの承認が必要です。事実と異なる内容や誤解を招く表現、Shopifyの評判を損なう内容の周知は禁止されています。
ロゴ・ブランド要素の不正使用の禁止
ShopifyやShopify Plusのロゴは、規定に基づき正しく使用する必要があります。色やフォントの改変、レイアウトの変更、誤解を招く使用方法は禁止されています。
キーワード不正利用(検索広告・ドメイン・メール)の禁止
Shopifyや類似表現を含む次の利用は禁止されています。
- 検索連動型広告への出稿(例:「Shopify」検索時に自社広告を表示させる行為)
- 「shopify」を含むドメインの取得・公開(例:shopify-abc.jp など)
- 「shopify」を含むメールアドレスの利用(例:info@shopify-xyz.com など)
マーチャントへの不適切なアプローチ・営業行為
無許可の個別連絡・営業行為の禁止
マーチャントの連絡先を不正に収集し、無差別な営業電話やメールを送る行為は禁止されています。これによりマーチャントが不快に感じたり、Shopifyの評判を損なう可能性がある場合、規約違反に該当します。
技術・開発に関する不正行為の禁止
決済機能の独自実装の禁止
Shopifyで利用する決済手段は、公式に連携されたものに限られます。Hosted Payment SDKやPayments Appを使用せず、APIを使った独自の決済手段の実装は規約違反です。
カスタムアプリ・プライベートアプリの不正利用の禁止
カスタムアプリやプライベートアプリは、本来一つのマーチャント専用です。自社サービスとの連携用途でこれらのアプリを流用し、公開せずに複数マーチャントへ提供することは禁止されています。
Shopifyパートナーに関するQ&A
最後に、Shopifyパートナーに関するよくある質問とその回答を紹介します。
Shopifyパートナーになるのに費用はかかるか
Shopifyパートナーへの登録は無料です。登録後も、パートナーダッシュボードの利用や開発用ストアの作成に費用はかかりません。
実際に有料プランのストアが公開されたり、アプリ・テーマが販売された場合に収益が発生します。
個人でもShopifyパートナーになれるか
個人でもShopifyパートナー登録できます。
ウェブ制作やマーケティングの経験があれば、個人でも十分に活動できます。
英語ができなくてもShopifyパートナーになれるか
日本語だけでもShopifyパートナーに登録できます。管理画面やShopifyパートナー向け情報の多くが日本語対応しています。
ただし、アプリ開発や海外展開を目指す場合は、英語ができるとより有利です。
Shopifyパートナーになると必ず案件が紹介されるか
Shopifyパートナーになっただけで案件が自動的に紹介されるわけではありません。
公式パートナーディレクトリに掲載されたり、実績を積むことで、問い合わせやビジネスチャンスが広がる可能性があります。
これからShopifyパートナーを探したい場合、どうすれば良いか
Shopify公式サイトのパートナーディレクトリを活用することがおすすめです。
得意分野や実績などから自社に合ったパートナーを検索できます。