「Shopifyとecbeing、結局どっちを選ぶべき?」そんな疑問を持つ方も多いでしょう。
どちらも国内外で高い評価を得ているEC構築プラットフォームですが、対象とする事業規模や強みには明確な違いがあります。
本記事では、料金・機能・サポート体制・拡張性などの観点から両者を徹底比較し、成長フェーズや目的別に最適な選択肢を分かりやすく解説します。
これからECサイトを立ち上げる方も、既存システムのリプレイスを検討している方も、ぜひ判断材料としてお役立てください。
目次
結論:Shopifyとecbeing、どちらが自社に最適?
本記事では料金や機能、サポート、拡張性などを比較しますが、結論としていえるのは、Shopifyは成長途上の事業や海外展開を視野に入れる企業に最適であり、ecbeingは安定した売り上げ基盤を持ち、長期的な運用体制を重視する企業に向いているということです。
「事業規模別」のそれぞれの特性は次のとおりです。
小規模〜中規模のEC事業者にはShopify
Shopifyは初期費用が不要で、最短1日でストアを立ち上げられる点が大きな魅力です。ベーシックプランなら月額3,650円(年払いの場合)から始められ、事業の成長に合わせて上位プランへスムーズに移行可能です。
コーディングの知識不要でサイトの構築・運用ができ、少人数チームでも日常業務を効率的にこなせます。さらに、8,000以上のアプリを活用することで機能拡張も自在です。
スピード・コスト・拡張性のバランスに優れたプラットフォームとして、スタートアップや中堅EC事業者に最も適しています。
大規模企業・上場企業ならecbeing
ecbeingは、年商1億円以上の中〜大規模企業を主な対象とするエンタープライズ向けECソリューションです。基幹システム・CRM・物流・会計などとの統合を前提としたフルスクラッチ開発が可能で、要件に合わせた柔軟な設計が行えます。
また、24時間365日の専任サポート体制を持ち、セキュリティ基準「ISMS」を取得するなど、企業の信頼性要件にも対応しています。
高い拡張性と安定運用を両立したプラットフォームとして、企業ブランドを重視する組織に向いています。
海外進出・越境ECを目指すならShopifyが有利
海外販売(越境EC)を視野に入れるなら、Shopifyが圧倒的に有利です。標準で多言語・多通貨・海外決済に対応しており、Shopify Marketsを利用すれば国や地域ごとの税率・配送・価格設定を自動で最適化できます。
また、Shopify ペイメントやShop Payなどの国際決済手段をはじめ、現地通貨での販売も容易です。越境EC向けのアプリも豊富で、グローバル展開をスムーズに始められます。
一方、ecbeingも「WorldShopping BIZ」などの外部サービスと連携すれば越境販売が可能ですが、標準機能としては非対応で、追加開発やコストが発生します。
世界市場に短期間で参入したい場合はShopify、国内中心で大規模な体制構築を重視するならecbeingが向いています。
Shopifyとecbeingの徹底比較【プラン】
Shopifyとecbeingは、どちらも事業規模や目的に応じて複数のプランを用意しています。ただし、その設計思想には大きな違いがあります。ここでは、それぞれの代表的なプラン内容を整理します。
Shopifyのプラン
Shopifyは、個人事業主からグローバル企業まで対応する四段階のプラン構成を採用しています。
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Basic:最も手軽な構成で、個人・小規模ストアの立ち上げに最適です。ECの基本機能をすぐに使えます。
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Grow:中規模ストア向けのプランです。レポート機能が強化され、スタッフアカウントを増やせます。
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Advanced:大規模ストアや多拠点運営を想定したプランです。詳細な分析レポートや国際販売向け機能(関税・輸入税の自動計算など)が利用可能です。
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Shopify Plus:エンタープライズ向けの最上位プランです。API連携やワークフロー自動化、卸売チャネル対応など、大企業・グローバルブランド向けの機能を備えています。専任担当者によるサポートも付き、システム連携や拡張開発にも柔軟に対応します。
このようにShopifyは、段階的な成長に合わせて柔軟にアップグレードできる仕組みを整えており、スタートアップから上場企業まで幅広い層に対応しています。
ecbeingのプラン
ecbeingは、主に中〜大規模企業向けのプラン体系を採用しています。
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ミドルプラン:売り上げが伸び始め、カスタマイズの必要性が出てきたECサイトに最適なプランです。
基幹システムや外部サービスとの連携、サブスク拡充、オムニチャネル対応など幅広い機能拡張が可能です。
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エンタープライズプラン:中〜大規模ECサイト向けの最上位プランです。売り上げ最大化を目的としたマーケティング支援体制や、継続的な機能改善を備え、専任PMがプロジェクト全体を統括します。フルカスタマイズが可能で、基幹・物流・外部システムとの複雑な連携にも柔軟に対応します。
なお、ecbeingには「スタートアッププラン」も用意されています。スタートアッププランは メルカートのプランです。メルカートとは、同社グループの株式会社エートゥジェイが提供するクラウド型ECサイト構築プラットフォームで、簡易立ち上げから始めて、後に本格的なシステム(ecbeing)へ移行しやすい構造を備えています。
Shopifyとecbeingの徹底比較【料金・コスト】
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ecbeing
|
Shopify
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| 項目 |
ミドルプラン |
エンタープライズプラン |
Basic |
Grow |
Advanced |
Shopify Plus |
| 初期費用 |
500万円〜 |
要見積もり |
無料 |
| 月額費用 |
20万円〜 |
40万円〜 |
3,650円 |
10,100円 |
44,000円 |
2,300ドル〜 |
| クレジットカード決済手数料 |
契約する決済代行サービスによる
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3.55% |
3.4% |
3.25% |
2.9%〜 |
※Shopifyの月額費用は、年払いの場合
※Shopifyのクレジットカード決済手数料はShopify ペイメントを利用する場合
ECサイト構築において最も気になる点が「初期費用」「月額費用」「決済手数料」などのコスト面です。ここでは、Shopifyとecbeingそれぞれの料金体系とコスト構造を比較し、どの規模の事業に適しているかを整理します。
なお、ecbeingの料金体系は公式サイトで明確に公表されておらず、実際の費用は要件や規模によって大きく異なります。
初期費用
Shopifyは初期費用が無料で、登録後すぐにストア構築を始められます。一方、ecbeingはフルスクラッチ開発が前提のため、ミドルプランで約500万円〜、エンタープライズは別途見積りが必要です。
その分、ecbeingは細かい要件定義やデザイン設計を含む完全オーダーメイド開発が可能で、企業のブランド戦略に合わせた構築が行えます。
短期間で立ち上げたい場合はShopify、じっくり設計して独自性を重視する場合はecbeingが適しています。
月額費用
Shopifyは月額3,650円(年払いの場合)から利用でき、上位プラン(Advanced)に上げても44,000円で運用可能です。アプリ導入やテーマ変更なども基本は月単位の課金で済むため、コストを調整しやすい点が特徴です。
対してecbeingは、月額費用がミドルプランで20万円〜、エンタープライズプランで40万円〜と高額です。月額費用にはサーバー運用や保守体制などが含まれていますシステムの安定稼働やサポートを重視する企業には向きますが、継続的な費用負担は大きめです。
決済手数料・保守費用・アプリ費用
Shopifyは自社決済「Shopify ペイメント」を利用する場合、プランに応じて3.25%〜3.55%と比較的低率の手数料で済みます。さらに、外部決済を追加する場合もアプリを使って容易に対応可能です。
ecbeingは自社決済サービスを持たず、契約する決済代行会社により手数料が変動します。また、カスタマイズ内容に応じて保守・サーバー・追加機能の費用が発生しやすく、総コストは契約条件によって大きく上下します。
Shopifyとecbeingの徹底比較【機能】
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ecbeing
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Shopify
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| 決済機能の導入しやすさ |
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- Shopify ペイメントを標準搭載
- 100種以上に対応・手数料が低く導入が簡単
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| OMOへの対応 |
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- Shopify POSでECと実店舗のデータ連携が可能
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| 越境ECへの対応 |
- 標準では未対応
- 外部連携で海外販売を実現・国内市場特化の設計
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- 100以上の通貨・50以上の言語に対応
- 為替自動変換
- 海外配送アプリ連携が容易でグローバル展開に強い
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| 定期購入 |
- 定期購入機能を標準搭載・会員単位の配送周期や内容変更、CRM分析に対応
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- 販売アプリが豊富
- 公式アプリ「Shopify Subscriptions」で無料導入可
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| 在庫管理・商品管理 |
- 在庫・納期の可視化、複数チャネルでの在庫連携が可能
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- 複数倉庫・販売チャネル間の在庫同期を標準装備
- POS連携で実店舗との在庫共有も可能
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| BtoB販売 |
- 見積機能・価格設定・発注管理をワンストップで提供
- 複雑なBtoB取引にも対応
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- BtoB専用アプリやパスワード保護ストアで構築可能
- 「Shopify Plus」で卸売チャネル機能を提供
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ECサイトの使いやすさや売り上げを左右するのは、決済や会員機能、BtoB販売などの「機能面」です。ここでは、Shopifyとecbeingが提供する主要な機能を比較します。
決済機能
Shopifyは、世界100種類以上の決済方法に対応しており、クレジットカード・PayPay・Apple Pay・Google Pay・Shop Payなどを簡単に導入できます。自社決済「Shopify ペイメント」を利用すれば、導入もワンクリックで完結し、決済手数料も低く抑えられます。
一方、ecbeingは自社決済サービスを持たず、契約する決済代行会社によって対応範囲が変わります。銀行振込・コンビニ払い・代引など日本市場向けの決済手段は豊富ですが、導入や設定には専門的な知識と追加コストが発生する場合があります。
定期購入・サブスク販売機能
Shopifyでは、サブスク販売を可能にするアプリが多数提供されています。人気の「Appstle Subscriptions」や「Seal Subscriptions」などを導入すれば、継続課金・配送周期・割引設定なども柔軟に管理できます。
さらに、Shopify公式アプリ「Shopify Subscriptions」が2024年1月に正式リリースされ、無料で利用可能です。管理画面から直接設定でき、Shopify POSとの連携も可能で、オンライン・店舗の両方で定期販売を展開できます。
一方、ecbeingは定期購入機能をデフォルトで搭載しており、会員ごとのサイクル変更や商品内容のカスタマイズ、CRM分析など、リピート販売に特化した機能が標準で利用可能です。
在庫管理・商品管理機能
Shopifyは、複数倉庫や販売チャネルでの在庫数をリアルタイムで同期できる仕組みを標準搭載しています。SKU(品番)ごとの在庫管理やアラート設定、入出庫履歴の追跡が可能で、Shopify POSを利用すれば実店舗との在庫共有もスムーズに行えます。外部WMSや在庫アプリとの連携も豊富で、スピード感のある運用が強みです。ただし、発注単位やロット管理など、より細かな在庫ルールの設定にはアプリの追加やカスタマイズが必要です。
一方、ecbeingは、ECサイト構築基盤として商品や在庫に関するデータを一元管理する機能を備えています。また、BtoB取引向けに「在庫・納期目安を得意先にサイト上で表示」して、問い合わせの削減や在庫可視化を支援している事例も公式で紹介されています。
BtoB・卸売販売
Shopifyは、BtoB販売に対応する方法が複数あります。新規ストアをパスワード保護で作成する、BtoB専用アプリを追加する、または「Shopify Plus」で提供される卸売チャネル機能を利用するなど、規模やニーズに応じた選択が可能です。
一方のecbeingは、BtoB販売に特化した構築実績を豊富に持ち、受発注管理・見積機能・顧客ごとの価格設定などをワンストップで提供します。専用システムとして設計できるため、複雑な取引フローを持つ企業でもスムーズに対応できます。
越境EC(多言語・多通貨・海外決済)
Shopifyは、越境ECにおける世界的な評価が非常に高く、100以上の通貨・50以上の言語・数百種類の海外決済に対応しています。為替レートの自動変換や海外配送アプリとの連携も容易で、海外市場へのスムーズな進出が可能です。
一方、ecbeingは標準では越境対応しておらず、株式会社ジグザグの「WorldShopping BIZ」など外部サービスと連携して海外販売を実現します。国内市場に最適化されている一方で、海外販売を前提とする場合は追加コストと開発が必要です。
OMO・実店舗連携(POS・在庫共有)
Shopifyは、オンラインとオフラインを統合できる「Shopify POS」を提供しており、実店舗での販売データをオンライン在庫と自動同期できます。これにより、ECと店舗の垣根をなくしたOMO運営が実現します。
一方、ecbeingはフルスクラッチ開発でのOMO設計が可能で、POSや在庫システムとの連携も柔軟に構築できます。ただし、開発工数と費用は大きくなりがちで、スピード重視の導入には不向きです。
Shopifyとecbeingの徹底比較【拡張性・カスタマイズ性】
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ecbeing
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Shopify
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| 機能追加・アプリ連携 |
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| 外部システムとの連携 |
- 各種外部システムと連携可能(多くの場合カスタム開発が必要)
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- APIが整備され外部連携が容易
- 主要SaaSと連携可能でデータ連携がスムーズ
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| デザイン自由度とテーマ編集 |
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ビジネスが成長するにつれて、ECサイトには新機能の追加や他システムとの連携が求められます。ここでは、Shopifyとecbeingの拡張性・カスタマイズ性を比較します。
機能追加・アプリ連携
Shopifyは、8,000種類以上の拡張アプリを通じて、ほとんどの機能を後から追加できます。レビュー管理や定期購入、ポイント機能、予約販売など、必要な要素を導入可能です。ノーコードで設定できるアプリが多く、専門知識がなくてもすぐに機能拡張できる点が魅力です。
一方、ecbeingは基本的にフルスクラッチ開発のため、必要な機能を要件定義の段階で設計していきます。標準機能の範囲を超える要件も実装可能ですが、その分開発工数とコストが大きくなります。
外部システムとの連携(基幹・CRM・物流など)
ShopifyはAPIが整備されており、外部サービスや業務システムとの連携が容易です。特に、在庫・出荷管理(ロジクラ・ネクストエンジンなど)や会計ソフト(freee・マネーフォワード)との連携が充実しており、SaaS間のデータ連携をスムーズに実現できます。
ecbeingも基幹システムやCRM、物流・決済など多数の外部サービスと連携可能ですが、その多くはカスタム開発が必要です。連携の自由度は高いものの、導入スピードと費用面ではShopifyに一歩譲ります。
デザイン自由度とテーマ編集
Shopifyは、公式テーマストアで800種類以上のテーマを提供しており、レイアウトやフォント、カラーなどを自由に編集できます。テーマ言語「Liquid」を理解すれば、より細かなデザインカスタマイズも可能で、ブランドの世界観を柔軟に表現できます。
一方、ecbeingはテンプレートをベースにしつつ、デザイン要件に合わせてフルスクラッチ開発を行える点が強みです。コーディングによる完全オーダーメイドのデザインが可能で、企業ブランディングを重視する大規模サイトに適しています。
Shopifyとecbeingの徹底比較【サポート体制・操作性】
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ecbeing
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Shopify
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| サポート対応の範囲とスピード |
- 24時間365日対応の専任サポート体制
- 導入後も専門スタッフが個別フォロー
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- 24時間対応だが日本語サポートはチャット・メールのみ
- 電話サポートは英語のみ対応
- ヘルプページ・コミュニティが充実
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| 管理画面・操作性・ユーザビリティー |
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- シンプルなUI設計
- スマホ操作にも最適化されている
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| トラブル対応・セキュリティ・信頼性 |
- 大手・上場企業の導入実績多数
- バックアップ体制・障害対応マニュアル整備
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- クラウドSaaSとして高い安定性・サーバー・セキュリティ管理をShopify側が実施
- アプリによっては外部開発者依存のリスクあり
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ECサイト運営では、トラブル対応や管理画面の使いやすさが日々の業務効率を大きく左右します。ここでは、Shopifyとecbeingのサポート体制や操作性を比較します。
サポート対応の範囲とスピード
ecbeingは、24時間365日対応の専任サポート体制を整えており、導入後も専門スタッフによる個別フォローを受けられます。システム障害や運用トラブルにも迅速に対応し、セキュリティ面では国際認証「ISMS」を取得しています。定期的な外部監査も行うなど、企業向けの手厚いサポートが特徴です。
一方、Shopifyはカナダ発のグローバルサービスで、24時間体制でのサポートを提供していますが、日本語での対応は完全ではありません。現状、日本語対応はチャットとメールのみです。電話サポートは英語のみの対応となるため、緊急時には英語でのやりとりが必要になる場合があります。対応スピードにはややばらつきがあるものの、日本語のヘルプページやユーザーコミュニティが充実しており、自己解決しやすい環境が整っています。
管理画面・操作性・ユーザビリティー
Shopifyは、世界中のユーザーが利用することを前提に設計されたシンプルな管理画面が特徴です。注文管理・商品登録・在庫調整などの基本操作は数クリックで完結し、EC運営の初心者でも扱いやすい設計です。さらに、スマートフォンからの操作にも最適化されており、外出先での運用も可能です。
一方、ecbeingの管理画面は機能が多く、分析レポートや会員管理など企業向けの高機能ツールが標準装備されています。その分、操作には慣れが必要ですが、社内担当者が複数人で分担して管理するような大規模サイトには適しています。
トラブル対応・セキュリティ・信頼性
ecbeingは、導入企業の多くが大手・上場企業であることから、システム障害時の対応マニュアルやバックアップ体制が整備されています。セキュリティ面でも高水準で、第三者診断の実施やぜい弱性対策が常にアップデートされています。
一方、Shopifyもクラウド型SaaSとして高い安定性を誇り、サーバー管理を全てShopify側が担うため、ユーザーはセキュリティ更新やバックアップ作業を意識する必要がありません。ただし、利用するアプリによっては外部開発者に依存する部分もあり、信頼性の確認が必要です。
Shopifyとecbeingの徹底比較【導入・運用のしやすさ】
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ecbeing
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Shopify
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| 導入スピードと開発期間の目安 |
- フルスクラッチ開発型で要件定義から構築まで対応・導入まで数カ月〜半年程度
- 高い自由度とカスタマイズ性が特徴・短期導入には不向き
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- アカウント登録後すぐに構築可能
- ノーコード対応で初心者でも構築可・最短1日〜1週間で公開可能
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| 運用・保守・アップデートの負担 |
- 自社または専用サーバー環境で運用・保守・アップデートに人員・費用が必要・セキュリティ設定や制御を自社管理できる・中〜大規模企業の運用に向く
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- クラウド型でサーバー管理不要
- アップデート・セキュリティ管理は自動
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| セキュリティ・法令・アップデート対応 |
- ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)取得済み
- 第三者機関による定期セキュリティ診断を実施
- 国内法令順守体制が整備
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- PCI DSS準拠・GDPR・個人情報保護法対応
- 国際水準のセキュリティと自動更新で安全性が高い
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ECサイトの構築では、導入スピードや運用のしやすさも重要な判断基準です。ここでは、Shopifyとecbeingの導入プロセス・運用負荷・セキュリティ対応を比較します。
導入スピードと開発期間の目安
Shopifyは、アカウント登録後すぐにストアを公開できる即日導入型のSaaSプラットフォームです。テンプレート(テーマ)やアプリを選ぶだけで販売を開始でき、ノーコードで構築できる点が大きな強みです。小規模〜中規模事業者であれば、最短1日〜1週間での立ち上げも可能です。
一方、ecbeingはヒアリングから要件定義、設計、開発、テストを経てサイトを構築するフルスクラッチ開発型のため、導入までに数カ月〜半年程度を要します。機能要件やデザインの自由度は高い反面、短期立ち上げには不向きです。
運用・保守・アップデートの負担
Shopifyは、クラウド型のためサーバー管理・セキュリティ更新・機能アップデートが全て自動で行われます。ユーザー側でメンテナンスを行う必要がなく、常に最新の環境で運用できる点が特徴です。
一方、ecbeingは自社サーバーまたは専用環境で運用されるケースが多く、保守やアップデートに人的リソースや追加費用が発生します。その分、独自のセキュリティ設定やシステム制御が可能で、企業内の情報システム部門がある中〜大規模企業に向いています。
セキュリティ・法令・アップデート対応
Shopifyは世界175カ国以上で利用されており、PCI DSS(国際クレジットカード安全基準)をはじめとする厳格なセキュリティ基準を満たしています。個人情報保護法やGDPRなどの国際法にも対応しており、特別な設定なしに安全な取引環境を維持できます。
ecbeingもセキュリティ対策に力を入れており、「ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)」を取得済みです。さらに、第三者機関による定期的なセキュリティ診断を行っており、国内の法令順守体制が整っています。
Shopifyとecbeingの徹底比較【リスク・将来性】
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ecbeing
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Shopify
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| ベンダーロックインとデータ移行の自由度 |
- フルスクラッチ開発で専用構成になりやすい
- 他システムへの移行難易度が高い
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- クラウド型SaaSでベンダーロックインリスクが低い
- CSVエクスポートでデータ移行が容易
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| システム更新・乗り換えの柔軟性 |
- アップデートや新機能追加の際に開発対応が必要
- リニューアルには計画と調整が必要
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- 機能アップデートが自動適用
- テーマ・アプリの更新もワンクリックで完結
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| 将来の拡張・グロース対応力 |
- 国内企業の大規模案件で豊富な開発実績
- 要件に合わせた柔軟なカスタマイズが可能
- 海外展開や最新技術導入ではやや遅れがち
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- 世界数百万ストアの実績と拡大中のエコシステム
- ・国際的な成長・拡張性に優れる
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ECサイトは一度構築して終わりではなく、長期的な運用・アップデート・拡張が求められます。ここでは、Shopifyとecbeingそれぞれのリスク要因や将来的な拡張性、乗り換えのしやすさを中心に比較します。
ベンダーロックインとデータ移行の自由度
Shopifyは、クラウド型SaaSであるためベンダーロックインのリスクが低い点が特徴です。アプリやテーマは外部開発者によって提供されており、特定ベンダーへの依存が起こりにくい構造になっています。CSVエクスポート機能で顧客データや商品データを簡単に取得できるため、他サービスへの移行も比較的容易です。
一方、ecbeingはフルスクラッチによる独自開発が基本のため、システム構成が専用仕様になりやすく、他プラットフォームへの移行は難易度が高い傾向があります。データベース設計や機能構造が独自である場合、再構築コストも大きくなる点に注意が必要です。
システム更新・乗り換えの柔軟性
Shopifyは定期的に機能アップデートが自動適用されるため、常に最新バージョンを利用できます。テーマやアプリの更新もワンクリックで完結し、運用者側の負担はほとんどありません。
対して、ecbeingは独自開発ゆえにアップデートや機能追加のたびに開発対応が必要です。新機能を導入する際は追加費用や時間がかかるため、運用中に大規模なリニューアルを行う場合には慎重な計画が求められます。
将来の拡張・グロース対応力
Shopifyは、全世界で数百万以上のストアに利用されており、エコシステムの拡大スピードが非常に速いプラットフォームです。AIツールやShopify Flowなどの自動化機能、さらにはShopify Marketsを活用した国際展開にも対応しており、将来的な成長を見据えた拡張性が高い点が魅力です。
一方、ecbeingは国内大手企業向けの開発ノウハウを豊富に持ち、要件に合わせたカスタマイズ性の高さが強みです。ただし、グローバルな新技術の導入や海外販売への展開スピードではShopifyに劣る傾向があります。